若き飛ばし屋キャメロン・チャンプのドライバースイングを大研究|Part 2
USPGAツアーにデビューするや9戦目で初優勝を挙げたキャメロン・チャンプ。その強さを支えるのは圧倒的なドライバーの飛距離。2018年の米下部ツアーでは他の追随を許さない343.1ヤードというドライビングディスタンスを記録した。
ここではチャンプを現地で取材、本人ともドライバースイングについて語った吉田洋一郎にその最先端ぶりを紹介してもらう。
INDEX
【Chapter-1】
これがチャンプの最先端スイングだ
【Chapter-2】
チャンプが語るマイ・スイング
【Chapter-3】
チャンプの最先端スイング大解剖①
チャンプの最先端スイング大解剖②
チャンプの最先端スイング大解剖③
チャンプの最先端スイング大解剖④
【Extra Chapter】
キャメロン・チャンプ× ダスティン・ジョンソン飛ばしのテクニック比較
Chapter-2▸チャンプが語る マイ・スイング
目にしたことのない低弾道で飛ばすチャンプだが、本人は自分のスイングについてどう考えているのか。そのポイントについて自身に語ってもらった。
体重移動は考えずその場でお尻をできるだけ速く回す
僕がスイングで一番気にしているのは、できるだけマックスのスピードでヒップターンをすることです。バックスイングで右に体をターンさせたら、切り返すよりちょっと早いくらいのタイミングでお尻を左にターンさせます。
この時、体重移動などは特に考えず、その場でパーンと回る。その際に右足で地面を蹴るような感じがありますね。
スイング中に腕や手を意図的に動かすことはありませんが、ヒップターンが早い分、手が前に出るリスクがあります。そのため、ダウンスイングではクラブを真下に下ろす。こうすることでインパクトでタイミングよくヘッドが戻ってきます。
スイングのポイントは「ヒップターンの速さ」だね!
「切り返しに入る前にお尻を左に回しているよ」
チャンプのドライバー|クラブテストでトータル飛距離355.2ヤードを記録
ロフト角は9度(Draw Setting)、シャフトの重さは63g(X)、バランスはD4としている(2019年4月8日現在)。
チャンプのドライバーは今年になって実戦投入されたピン・G410PLUSで、フジクラのシャフト・Pro White Tour Specが装着されている。テストではヘッドスピード58.20m / s、ボー ル スピード86.55m/s、キャリー328.5ヤード、トータル355.2ヤードという驚異的な数字を記録した。
チャンプのスイングボクはこう見る|ジョージ・ガンカス
足で地面を押して回転力に変えている
「体の回転が速くて力強い。これはダウンスイングでヒップターンするタイミングで体を沈ませる動作を入れ、地面を押して回転力をアップさせているからだと思う」
ジョージ・ガンカス
ティーチングプロ。スピーディーな腰の回転と地面を蹴る力を使ってヘッドスピードアップを図るGGスイング理論を提唱。
キャメロン・チャンプ
1995年6月15日生まれ。183㎝、79㎏。
米カリフォルニア州出身。2017年にプロ転向し、翌年のウェブドットコムツアーで1勝。シーズン6位、ドライバーの平均飛距離343.1ヤードの成績を引っさげて今季からPGAツアーに参戦。
9戦目の「サンダーソンファームズ選手権」で初優勝を挙げている。
取材・解説 吉田洋一郎
1978年生まれ。北海道出身。世界のスイング理論に精通したスイングコンサルタント。毎年欧米に渡り最新理論に関する情報収集と研究活動を行い、ティーチングに関する20以上の資格を有する。今回はUSPGAツアーで直接キャメロン・チャンプに話を聞いた。
取材・撮影トーナメント/ウェイストマネジメント フェニックスオープン、ジェネシスオープン
GOLT TODAY本誌 No.564 30~45ページより
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