NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part2
リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪
名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです
文・写真・絵
リサオ(大隈里砂)
元超インドア文学少女。遅咲き・狂い咲きゴルファー
コラムニスト、似顔絵作家、イラストレーター、フォトグラファー、翻訳家(英語)として(自称・ひとりスキマ産業)、主にゴルフ業界で活動
プレースタイル:山っ気たっぷり、策に溺れ式
特技:無駄ロブ(不必要なロブショット)
好きなライ:ヘンなライ、下りフック
苦手なライ:フェアウェイど真ん中
好きな言葉:インテンショナル
子供の頃の将来の夢:電気屋さん
シーサイド、リバーサイド
日本はやっぱり海に囲まれてるせいか、海が見えるとこってちょっと特別というか、思わず「うをー!」ってなるとこが多い。特にシーサイドって聞くと「う、海のそば!」ってすぐに “絶壁に波がザバーン、かつ遠くに有名な山が見える” みたいな光景が脳裏に浮かんでウキウキ。そういえば、いわゆる『OLD・名門ゴルフ場』にもシーサイドは多い気がします。川奈しかり大洗しかり。まあ100パー満喫するには「天候に恵まれれば」という前提条件があるものの。とはいえ天候に恵まれなくてもそれはそれで趣があったりする。実は晴れてる川奈の絶景はまだ拝めたことがないんだけど、曇ってても雨でも雰囲気がやっぱりあるのです。絵になるもんはどーやっても絵になっちゃう。参考までにこれは2018年6月に撮った富士コース。ほんとは後ろに海やら富士山やら大島やらが見えるはずなので、ぜひここは心の眼で見てちょうだい。
絵になるでしょう?海が見えなくても海の存在を感じられるでしょう?
シーサイドはあと、風との闘いって側面もありますよね。名門じゃなくてもチャレンジングで面白いコースが多いのよね。東京都にある若洲ゴルフリンクスも風が吹くと翻弄されてチョー楽しい。風っていう意味ではリバーサイドもおんなじ。河川敷は風の影響をモロに受けるので、ドライバーが80yしか飛ばない(「ナイスアプローチ!」って声かけられる)と思えば次のホールでは300yのビッグドライブになった、みたいなミラコーも起こり得る。のもまた一興です。あと、リバーサイドは『鳥』という副産物もついてきます。特に渡り鳥が来てる今の時期は美しいカモ類がいーっぱいおるから、ティーショットの待ち時間で観察してみるといい時間つぶしになります。
やっぱり天候がいろいろおかしい
と、ここまでは先週、フロリダ州オーランドってとこで書いてたのです。でも時差ボケとか蓄積疲労とかいろいろで力尽きて今に至ってます。毎年この時期に開催されるPGA MERCHANDISE SHOWというゴルフ業界で一番デッカい展示会にゴルフ雑誌『EVEN』の取材で行ってました。『ゴルフトゥデイ』とは一見競合だけど『EVEN』はファッション寄りなので実はそんな競合してない気がする。
それはさておき、まあこの時期はどこもかしこも降雪のリスクがあるもんだから飛行機が離陸するまで気を抜けません。2年前は飛行機に乗ったものの機内で1時間半ぐらい待たされたあげく欠航が決まって降ろされ、しかし夕方の便だったので、店も全部閉まってて食べるものもなく、周辺のホテルは当然満杯で、というか手続き上は出国したことになってるので、外に出るには入国手続きして預け入れした荷物を戻されることになりたいそう面倒くさい。どうにもならず結局は成田空港で寝袋わたされて一泊。そこでまんまと風邪をひいて発熱し、通訳なのに声が出ないというかなり残念な出張になりました。でもそんときアメリカ在住の友達が薬局に走って買ってきてくれた赤くて毒々しいドロドロしたシロップを飲んだら直後から声が出るようになって、アメリカの薬ってこええええと実感。
でも風邪ひいて出てる症状って、体が風邪と闘ってる結果生じてるものだから、それを無理やり抑え込んだところで、症状はマシになっても本質的に治してるわけじゃないのですよ。それどころか症状を抑えるせいで逆に毒を溜めていくと思ってる。なので普段は薬のまないんだけど、喋れないと困るので致し方なく。でもその薬飲んだせいか治るまで異様に時間がかかりました。あと、積雪に関しては経由地の選択も気をつけなきゃいけないところです。アメリカの北のほう、たとえばシカゴ乗り換えとかだと、成田からは飛んでも現地で雪降ってて万事休すってことが多々あります。少しでもリスクを減らすため、冬場は南で乗り換えるに限ります。
空からイグアナが降ってくる
そんで、無事にフロリダに着いて、よっしゃー半袖短パンやでーと思ってたら、なんと大寒波が来てるとゆーのです。フロリダ州は亜熱帯性気候なので年間を通して温暖で、外気温が10度を切ることは滅多にないのに、1月20日以降はマイナスまでいったから。そしてニュースではイグアナ注意報だとか言ってる。
どういうことかというと、爬虫類は変温動物なので自分で体温調節するんじゃなく、環境の変化に対応するだけなのですね。イグアナは外気温が10度を切るとエネルギー温存のため動かなくなり、7度以下になると冬眠状態(仮死状態)になるらしい。彼らはだいたい木の上にいるから、そこで硬直して冬眠しちゃったらもちろん落っこちる。で、イグアナって結構デカいし重いから落ちてきたのをアタマで受けたら結構ダメージくらうんです。なので注意してねってそういうお話でした。イグアナが次々と降ってくるカオスな様子を妄想して、ネタバレになるから題名は言わないけどある映画を思い出して、アメリカって面白いなと思った次第。
日本はゴルフ「フェア」、アメリカはPGA「ショー」
やっぱり「ショー=SHOW」なんですよね。魅せてナンボ。PGAショーは『Orange County National Golf Center & Lodge』というゴルフ場のデッカい円形のドライビングレンジでおこなわれるDEMO DAYと、コンベンションセンターで3日間おこなわれる展示会の計4日間。
