NEW・名門ゴルフ場|千代田カントリークラブ(茨城県かすみがうら市)Part1
リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪
名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです
文・写真・絵
リサオ(大隈里砂)
元超インドア文学少女。遅咲き・狂い咲きゴルファー
ウェブストア https://lisaomania.stores.jp/
コラムニスト、似顔絵作家、イラストレーター、フォトグラファー、翻訳家(英語)として(自称・ひとりスキマ産業)、主にゴルフ業界で活動
プレースタイル:山っ気たっぷり、策に溺れ式
特技:無駄ロブ(不必要なロブショット)
好きなライ:ヘンなライ、下りフック
苦手なライ:フェアウェイど真ん中
好きな言葉:インテンショナル
子供の頃の将来の夢:電気屋さん
ゴルフとコロナ(COVID-19)
ゴルフは屋外スポーツだから比較的危険度が低いとはいえ、皆そう思ってるからなのか3月のゴルフ場は結構ひとが多かったようだけど、ただし注意は必要です。特にロッカールームと風呂場、レストラン。今この状況下でゴルフをするにあたり気をつけるべきことを書いておこうと思います。
あ、その前にまず大切な心得から。もう悠長に対岸の火事と思っていられる時期は過ぎました。高齢者や基礎疾患を持つ者だけが致命的というのも誤りでした。パニックになる必要はないし、必ず罹るというものではないけれど、このウイルス禍が終わってくれないことには仕事もままならず生活も立ちゆかなくなる立場のひとがたくさんいます。フリーランスで主にひとの集まるところで絵を描いたりしているわたしもそのひとり。ゴルフフェアがなくなりゴルフリもなくなり、その他のイベントも全滅して、4月から始まる予定だった百貨店でのポップアップストアのために大量に作ったTシャツを抱えて、まあもともと逆境ばかりの人生だから「はぁぁーそうきたか」という諦念の境地だけど、とはいえ現実的に家賃が払えなくなるので誰かの家に転がり込むしかありません。実際に転がり込む算段もなんとかつきそうです。火中の栗を拾う神に感謝!ありがとう!それはさておき、百貨店のポップアップストアは中止ではなく延期なのでいつかできるとは思うけど、いつになるのか百貨店のひとにもわからない。というので、ウェブストアを作りました。自分で言うけど可愛くてニヤニヤっとできる子たちが揃ってます。ちらっと覗いてみてくださいまし。
ウイルスに対する心構え
話を戻して心得。マトモな生活に戻すためにもこの騒動を一刻も早く終わらせないといけません。終わらせるには「自分は大丈夫」という根拠のない自信をまず捨てること。全然大丈夫じゃないから。目に見えない敵がどこに潜んでいるかわかんないんだから大丈夫なわけないでしょ。とにかくできる限り気をつけて生活するしかない。具体的には
ひとが集まるところには行かない。
至近距離で会話しない。
いろんなとこ触らない。
手を洗う。
換気する。
喫煙しない(煙草は肺炎の敵)。
よく寝てよく食べる。
ちょっとでも調子悪かったら外に出ない。
ストレスを溜めないよう、なんとなくふわふわできることを見つける。
無駄なので地上波の情報番組とか見ない。
ライブで見てると腹が立つのでわたしは地上波はニュースすら見ません。情報は後から文字で読む。だって、仕事がない家賃どうしようってときに弛緩しきった間抜け面の政治家に「商品券」とか言われたら殺意を覚えます。必要なのは生活費なんだよ。寝ぼけたこと言ってっと○○の穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタいわすぞごるぁ、という狂暴な気持ちを抑えられなくなるので、心穏やかでいるためテレビで見るのはケーブルの海外ドラマとWOWOWとNetflixとAmazon Primeだけ。お金がないって言うわりにサブスクリプション多すぎない?