NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part3
リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪
シーサイドだから。シーでもリバーでもサイドには生き物がいる
名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです
文・写真・絵
リサオ(大隈里砂)
元超インドア文学少女。遅咲き・狂い咲きゴルファー
コラムニスト、似顔絵作家、イラストレーター、フォトグラファー、翻訳家(英語)として(自称・ひとりスキマ産業)、主にゴルフ業界で活動
プレースタイル:山っ気たっぷり、策に溺れ式
特技:無駄ロブ(不必要なロブショット)
好きなライ:ヘンなライ、下りフック
苦手なライ:フェアウェイど真ん中
好きな言葉:インテンショナル
子供の頃の将来の夢:電気屋さん
志摩シーは緯度的には南国じゃないと言われてもやっぱり南国だった
志摩シーに行ったときのゴルフの調子がなかなかひどくて、海が見える打ち下ろしのPAR3(普段は風がぼーぼーに吹くらしい)で思いきり力んで引っかけて、以前はコンペで『三択の女王』竹下景子バリに『PAR3の女王』って言われてニアピンせっせと集めてたのに堕ちたもんだなあと密かに悲しく思っておりました。ちなみにそれは17番。公式サイトには「右の林に打ち込むとパーは困難」とあるけど、左にかっ飛ばしてもパーは困難でした。
志摩シーサイドカンツリークラブ公式サイト(コースレイアウトのページ)
でもいいんだもん。パーなんかとらなくなってあたいにはこの景色があるんだもん。
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美しすぎるの
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曲げてなんぼ
まあこういう息を呑むよな景色はね、わたくしが球をわざわざ左に打ったからこそ見られるものなのです。ゴルフ場でぜんぶ真っ直ぐフェアウェイど真ん中の球ばっか打ってたらなーんも、なああああんも見ないで帰ってくることになります。今日はゴルフだけした、以上。それじゃあ味気ない。8番のあのパットはシビれたね、横位置でラインを読み切ったよ、とか言われても、ああそうですかってなもんです。でも、今日はゴルフ行ったんだけど、途中で右の林にぶち込んで、そしたらなんか脳天の赤い鳥に遭遇したよ!木の幹にひっついてた。と言われれば、すげー!曲げてよかったねー!なんだろその鳥、木の幹ってことはキツツキかな、他の部分は何色だった?とかそういう会話になって、わたしのようなヲタクがそこにいればソッコー調べまくって最終的には突き止める。「アオゲラじゃない?」と。そしてまた話が拡がる。「アオゲラって日本固有種なんだー」とかね。
だから球が曲がることを悲しむことなかれ。ゴルフはやっぱり曲げてなんぼですわ。ということで志摩シーの17番PAR3に戻って海岸方向に目をこらすと、あれ?なんかいる。
そういえば花粉にはワセリンがいいのです。これほんと
志摩シーのこの景色の中でゴルフができるってだけで(しかも快晴無風のコンディションで&ゆかいな仲間たちと)、ああゴルフを始めてよかったなあと心底感謝してるし、球を曲げてるおかげでステキな景色がいっぱい見られるしゃーわせを噛みしめております。とはいえ強欲なゴルファーとしては、あともうちょっとだけゴルフの内容がよかったら、ほんのちょっとだけでいいんだよ、球は曲げ続けたいんだから、でもほんの少しマシになったら球を打つ回数が減ってそのぶんを景色を見る時間にあてられるじゃん。だからそういう意味でもうちょっとマシにしたいなと思うわけです。だがしかし、寒さや眠気やぐうたらな心に負けてぜんぜん練習していないのでうまくいかなくて当たり前なのでした。そんな想いを胸に抱き、だいぶあったかくなってきたので久々に練習場でたくさん球を打ったらその夜足が攣って、翌朝目が覚めたら腰が痛かった。トシをとるのはおそろしい。そしてさらに目が痒くて鼻水がたれてた。コロナじゃない、花粉だ。花粉の季節がやってきた。