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みんなやたらめったら上手い
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結構などんぶらこ(*用語集参照)
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グレッグ・ノーマン(ホワイトシャーク)がサイン会やってたり
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ニック・ファルドが巨大パターで巨大ボールを巨大ホールにナイスインしてたり
まあとにかくSHOWでした。ほんで写真見て、わー!フロリダの青い空ぁーって思うでしょうけど、この日の気温は2度とか。6年目にして初めてダウン着ましたわ。でもこの2日後には半袖短パンになった。しかし寒暖差にやられて体調崩した。嗚呼。やっぱり世界中あちこちでおかしな天候です。冬眠したい。
そしてようやく本題の志摩シーサイドカンツリークラブは10番から
好天無風のこの日は10番からスタート。ゴルフ場の公式サイトって、なんで?とか惜しいなって思うのが多いんだけど、志摩シーは違いますよ。ものすごく充実してます。各ホール、レイアウト図や説明、ヤーデージはもちろん、高低差にドローン動画まである。
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よく見ると結構などんぶらこ(*用語集参照)でグリーン右手前がデンジャラス
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グリーンからの振り返り
NEW・ゴルフ用語集
丘・あの丘:ティーイングエリア
シグネチャーホール間:『シグネチャーホール・間』ではなく『シグネチャー・ホール間』。ホールとホールの間、ホールと全然関係ないとこで印象に残る場所のこと
振り返りのススメ:飛球線方向以外を見る、特に振り返ると驚きの美しい光景が広がってることが多いよ!
どんぶらこ:アップダウンやアンジュレーションのこと
サバンナ系:アフリカのサバンナを彷彿とさせる光景が見られるコースのこと
イケメン:池を見ると平常心を失って力が入っちゃう池メンタル=お豆腐メンタルのこと
ゴルフがちょっと慌ただしい:ヘタの言い換え。上手い人でもヘタな日はある。だからって心底ヘタってことじゃない。そもそもゴルフは上手いヘタじゃない。評価基準は楽しいか楽しくないか、楽しんでるか楽しめてないかだけ
その日暮らし:お悩みや平均スコアを聞かれたときの返事。用例「いやあ、なにしろ人生もゴルフもその日暮らしなもんで」
とんがり君:山でも岩でも、とんがってる物体はみなとんがり君
ゴルフは禅問答:良かれと思ってやったことが報われない。ケガしてるのに普段より良かったりする。ゴルフって何が幸いして災いするのかサッパリわからん。いっそトンチをきかせればいいとゆーの?
日本で見られる白鳥は、嘴の先っちょが黒いコハクチョウとオオハクチョウで、嘴がオレンジ色のこのコブハクチョウってのは日本に本来いない外来種です。人間が持ちこんだ個体が野生化し、繁殖してる模様。ここんちのこの子は完全にペットですね。
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ハート型っぽい
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自分の体に自分の首の影がうつるという
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そしてグリーンから丘方面を振り返りますと
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どどんがどんと三段構えでなんかいい感じ
独特だった(ような気がする)バンカーの砂質
バンカーの砂質ってコースによって結構違うもんですよね。なかには同じコース内なのにバンカーによって違ったりするとこもある。よく女子にはふわっふわの砂質は難しいっていうけど確かにダフりすぎると飛ばないもんね。わたしはヘンタイなので、雨で湿って締まったバンカーが大好物です。さらにそれで4〜50yとか距離があったらサイコー。志摩シーはそういえば、バンカーの砂質が独特だった気がします。つぶつぶが大きいのかな。慣れるまでちょっと難しかったです。なんでもすぐに忘れちゃうからメモっておかなくちゃって思ってたのにメモることまで忘れて記憶が曖昧ですが、こんな写真を撮ってるってことはつまり砂質が違ったよってことだと思われます。
しかしそのバンカーのある風景の美しいことといったらもう。
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やっぱり南国にしか見えないのよね
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そしてエメラルドグリーン
この海の色を目に焼き付けて、今日はこれでおしまいです。次回に続きます。
【シリーズ一覧】
●第1回:NEW・名門ゴルフ場|サニーカントリークラブ(長野県佐久市) Part1
●第2回:NEW・名門ゴルフ場|太平洋クラブ佐野ヒルクレストコース(栃木県佐野市)Part1
●第3回:NEW・名門ゴルフ場|四街道ゴルフ倶楽部(千葉県四街道市)番外編 Part1
●第4回:NEW・名門ゴルフ場|キングダムゴルフクラブ(埼玉県秩父市)Part1
●第5回:NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part1
●第6回:NEW・名門ゴルフ場|千代田カントリークラブ(茨城県かすみがうら市)Part1
●第7回:NEW・名門ゴルフ場|吉井カントリークラブ(群馬県高崎市)Part1