とか言う無粋なひとがいるけど、はあ、そう言われたら『no music, no life』だからSpotifyも毎日聴いてるし、マイクロソフトやアドビにもイヤイヤ支払ってるわ。確かに多いけど、イヤイヤ払ってるものは仕事に必要だから契約してるわけだし、その他のいわゆる「娯楽」は、わたしは「文化」と言い換えますが、人生に必要なものです。音楽や映画や文学、漫画などの文化がなかったら、わたしは人間関係でズタボロだった子供時代を生き延びられなかった。文化に感動をもらえて、現実とは別の人生を体験できたからどうにか生きてこられた。今だってやっと出た柚月裕子の『孤狼の血』の完結編(完結しないでほしかった)を読んでる間は鬱々しないでワクワクしてられる。こういう時だからこそ文化に触れることが大事です。どうでもいいテレビなんか見てないで、YouTubeをはじめ、見るべきものは今いっぱいあります。仕事する機会を奪われたミュージシャンやダンサーなどが逆境にもめげず、頑張ってる他のひとのために積極的に配信していますから。その心意気、謹んで享受しましょう。
さっき、なんとなくふわふわできることを見つけるって書いたけど、わたしは絵を描いてるときは心穏やかでいられるので、どんよりしたら絵を描きます。歌いたいひとは今はカラオケボックスは危険度高いからお家やクルマの中で熱唱しましょう。気分転換にはやっぱり体を動かすことが一番なので誰にも接触しないなら屋外スポーツも有効。ただ、海外でゴルフ場がクローズになっているところも結構あり、日本も安泰ではないかもしれません。楽しく飲むのが好きな友人たちはZoomミーティングならぬZoom飲みをしていました。しかも日本とマレーシア、アメリカを繋いで3時間もやってたらしい。それぞれ自宅にいる気安さから羽目を外しまくったようで酷い二日酔いになったって言ってたけど想像以上に楽しかったみたい。仲間とバカ話して笑ってるのが一番体によさそうだしね。なにより、どんだけ騒いでも飛沫感染しないわけだから。ちょっとやってみたい。
できるだけ安全にゴルフをするためには
今度こそ話を戻して、ウイルスに対する心得を。予防策をいろいろとるのは、自分がウイルスを拾わないため、ではなく、自分はすでに感染者であると想定して、他人に移さないようにするためと考えるべきです。感染しても無症状の期間があるということは、無自覚にばらまいてしまう可能性があるということ。自分は国家を揺るがす危険人物だと認識すべきです。で、それを踏まえて今この状況下でゴルフをするなら、
■ロッカールーム・風呂場を使わない
使わなくて済むよう、ゴルフウエアで来てゴルフウエアのまま帰る。シューズはクルマで履き替える。つまりこの期に及んで『ジャケット着用』を義務づけているゴルフ場には行かないこと。そもそも厳しいジャケット着用のルールがあるコースはだいたいが名門といわれるゴルフ場。そしてそういうゴルフ場によく来るのはシニア、イコール感染リスクが高い。だから今だけやめたらいいと思う、ジャケット着用。ゴルフ場の経営に携わってるひと、命あっての物種ですよ。体裁よりもルールよりも生き死にが大切です。しかも社会的地位の高いシニアのお客様に感染なんかした日にゃもう。
■できればスループレーできるゴルフ場を選ぶ
不特定多数のひとと接触したくないわけだから、しばし滞在しなければならないレストランは要注意。ゴルフ場にはランチの儲けと感染源になるリスクを秤にかけていただきたい。今はスルー営業をメインにすべきと思います。ランチボックス用意してラウンドしながら食べてもらうアメリカンなスタイルにするって手もあるけど。レストランを使う場合は、「窓を開けっぱなしにして換気をする」は鉄則だとして、「バイキングスタイルの場合、使い捨て手袋を支給して、取り分ける際に必ず着用してもらう」などの対策をとっているゴルフ場もあるので、そのへん吟味してゴルフ場を選ぶのがいいと思います。
■いい機会だから歩きゴルフをする
