まず、はじめに、理想のスイングとは何か?ミスショットはなぜ起こるのか?そして、クラブが身体の動きにどのような影響を与えるのか? ということについてお話ししてきました。
その中で、当方の考える理想のスイングとは、決められた形を作ることではなく、人間が本来持っている能力を発揮し、身体を順序よく使ってクラブを振ることです。
皆さん、ナイスショットできている時は、決して悪いスイングをしているわけではありません。その時は、身体が順序よく動き、クラブをうまく振れているということになります。では、時々しかナイスショットが出ない方は何が起こっているのでしょうか?
それは、たまたまクラブの動きに、自分がタイミングを合わせられたということだと考えています。なので、クラブに自分の動きを合わせることではなく、自分のタイミングで振れるクラブで、ナイスショットが出るようにすることが重要となってきます。
そして、そのためにキーになるのがクラブのスペックです。
まずは、シャフトの特性です。
シャフトのしなりや挙動は、始動から切り返し、そしてインパクトに至るまで、スイング中のさまざまな動きに影響します。そのため、自分のタイミングで振りやすいシャフトを選ぶことが非常に重要です。
また、もちろん、「重さ」も同じように重要です。
「重さ」といっても、単純にクラブ全体の重量だけでなく、どこが重いのか? そして実際に振ったときにどう感じるのかということも考える必要があります。
今回は、このクラブの重さが身体の動きにどのような影響を与えるのか、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
クラブの重さがスイングに及ぼす影響
まず、クラブの重さが身体の動きにどのような影響を与えるのか、少し振り返ってみましょう。
以前にも書かせていただきましたが、クラブを持ったときに軽いな~と感じると、始動で小手先を中心に上げようとする動きになりやすくなります。
反対に、ある程度の重さを感じるクラブでは、自然と身体を使った始動になりやすくなります。
これは、クラブを動かすために身体全体を使う必要があるからです。
軽いものを動かすのであれば、手先だけでも簡単に動かせます。しかし、ある程度の重さがあるものを動かそうとすると、手先だけではなく、身体全体を使う動きになりやすいのです。
これまで述べさせていただいた、当方の理想のスイングでは、下半身から順序よく身体を動かしていくことが重要です。
そうすることで、スムーズに体が動いていく、と考えています。
そう考えていくと、単純にシャフトを軽くしたりして、総重量を軽くするだけで、振りやすいクラブになりやすいのか、疑ってみるのも良いでしょう。
つまり、ある程度の重さがあることで、身体をしっかり使った動きが引き出されることもあるのです。では、どのくらいの重さを目指せばいいのでしょう?
ここで、何gとか言う話はかなり難しいです。
というのも、重さの感じ方は本当に人それぞれ、これまでのスポーツ遍歴や、もともとの体の持っている力、そして、これまでどの程度の重さのクラブを使ってきたのか?などでも変わってきてしまうからです。
なので、目安として、どういう風に振ることができたら、その重さは重すぎないか? というお話にさせてください。
簡単に言えば、きちんと振り切れて、フィニッシュできちんと立っていられること、となります。
そんなこと? と思うかもしれませんが、ここから、その理由について述べさせていただきましょう。
「振り重さ」がスイングに直結
前回までの記事で書かせていただいたように、体が順序良く使えて、ナイスショットした時というのは、たいていの場合、意識しなくてもフィニッシュがビシッと決まっています。
逆に言えば、スイングの途中で無理があったり、クラブに振り回されてしまうと、フィニッシュで立っていられなかったり、ぐらついてしまったりするでしょう。
つまり、フィニッシュを見れば、その時のスイングの成否というのがわかったりします。
そして、その影響がでやすいのが、これから述べます、「振り重さ」ということになっていくわけです。
クラブの重量といえば、総重量と考えがちですが、以前から何度も書かせていただいたように、持った時に重く感じるものと、振った時に重く感じるものとは、違います。
つまり、総重量を下げるだけでは、振った時に軽いと感じるものになりにくい場合があります。
特に、持った時に軽いと感じると、それなりの出力でしか振ろうとしないので、振り始めて重いな~って感じた瞬間に振り遅れます。
これが、振り重い、の一つの例です。
簡単に言えば、先が重く感じれば感じるほど、振り遅れになりやすく、振り遅れということは、クラブが遠回りしたり、もしくは、チキンウイングのように急激にクラブを持ち上げようとしたりするので、フィニッシュが崩れるパターンが多いです。
つまり、フィニッシュで立っていられなくなったり、ぐらついたり、フィニッシュでクラブの収まりが悪かったりするのは、ほとんどが振り遅れが要因と考えてよいでしょう。
そうならないためには、どの程度の重さを目指せばいいか?と言えば、振り遅れないためにも、クラブを振った際に発生する遠心力ときちんとバランスが取れていること、というのが条件になってくるでしょう。
上記しましたように、クラブを「うっちゃれる」ということは、そういう状態のことで、体の力に対して、つり合いが取れているともいえるでしょう。
なかなか、具体的な数値が出せないので、ピンとこないかもしれませんが、素振りでもいいので、強く振っても、フィニッシュが取れるものを探してみてはいかがでしょうか?
ということで、今一度、ここまでのことをまとめてみましょう~。
- 理想のスイングとは、決められた形を作ることではなく、人間が本来持っている能力を発揮し、身体を順序よく使うこと。
- そのためには、クラブに自分を合わせるのではなく、自分のタイミングで振れるクラブを選ぶことが重要。
- シャフトの特性や重さは、始動から切り返しまで、身体の動きに影響する。
- 重さは総重量だけではなく、振り重さや重さの配分も重要になる。
- クラブを振ることで生じる遠心力を身体で支え、正面でボールを捉えられることが大切。
- 身体が先に開いてしまっては、クラブをうまくうっちゃれない。最後まで振り切り、フィニッシュでぐらつかずに立っていられることが、一つの目安になる。
つまり、自分のタイミングで振れるクラブを使い、身体を順序よく動かし、クラブをうっちゃる。その結果として、かっこいいフィニッシュが生まれる。
というのが、フィッター三瓶の考える、理想のスイング及びそれを構築するための流れとなります。
ご参考になれば幸いです。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。














