アウトとインで平均スコアが2.5ストロークも違う

昨年「ZOZOチャンピオンシップ」から名称が変わった大会は会場も横浜カントリークラブに移りました。

通常営業では西コースとして使われる16ホールと、東コースの2ホール(大会の17&18番)をミックスした18ホールはフロントナインがパー5とパー3がふたつずつあるパー36なのに対して、バックナインはパー5がなく、パー3も222ヤードの16番(通常営業では西9番)がひとつでパー35となっています。

4日間通算の難易度で1~4位と6&7位がバックナインにあり、平均スコアはフロントナインの33.805でバックナインは35.291。

対パーで見ると、約2.5ストロークも差がついています。

松山と優勝者のバックナインを比べると

優勝したブレナンは3日目に31をマークするなどバックナインを4日間通算7アンダーで回りました。松山は初日に32で回ったものの、3日目には39を叩くなどバックナイン通算が2オーバーでした。

4日間トータルのスコアはブレナンが16アンダーで松山が9アンダーだったので、この差はほぼバックナインのスコアの差でついたともいえます。

優勝とのスコア差と一致するスタッツ部門が

さらに優勝とのスコア差とぴったり一致したのがスクランブリング(パーオンできなかったホールでパー以下のスコアでホールアウトすること)です。

ブレナンはパーオンを逃した18ホールで14回スクランブリングに成功。

松山は25ホールで14回。失敗した回数は4回対11回ですから、この7回の差は1通算スコアの差と一致します。

松山の4日間のボギー数は13。このスクランブリング失敗とスリーパットが2回という内訳でした。

決めると波に乗れそうなパットがひと筋外れる場面が見られた。

ツアー3位の飛ばし屋がティショットは7Wを多用 “よそ行き”のゴルフで優勝したブレナン

優勝したブレナンは今シーズンの平均飛距離が327.4ヤードで、PGAツアーではこの部門ランキング3位の飛ばし屋です。

それが「ベイカレント」では317.4ヤードで72選手中6位。

この部門2位のローリー・マキロイが出場していなかったことを考慮すると物足りないものにも見えます。

ただしこれにはしっかりした理由があり「野芝のラフに入ると飛びすぎたり、どんな球が出るかわからないからフェアウェイキープが最優先。ティショットでは7番ウッドを多用した」とブレナンは説明しました。

初来日のブレナンにとって野芝のラフからボールがどんな飛び方をするかは未知のもの。飛ばし屋だけにフライヤーしてしまうと距離感のコントロールは不可能です。そこでティショットでは7Wを多用したことで「平均飛距離」は落ちましたが、4日間のフェアウェイキープ率は91.67%で1位。

外したのはわずか5回で、2日目と最終日はフェアウェイキープ率100%でした。

このゴルフを「保守的で自分らしくない」とブレナンは言いましたが、シーズンのフェアウェイキープ率が60.28%で96位なのとはまるで別人。

初めての日本で“よそ行き”のゴルフをしたのが見事に成功した形です。

優勝したブレナンは飛ばし屋なのに7番ウッドを多用し、フェアウェイをキープし続けた。

「来年に向けて準備したい」ホールアウト後の松山はすでに1年後を見据える

松山の4日間のスタッツをシーズンと比べると、平均飛距離(シーズン304.1ヤード、ベイカレント310.2ヤード)、パーオン率(66.06%、65.28%)、パーオンホールの平均パット数(1.743、1.72)といったものがほぼ同じだったのに対してスクランブリングが64.41% から56%に低下。ここが影響したといえます。

ホールアウト後の松山は「たくさんの日本の方が来てくれることでやっぱりうれしいですし、楽しいです」と話した上で「しっかり来年に向けて準備して頑張りたいと思います」と早くも1年後への決意を語りました。

成績は通算8アンダーで20位だった昨年とほぼ同じ。

「ZOZOチャンピオンシップ」は3回目の開催だった2021年に優勝しているだけに、来年こそは期待したいものです。

(文/森伊知郎)