自分は花粉症にはならないと勝手に決めてたんだけど、ある日突然ネコアレルギーが治って、ネコをどんだけわしゃわしゃしてもへっちゃらになって喜んでたら、入れ替わるように花粉症になりました。免疫系に影響を及ぼす薬を服用するのがイヤなので、寄生虫飼ってる子はアレルギー反応がでないとかいう真偽の定かでない情報に踊らされそうになりましたが、いろいろ調べて今は目薬とワセリンだけでこの季節をなんとか乗り切っております。
どういうことかというと、抗アレルギー剤を服用したところで、体内に花粉を大量に取り込んでしまったら、やっぱ薬の効きは下がるんですよね。結局つらい。頭痛までする。だから水際作戦、つまり体内になるべく取り込まないようにすることが大事なのです。
その点、保湿剤であるワセリンは、Wikipediaをコピペすると
ワセリンは皮膚表面にパラフィンの膜を張り、角質層の水分蒸発を防ぐことで皮膚の乾燥を防ぐ効果に加え、外的刺激から皮膚を保護するという働きがあることから、鎮痛・消炎・鎮痒の軟膏剤のような医薬品の基剤や、化粧クリームのような化粧品などの基剤として用いられる。また潤滑剤や皮膚の保湿保護剤としても用いられる。
湿潤療法のために、使用されることがある。乾燥をきっかけとする皮膚病や、切り傷からの出血を一時的に止めるためにも多用されている。
米国では、「切創、擦過傷、熱傷、ひび割れ、乾燥肌に使う」と製品ラベルに明記されている。
脂漏性皮膚炎では、ワセリンを使用すると悪化する傾向がある。保湿剤としてよく使われるが、石油原料で可燃性のため、シーツや髪などに付着したものにタバコの火などが接触しないよう、炎を避け、また衣類や寝具を定期的に洗濯すること。
塑造用粘土の一種である、プラスティシンはワセリンをカルシウム塩、脂肪酸を合成して製造したパテ状のもので、クレイアニメ作品『ウォレスとグルミット』で使用されている。
ボクシングの試合において、防護その他の目的で、塗布されることがある。
そうそう、セコンドがボクサーに塗ったくってるやつです。あと、新しい靴を履くときにカカトに塗っておくと靴擦れ防止になる。リップクリームの代わりにもなる。そして花粉対策です。ワセリンを鼻の中や周り、目の周りなどに塗っておくと、花粉たちはそのペタペタエリアにくっついてくれるので、体内に入る量をかなり減らすことができます。これ、何年か前にSNSに載せたら、ある耳鼻科医が「稼ぎ時なのに」とのたまった。その無神経な言い草に激しい殺意を抱き、花粉症の子を代表してわたしが自分で手を汚す覚悟もしましたが、でも耳鼻科医がぼやくということは正しいということ。だからみんなワセリン使ってその不届きな耳鼻科医の稼ぎを減らしましょう。じゃない、アレルゲンを体内になるべく入れないようにしましょう。重症の花粉症なら薬も併用せざるを得ないかもしれませんが、それでも体内に入る量を減らせれば症状もマシになるはずです。薬の量を減らすことができればそれに越したことはない。ワセリン、ほんとにオススメです。
免疫っていうのは本来、外敵や異物を排除するために働くものだけど、アレルギー性疾患や自己免疫疾患は、自分の成分や組織を外敵や異物と勘違いして攻撃してしまうことで引き起こされるものです。免疫が強いという特徴はホントはとてもいいことなのに、文明が進んで化学物質が蔓延して環境が汚染されることで、免疫システムが過剰に働くようになってしまい、免疫が強いひとが必ずしも超健康とは限らないという本末転倒な状態になりました。でも、そういうわけなので、花粉症のひとは大変だけど「おれは免疫強い。敵をすぐに見分けられる」と誇りに思っててよいと思います。わたしはそう思ってる。
シリアスな問題が起こっているときのゴルフの立場(が極端に悪いということ)
免疫の話になったのでついでにコロナウイルス関連の話を。出だしは関係ない話だけど徐々に免疫方面に近づいていきますので読み進んでいただけると幸甚です。って、話が飛ぶのはいつものことじゃんって言われますねきっと。いつもお付き合いありがとうございます。