カートはひととの距離が近くなるので要注意。手すりなどに気を遣うのも疲れることだし。手引きカートでも担ぎでも、歩きゴルフならその心配はありません。もーゴルフしたくてどうにも我慢が出来ない!ってなったら、本コースじゃなくても、ハーフセットを持ってショートコースに行ったってスッキリすると思います。ちなみに真剣にゴルフやってたとき、本コースで初めてハーフ30台が出たのは、手引きカートが面倒くさくて担ぎたいんだけどフルセットじゃ重すぎるってんで7本で挑んだときです(浮かれて後半50だったけど)。本数関係ないのよね。というか、本数が少ないおかげで初めて見えることがある。マネジメントってやつです。わかっちゃいるけど素人にはマネジメントってなかなかできるもんじゃない。どーしても狙っちゃうでしょう。でも、ちょうどぴったりの番手がなかったら、アプローチが打ちやすい場所にボールを運ぼうとするもんです。フェアウェイウッドでイチかバチかの勝負に出ることもないのでケガもしないしね。まあそういう副産物もありますから、この機会に歩いてみるのもいいんじゃないかしら。運動不足解消にもなるしね。
■ピンフラッグに触らない
アメリカではボールがカップインしないように工夫して、ピンフラッグを持たなくて済むよう配慮してるところが多いようです。日本のゴルフ場はどうしてるんだろ。まあこの際、『寸止め選手権』を開催すればいいんじゃなかろうか。別名チキンレース。入れたら負けです。というか、たとえばタイのゴルフ場だと、カップ周りに白い円が描いてあって、その円の中に入ればOKってのが多いんだけど、それ式でいいじゃん。線を描かないまでも、自分たちでワングリップ以内なら入ったことにすればいいだけ。もしどーしてもいつも通りにカップインさせたいとか、ちゃんとスコアをつけたいとかって譲らないひとがいたら、あんた、スコアと人命どっちが大事なん?と説教しましょう。できないならわたしが代わりにいたしますのでゴルフサプリまでご連絡ください。やー、でもそういうひとに重要なのはスコアかもしれないな。そのタイプは人命を脅かす自覚がないはずだから。というか、そういう面倒なひととはゴルフに行かないのが吉ですわ。臨機応変に対応できないようじゃー生き残れません。
■対策をとってないゴルフ場には行かない
公式サイトなどで確認して、対策について具体的に書かれていないゴルフ場は避けるほうがいいでしょう。屋外で他のひとと一定の距離を保って遊んでるぶんには神経質になりすぎることはないけど、そういうゴルフ場はなにか起こったときの対応もきっとまずいだろうからね、トラブルの予防策として。
というもろもろを踏まえての千代田カントリークラブ
千代田カントリークラブはPGMグループの中でも特にハイグレードな『GRAND PGM(グランピージーエム)』に認定されているコース。他にもサンヒルズCC(栃木県)やプレステージCC(栃木県)、美浦GC(茨城県)、PGM総成GC(千葉県)など、現在12コースが選ばれています。といっても、千代田CCはビジターでも予約が取れるし、プレーフィも安くはないけど清水の舞台から飛び降りるってほどではないのでご安心を。千代田・石岡ICから4kmと好アクセスなのも嬉しいポイント。そう考えるとかなりお値打ちなコースだと思います。27ホールあるしね。クラブハウスはチョー豪華でハァハァしました。シミュレーションゴルフもあるらしい。コース自体は比較的フラットな林間コースで、池が15箇所、バンカーは80箇所ぐらいあってチャレンジングだし、ホールごとに特徴があって楽しかったです。楽しかったのは30yぐらいのバンカー越えの難しめなアプローチがチップインしたというステキな記憶のおかげもあるけど、それがなかったとしてもじゅうぶんに記憶に残るコースでした。
ちなみにコロナに対するPGMの対応はこちら。PGMはもともとスループレーに対して積極的な姿勢だったのもあり、『スループレー枠の用意』ってちゃんと書いてあるのが頼もしいです。
コースは西・中・東の27ホール。わたしが回ったのは西→中でした。いい感じの池が多いので、たぶん渡り鳥が結構飛来するんじゃないかな。行ったのが去年の4月末だったのでもう皆シベリアとかに帰っちゃってたけど、冬場は期待できそうです。あ、でも、渡り鳥じゃない留鳥の、美しい色彩のカルガモちゃんはいましたよ。
