フィッティングに来られる方に、よく言われることがあります。

「もし、スイングがおかしいと思ったら、そのあたりも遠慮なく言ってくださいね」

当方がこれまでプロやトップアマも含めて様々なスイングを見てきたということもあり、そういったことを期待されてくることは当然だとは思っていますし、もちろん、その人のスイングを見なければ、クラブをきちんと選ぶことは不可能ですから、どういうスイングをしているのか? というのは常に考えてフィッティングをしてきました。

ですが、そういったことを言われたときに、必ずお伝えすることがあります。

僕はこれまで、おそらく数万人のゴルファーのスイングを見てきましたが、根本的に「この人のスイングは全くダメだ」と思ったことは一度もありません。

ということです。

それはなぜかというと、皆さん、ナイスショットする瞬間がありますよね?

ナイスショットができるということは、皆さんが考えている「良いスイング」をすることができるということになるわけです。

全く悪いスイングをしていたとしたら、ナイスショットをすることはないでしょう。

なので、「ダメなスイングをしている人」は存在しないと考えています。

ということで、今回から数回に分けて、なかなか表現するのは難しいのですが、これまで僕が培ってきた経験から導き出した、理想のスイング、というものをこちらに書かせていただきます。

切り取った形だけをマネしてはいけない

ゴルフでは、スイングの形について多く語られます。

始動の仕方、トップの形。

腰の回転や、手の通る位置や、クラブの通り道など、動画を見たり、写真を見たりしながら、プロの形などを真似する方もいらっしゃるでしょう。それを理想のスイングとして、目指すということは皆さん一度はやったことがあるのではないでしょうか?

もちろん、そういったことを研究し、自身に取り入れることが間違っているということではないのですが、本来、ゴルフスイングというのは一連の動作であって、なかなか切り取った形だけを模倣しようとしても、その前後の動きも含めて取り入れて行かないと、なかなか結果には結びつかないことと思います。

冒頭で述べさせていただきましたように、根本的に、全くおかしな動きをしている方にはこれまでお会いしたことはありません。

もちろん、人それぞれでもあり、様々なクセをお持ちですから、これが正しい形! という決まったものを基準にするのではなく、ゴルフスイングを1連の動きとしてとらえた時に、その動きのスムーズさといったらいいのでしょうか? 無駄な動きがないほど、良いスイングをされたな~という印象を持つことが多いです。

なので、ここでは、その良いスイング=無駄な動きがないスイングというのはどういうものなのかを考えて行きたいと思います。

それが僕の中での理想のスイングとなります。

人はなぜナイスショットできる?

まず、冒頭の疑問で上がりました、なぜ、人はナイスショットすることができるのでしょうか?

もちろん最初から当たらない人もいらっしゃいますが、レッスンに通って基本の動作を習ったりして、出来るようになる方もいらっしゃれば、中には特に習ったことがなく、自己流でやられている方でも、練習していくうちに自然とナイスショットが出るようになることでしょう。

それは、なぜかというと、人間には、そういった能力がそもそも具わっているから、と考えてみてはいかがでしょうか?

例えば、人間は昔から、道具を使うことで能力を発揮してきました。

「箸を使って食事をする」「ハサミを使って物を切る」「自転車に乗る」

これらも、最初から完璧にできるわけではありません。

しかし、教わったりしながら、身につくと、一つ一つの動きを意識しなくても自然に使えるようになりまし、その動作の無駄が徐々に省かれていくこともあるでしょう。

ゴルフも同じです。

人間には、棒を振って、その先端を何かにぶつける、つまりはゴルフクラブを振って、ボールに当てることができる、そういった能力が、具わっている、と考えています。

そして、その能力をいかんなく発揮できれば、距離の打ち分けもできるようになりますし、球筋をコントロールすることもできるようになるでしょう。

そうなんです。誰でもナイスショットができる、というのは実は当たり前のことであって、難しく考える必要は何もない、と考えています。そして、人間にはそういった適応能力も備わっています。

例えば、重いものを持てば、人間は自然に体全体を使います。長いものを振れば、その長さに合わせてテンポを変えて動こうとするでしょう。飛ばしたいと思えば、速く振ろうとします。狙った場所へボールを飛ばしたい思えば、そこへ向かう動きをします。

人間は、目的に合わせて自然に身体の使い方を変える能力を持っています。

もちろん、ゴルフでスイングすることも、その能力の延長にあります。

ゴルフクラブを持った瞬間に、本能的にこのクラブをどうやって振ったらボールに当たるのか? ということを瞬時に判断している、と考えています。

でも、なかなか打てないクラブというのは存在しますし、練習してもうまく行かないことがあるでしょう。

ミスショットの話をすると、やっぱりスイングが悪いんじゃないか? と思いがちですが、そうとも言えない、ということをこれから述べていきたいと思います!

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