なんかこのウイルス話の流れって災害時と同じ流れなんじゃないかなと思って。災害が起こったときにSNSにゴルフ場でピースとかしてる写真を載せて炎上してるひとがいるけれど、確かにピースは配慮が足らないと思うものの、ゴルフをすること自体が責められるいわれはない。東日本大震災のとき、どの地域のゴルフ場は放射能が云々ってホントかウソかわからない情報が錯綜して、それを真に受けた、というと言い方がよくないね、ヒトはみな信じたいものを信じる権利があるから、それを信じたひとはゴルフしないことを選択し、わたしはゴルフすることを選択した。自分はゴルフに救われたと思っていてたいそう恩義を感じているので、こういう時こそゴルフ場に行かなくちゃって思っただけなんだけど。まあ子供もいないし産む予定もないし何があっても自分ひとりで全部引き受ける覚悟があったからこその選択。でも当然「こんな時にゴルフかよ」という反応はある。つくづく日本人は「不謹慎」っていう言葉が好きなんだなってのと、あとはやっぱりゴルフというワードがもうなんというか脊髄反射的に責められやすい。マラソンならそんなこと言われないんじゃないかしら。有事の際に政治家がゴルフしてたらボッコボコだけどテニスならそこまで言われないんじゃないかしら。そこにはきっとゴルフはスポーツじゃないって意識があるんでしょう。実際わたしも始める前はそう思ってたし、今でも朝からお酒飲んでるひとを見るとスポーツじゃないなと思うけど、それぞれのスタイルだから文句を言っても意味がない。でもゴルファーのわたしがそう感じるぐらいなんだから、世間のノンゴルファーがゴルフが象徴するものを毛嫌いする気持ちもわからないではない。あときっと昭和のゴルファーのイメージのせいもあるね。というか令和の今でも「ゴルフは紳士のスポーツ」って言われる理由は、ゴルファーに紳士があんまりいないせいだと思ってる。つまり、紳士たれ!という切なる願い。そういう意味では無闇に威張ってるひとが断トツに多いスポーツだと思います。しかも朝からお酒飲んでるひとに威張られたりする希有なスポーツ。オマエにだけは威張られたくないわ。そもそも日本人って「不謹慎」とか言うわりに酔っ払いにはすごく甘いのよね。「まあまあ、あいつ酔ってるだけだから許してやってよ」とか。なんで自分をコントロールできないだらしないヤツのことをこっちが許してやんなきゃいけないのか。まずそっちが詫びを入れるのがスジではないのか。
とにかくなんでこんな話をしているかというと、新型肺炎の影響で3月19〜21日に横浜パシフィコで開催予定のジャパンゴルフフェアがほんとに開催されるかどうかわからなくなってきているから。たぶん運営側は全然やるつもりでいたと思うんだけど、2月27〜3月1日開催予定の『CP+』というカメラと写真映像の展示会がついこないだ中止の発表をして、立て続けに東京マラソンまで一般参加者ナシという事態になって、今きっと揺れてる真っ最中。まあCP+は不特定多数のひとがカメラやレンズをペタペタ触る会なので中止もやむなしかなと思う。けどマラソンかーマラソンもかー屋外なのに、屋外のマラソンも苦渋の決断をしましたとなると、もしゴルフフェアを開催して何かあったら「ほらやっぱりゴルフ業界って不謹慎」ってなる。ちょー叩かれる。そういう相談を今されてることと存じます重鎮たちが。わたし個人的にはゴルフフェアでは初めて「無茶振りお絵描きライブ(似顔絵)」ブースをやらせてもらえることになってたのでいろいろ準備もしてるし中止になると経済的にも精神的にもかなりどんよりするけど、まあどうにもできないからね。それもまた人生。いずれにしても今月末には決定するそうです。
『新型』ってことは何もわからないわけだから、皆がパニックになるのも理解できなくはないけど、コロナはエボラみたいな致死性の高いものじゃない。免疫システムがちゃんと働いていれば風邪の症状程度で済むようなので、マスクを手に入れる方法を考えるより、睡眠と栄養をちゃんととるほうがよいと思います。あとは手洗い。特に高齢者と同居している場合は念入りに。とにかく具合が悪かったらじゃんじゃん休むのが一番。でもそれが日本人には最も難しい決断かな。
ね、免疫システム。やっとここにたどり着いた。花粉症の我々は免疫システムばりばり働いてるはずだから。