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そして着水
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丘の目の前でありがとう♡
この子たちには西コース8番PAR4で逢いました。丘からの絵。ちょーキレイ。映えます。
距離はないけどティーショットが池絡み、かつ左ドッグレッグで、左グリーンだとちと厄介かな。とはいえ白ティからなら問題ないと思われますが。まあ、これは苦言だけど、赤ティが「はい?どうした?」って場所にあった。基本的に赤ティって隅っこの端っこにちょこんってあったり、ちっさな古墳みたいなしつらえだったり、扱いが悪いゴルフ場が多いから今さら驚かないけど、これは久々に驚愕した『丘(用語集参照)』でしたわ。ということで用語集を。
NEW・ゴルフ用語集
丘・あの丘:ティーイングエリア
シグネチャーホール間:『シグネチャーホール・間』ではなく『シグネチャー・ホール間』。ホールとホールの間、ホールと全然関係ないとこで印象に残る場所のこと
振り返りのススメ:飛球線方向以外を見る、特に振り返ると驚きの美しい光景が広がってることが多いよ!
どんぶらこ:アップダウンやアンジュレーションのこと
サバンナ系:アフリカのサバンナを彷彿とさせる光景が見られるコースのこと
イケメン:池を見ると平常心を失って力が入っちゃう池メンタル=お豆腐メンタルのこと
ゴルフがちょっと慌ただしい:ヘタの言い換え。上手い人でもヘタな日はある。だからって心底ヘタってことじゃない。そもそもゴルフは上手いヘタじゃない。評価基準は楽しいか楽しくないか、楽しんでるか楽しめてないかだけ
その日暮らし:お悩みや平均スコアを聞かれたときの返事。用例「いやあ、なにしろ人生もゴルフもその日暮らしなもんで」
とんがり君:山でも岩でも、とんがってる物体はみなとんがり君
ゴルフは禅問答:良かれと思ってやったことが報われない。ケガしてるのに普段より良かったりする。ゴルフって何が幸いして災いするのかサッパリわからん。いっそトンチをきかせればいいとゆーの?
で、おいそれとは驚かない百戦錬磨のゴルファーが驚いた、西8番の丘がどのような丘だったのかと申しますと
そんでもって、この丘が一体どこにあったのかおわかりでしょうか。先ほどのお池の写真でどの位置に見えるのかというと
まあ、わかりますよ、苦肉の策だったんでしょう。わかりますけど、でもこれは要改善だと思うわ。初心者の女性を池ポチャから守っているように見えて全力で池に誘っています。わたしは曲げる球を打ちたくて仕方のないヘンタイですが、そのヘンタイをもってしても攻略のしようがない感じ。こんときは右グリーンだったからまだいいけど、左グリーンだと想像力の限界を感じますきっと。千代田CCにもの申したいのはここだけ。東コースは回ってないからわからないけど、西と中ではこの丘だけが引っかかりました。あとは好き。かなーり楽しめました。ということで、次回は楽しかったモロモロをば。今回は、マスター室前から撮ったタイトル画像でおわかれです。ありがとうございます。
【シリーズ一覧】
●第1回:NEW・名門ゴルフ場|サニーカントリークラブ(長野県佐久市) Part1
●第2回:NEW・名門ゴルフ場|太平洋クラブ佐野ヒルクレストコース(栃木県佐野市)Part1
●第3回:NEW・名門ゴルフ場|四街道ゴルフ倶楽部(千葉県四街道市)番外編 Part1
●第4回:NEW・名門ゴルフ場|キングダムゴルフクラブ(埼玉県秩父市)Part1
●第5回:NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part1
●第6回:NEW・名門ゴルフ場|千代田カントリークラブ(茨城県かすみがうら市)Part1
●第7回:NEW・名門ゴルフ場|吉井カントリークラブ(群馬県高崎市)Part1