「同級生」はひとりしかいなかった和歌山でのジュニア時代

福田は木戸愛との3ホールのプレーオフを制してプロ2年目での初優勝を挙げました。

卒業した高校は宮崎県の日章学園で、1学年上には菅楓華と荒木優奈という実力者がいましたが、出身は和歌山県です。

同県出身選手として初のツアーでの優勝を達成すると「すごく嬉しいです」と話した上で「和歌山県はジュニアの数が本当に少なくて、私も同級生が1人しかいないですし、年上も年下も数え切れるぐらいしかいませんでした」と地元のゴルフ事情を打ち明けました。

東北高OGに宮里藍、有村智恵、原江里菜などがいるも宮城出身者Vは倉林紅が初 

また「資生堂・JALレディス」では倉林紅が宮城県出身選手として初優勝しました。

同県には倉林も卒業した東北高校があり、OGには宮里藍、有村智恵、原江里菜といったそうそうたる名前が並んでいます。

ツアー7勝の佐伯三貴は東北福祉大出身ですが、出身地は宮里が沖縄で有村は熊本。原は愛知。佐伯は広島です。

東北福祉大には男子の松山英樹という超大物OBもいますが、出身は愛媛県です。

そんな事情から倉林も「プロになってQTを1位で通過してから宮城(出身者)での初優勝っていうのを地元の皆さんも期待してくださって、その目標を一緒に果たすことができてすごくうれしいです」と「資生堂・JAL」の優勝会見で話していました。

“優勝空白県”は残り「8」に 次は誰が、どこを埋める?

福田が和歌山。倉林が宮城の“空白”を埋めたことで、女子ツアーで優勝者を輩出していない県は残り「8」(秋田、長野、三重、石川、奈良、島根、高知、佐賀)となりました。

上記の8県出身で今シーズンのツアーに参戦している主な選手は下表のようになっています。

表に記載されているのは日本女子プロゴルフ協会の会員となっている「プロゴルファー」です。

倉林は昨年のプロテストに合格したばかりのルーキー。福田も2年目ですから、現在アマチュアの選手が近い将来に優勝して空白を埋めてくれるかもしれません。

今年6月の「日本女子アマ」では、三重県出身の17歳、平山心暖が4位に入っています。

「私の優勝がきっかけでゴルフを始めてくれるジュニアの子が増えればうれしい」

前述のように福田は「和歌山でゴルフをやっている同級生は1人しかいなかった」と話しました。

和歌山県ゴルフ連盟の公式webサイトを見ると、今年のジュニア選手権は中・高男子の部の参加者が2人。女子は4人となっています。

そんな実情も踏まえてか福田は「私の優勝がきっかけでゴルフを始めてくれる和歌山県出身のジュニアの子が増えてくれたらうれしいと思います」と話しました。

地元出身の先輩がツアーという頂点の舞台で優勝という結果を出したとなればゴルフを始めよう、というモチベーションにつながります。

競技人口が少ないのは、裏を返せば“伸びしろ”があることにもなります。

今後も「ネクスト倉林」、「ネクスト福田」が誕生して、全国の裾野がどんどん広がることにつながってほしいものです。

女子ツアー 優勝者未輩出県

県名 2026 シーズン主なツアー出場選手
秋田
長野 千田萌花
三重 池ヶ谷瑠菜
石川
奈良 倉田珠里亜、永田加奈恵、薮田梨花
島根 浜崎未来
高知
佐賀 権藤可恋

※「出身地」はプロは日本女子プロゴルフ協会 アマチュアは日本ゴルフ協会のプロフィールとして記載されているもの。

(文/森伊知郎)

(2026年9月8日16時40分 一部記事を修正しました)