まずは、前回書かせていただきましたように、しっくりくるように構えることが重要という部分から述べていきましょう。
人は、どんなところを感じていて、どんなことが起こるのか? ですが、これまでの体験から、これは本当に人によるところが大きいと考えています。
一概に顔(フェース形状)といっても、その中でも、どこを見ているのか? どこが気になっているのか? は千差万別です。
ある方は、トゥの丸みだったり、トップラインの厚さだったり、リーディングエッジの丸みだったり、ヒールの高さや、ホーゼルの長さなどなど、挙げればきりがありません。

人は、この中の何かを感じていたり、もしくは全体的に感じていることが多いです。
人間が他人の顔を認識するのと同様に、その顔のなかのどの特徴を捉えているか? に似ていると考えています。そのため、もちろん、好みも千差万別。
そうなると、違和感のないものも千差万別と言っていいでしょう。ただ、多数の方が良い形、というものにはある程度共通点もあります。
また、一度、良いな~と思った形があって、使っているとその形が次も良いなと感じることが多いようです。
顔の形はメーカーごとに違い、その特色は、継承されやすいです。
なので、たとえば、A社のアイアンが好きとなると、モデルが変わってもA社のものが心地よく構えられたり、いろんな形状を見ながら、これって、A社ッぽいよねみたいなことにもなりやすいです。
なので、まずは、違和感のない形、を自分なりに探してみましょう。
スペックも構えに影響する
そして、つづいて、ライ角やロフト角というのが影響するということを述べさせてください。
メーカーの設計時のライ角やロフト角というのがありますが、きれいにその数値通りに調整したとしても、違和感のある場合があります。
それは、やはり、ヘッドの形状には、多少のばらつきがあるため、たとえ、その数値を細かいところまで揃えたとしても、見え方まではそろわないことがあります。
そして、その細かい差で見え方が変わり、違和感を覚える方もたくさんいらっしゃいます。
「そんなのわからない」とおっしゃっていても、体は勝手に反応しています。
たとえば、以前にも書かせていただいたように、アップライトだな~と感じれば、左に行かないように打ちたくなります。右に振ろうとして、過剰にインサイドアウトになったり、スイング中にフェースが閉じないようにしたり、打った後も肘を抜くような動きになりやすかったりします。
え~、と思われているかたも多いと思いますが、本当に起こっています。
逆に右を向いているな~と感じれば、逆に捕まえるような動きになったりします。本当に、微妙な差でもそういったことは起こってしまい、そして過剰に反応してしまうことで、ミスになる=スイングが崩れると考えていただけると嬉しいです。
なので、いかに構え易いものを選ぶかが自分のやりたいスイングするためのまずは必須条件と考えていただけると嬉しいです。
タイミングが取りやすいものが合っているシャフト
つづいて、始動に関して考えてみましょう。
実は、以前にも書かせていただきましたが、始動時というのは、シャフトは結構しなっています。なぜかと言えば、始動前はクラブはほぼ止まっている状態ですから、そこに負荷を加えることになり、大きくしなりやすくなります。
もちろん、それを嫌がって、なるべくしならないように上げる方もいらっしゃいますが、それも大きな意味で考えれば、始動でのシャフトの挙動に反応している、と言っても良いでしょう。つまり、柔らかいシャフトほど、その挙動は大きくなりやすく、それによって自分のタイミングで始動ができるのか?ということにつながっていきます。
ではどんなシャフトが始動のタイミングを取りやすいか?といえば、それはやはり、合っているシャフトとなります。
これまで、「シャフトウェーブ」の時にも述べさせていただきましたが、スイングしやすいもの、インパクトのタイミングを合わせやすいものというのが、合っているシャフトということになりますが、この始動から含めたところで、スイング中のすべての動きで自身のタイミングが取りやすいものが、合っているシャフトということになります。
つまり、たとえば、当方が述べている、「タテ型」の人は手元がしっかりしたものを好むタイプですが、この始動時にもこの傾向は出やすくなります。
実際に、フィッティング中はそのあたりもしっかり拝見して、心地よく始動できているか?というのを確認しています。この始動のやりやすさに関しては、シャフトの特性もそうですが、重さもかなり影響します。これは、比較的、かなりの方が感じることのできる情報だと考えています。
試打クラブをお渡しした時に、すぐに、あ、軽くなった、重くなったと言われる方もいらっしゃるくらいです。この持った時に感じる重さというのが、始動に大きく影響していると考えています。
たとえば、もし、軽いな~と感じると、小手先中心に上げようとする動きになりやすいです。少しでも重いな~と感じると、しっかり体を使った始動になりやすいです。
適度に重い重さが良いということがよくわかります。
そして、この持った時の重さと、振った時の重さが違うのがゴルフクラブでもあります。
片手でひょいっと持ち上がるくらいの重さだとしても、ゴルフクラブは先端にパーツの中で一番重いヘッドがついていて、それを振るわけですから、振り重い、ということが起きます。
長ければ長いほどそうなりやすいですし、この、始動時の感じる重さと、振り上げた時の重さの差が振り遅れにつながることが多いです。
チキンウイングも振りにくさが生む
そして、それが顕著に表れるのが、切り返し、と言ってもいいでしょう。軽いな~と思っているものは、速く降ろしたくなりますし、重いな~と感じれば、ゆっくりと降ろすようになります。
これも、自然な反応で、それが自分の心地よいタイミングと合うかどうかは別です。
持った時の感覚のまま、振り下ろせて来るようになれば、そのときにインパクトのタイミングも合いやすいです。この、振り重い、振り遅れ現象が様々なミスを生みやすいと考えています。
以前書かせていただいた、例えば、左ひじを引くチキンウイングも、この振り遅れが要因の時が多いです。
遅れてしまって、体が先行して、開いてしまうことによって、手の行き場がなくなり、無理やり肘を引いて間に合わせようとする動きとなります。
そのため、一生懸命、その動きだけを治そうとしても、クラブがそのように振りやすいようになっていないと、すぐにその悪い癖が出てしまう、ということになります。
そういった、いわゆる一般的なスイングの悪癖というのが、かなりの確率で、クラブスペックが起因となっていることが多いと考えています。 では、クラブの重さの適正はどのくらいなのか? など、次回は、具体的なクラブスペックに焦点を当てて、もう少し詳しく考えていきたいと思います。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。













