連覇を狙った河本結の猛追を振り切る

最終日は3打ビハインドで1組前でプレーしたディフェンディングチャンピオンの河本結スタートから3連続バーディーの猛烈な追い上げを見せます。

バックナインに入っても、14番で明愛が3パットのボギーを叩いて通算14アンダーで並ぶ大接戦。

それでも15、18番でバーディーを奪った明愛が日本ツアーでは2年ぶりの通算7勝目。

アメリカLPGAツアーを含めると、昨年の「スタンダード・ポートランド・クラシック」以来の勝利を挙げました。

300ヤード超えを連発して平均飛距離1位!

そのプレーで印象的だったのは飛距離の伸びです。

計測ホールの8番パーでは初日に326ヤードを記録しました。

これは「木に当たったのでラッキーでした」と明愛は謙遜したものの、このホールでは最終日も304ヤードを記録しています。

3日間の平均飛距離はLPGAツアーに主戦場を移す前の一昨年大会よりも約13ヤード伸びて274.333ヤードで、全選手の中でトップでした。

ティファニーが原点にある? 水色のドライバー

飛距離を支えるドライバーは、長らく使う「EZONE GT TYPE S」(ヨネックス)です。

千怜のピンクと色違いのヘッドを使うのがお馴染みですが、最初にカラーを決める際には千怜がすぐ決まったのに対して明愛は少し悩んだそうです。

今までにないカラーを、という中で黄色なども候補に上がる中で契約するヨネックスが「ティファニーブルーってどう?」と提案。

その後、ゴルフ場の芝の上での見え方なども考慮して、微妙に異なる現在の色になったそうですが(商品名はターコイズブルー)、発想の原点はティファニーにあったのだそうです。

300ヤード超えを記録した岩井のドライバー(撮影/森伊知郎)

表示は9度も、リアルロフトは11度近い!?

ロフトの表示は9度になっていますが、寝ている個体を選び、弾道調整機能もドロー系のポジションにしているため、リアルロフトは10.5〜11度になっています。

元々の特性は捕まりを抑えたヘッドを、捕まるように調整して、気持ち良く振るのが明愛の好み。

発売から2年半が経過しているドライバーを使い続ける、替えられない理由について「自分に合っていると思いますし、信頼しているというか心強いです」と説明します。

その絶大な信頼は、シャフトの塗装が一部剥がれているほど使い込んでいることに現れています。

326ヤード記録したホールは打ち下ろし そこで飛ばす秘訣は?

300ヤード超えを連発した8番はティショットが大きな打ち下ろしとなるので目標取りが難しそうです。

コンペならドラコン対象になりそうなホールのティショットを飛ばす秘訣について聞く「いつも通り。目標を定めて振るだけです」との答えが返ってきました。

難易度18位と最も易しく、3日間トータルでパーが129個に対してバーディーが105個。イーグルも5つあったので、あわよくばイーグルを取りたいホールでも「いつも通りのことをやるだけ」というのも信頼感があるからでしょう。

14番パー4では1メートルがカップに蹴られての3パットと嫌なボギーで河本に並ばれますが、「バーディーを取らなきゃいけないと思った」と振り返る15番は390ヤードのホールで2打目の残りは94ヤード。単純計算ではティショットを300ヤード近く飛ばしたことになります。

この2打目を1.5mにつけて狙い通りにバーディー。

緊迫した場面で会心のショットが打てたのも、ドライバーがもはや身体の一部のようになっているのでしょう。

300ヤードオーバーを連発して、トーナメントレコードを更新する通算16アンダーでの優勝はまるでアマチュアとは別世界の次元でのプレーにも思えますが、シャフトの塗装が剥がれるほど使い続ける、信頼できるドライバー(クラブ)をしっかり選ぶことは、一般アマチュアも大いに参考できる、と感じさせる明愛の優勝でした。

(取材・文/森伊知郎)