ところで致死性ウイルスといえば、こないだケーブルテレビで『アウトブレイク』ってエボラっぽいウイルスとダスティン・ホフマンが対峙する25年前の映画をやっていて、今その放映チョイスかよすげえなと感心しました。煽ってどうする。Netflixでは『パンデミック』っていうインフルエンザのドキュメンタリーが見られます。同じNetflixでやってる映画『コンテイジョン』は接触感染でウイルスがどのように拡がっていくかリアルに描いているので観ておくといいかもしれません。ちなみにコンテイジョン=contagion=伝染病のことです。
風邪にインフルエンザにコロナでじゅうぶんなのに花粉も飛び始めちゃって、誰かがクシャミすると「花粉です」って言っても疑いの目で見られてちょっと距離とられてて、みんなピリピリ。早く収束しますように。そしてゴルフフェアが無事開催されますように。
ところでコロナが始まったらすっかりオーストラリアの山火事について聞かなくなったけど、どうやら大雨が降り続いてやっと鎮火したようでほっとしました。ただ、シドニーで過去30年間で最大の豪雨らしく、今度は洪水などの被害も出ているとか。南極半島のすぐ北にあるエレファント島では50年前と比べてヒゲペンギンの数が半減したっていうし、その南極ではついこのあいだ気温が初の20度超えとかで、史上最高気温20.75度を観測したというし。ゴルフなんかしてる場合じゃない?や、不安な世の中だからこそ遊べるときに精一杯遊ぶべきだと思う。
いつまで生きていられるか、いつまで元気に動けるか、わからないからね。
話を戻して志摩シーの絶景
さっきの17番と同じ方向で海が見える15番は、右ドッグレッグで砲台グリーンのPAR4。このホールでは不思議な雲模様が見られました。ちぎれ雲。そんなに風もなかったのにね。
NEW・ゴルフ用語集
丘・あの丘:ティーイングエリア
シグネチャーホール間:『シグネチャーホール・間』ではなく『シグネチャー・ホール間』。ホールとホールの間、ホールと全然関係ないとこで印象に残る場所のこと
振り返りのススメ:飛球線方向以外を見る、特に振り返ると驚きの美しい光景が広がってることが多いよ!
どんぶらこ:アップダウンやアンジュレーションのこと
サバンナ系:アフリカのサバンナを彷彿とさせる光景が見られるコースのこと
イケメン:池を見ると平常心を失って力が入っちゃう池メンタル=お豆腐メンタルのこと
ゴルフがちょっと慌ただしい:ヘタの言い換え。上手い人でもヘタな日はある。だからって心底ヘタってことじゃない。そもそもゴルフは上手いヘタじゃない。評価基準は楽しいか楽しくないか、楽しんでるか楽しめてないかだけ
その日暮らし:お悩みや平均スコアを聞かれたときの返事。用例「いやあ、なにしろ人生もゴルフもその日暮らしなもんで」
とんがり君:山でも岩でも、とんがってる物体はみなとんがり君
ゴルフは禅問答:良かれと思ってやったことが報われない。ケガしてるのに普段より良かったりする。ゴルフって何が幸いして災いするのかサッパリわからん。いっそトンチをきかせればいいとゆーの?
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樹木の影もいい感じ
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ナイスバーディー
続く16番、志摩シーで最も距離の長いPAR5は出だしの景色がわりとシビア。
なんだなんだ、このとんがり君は!ということでこの続きはまた次回に。
【シリーズ一覧】
●第1回:NEW・名門ゴルフ場|サニーカントリークラブ(長野県佐久市) Part1
●第2回:NEW・名門ゴルフ場|太平洋クラブ佐野ヒルクレストコース(栃木県佐野市)Part1
●第3回:NEW・名門ゴルフ場|四街道ゴルフ倶楽部(千葉県四街道市)番外編 Part1
●第4回:NEW・名門ゴルフ場|キングダムゴルフクラブ(埼玉県秩父市)Part1
●第5回:NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part1
●第6回:NEW・名門ゴルフ場|千代田カントリークラブ(茨城県かすみがうら市)Part1
●第7回:NEW・名門ゴルフ場|吉井カントリークラブ(群馬県高崎市)Part1