シニアゴルファーにとって9~10度台のロフトは少なすぎる

軟らかいシャフトを使い、しなり戻りを利用してボールを弾くのがクラブ目線で見た省エネスイングの第一歩ですが、同時にドライバーで見直してほしいことがあります。それはロフトです。ほとんどのアマチュアの方はロフト9度から10.5度あたりのドライバーを使っていると思います。シニアになってもそのまま使い続け、飛ばなくなったと嘆いている方が多いようですが、それは当たり前のことなので嘆く必要はありません。

なぜ当たり前かといえば、パワーがあってヘッドスピードが出せるうちは9~10度台でも打てますが、体力が衰えてヘッドスピードが落ちてきた方にとってはロフトが立ちすぎているからです。例えばヘッドスピードが38~39m/sの人がロフト9度のクラブで打つと、ドロップしてお辞儀するような球しか出ないので飛びません。実際、そのせいでスイングが滅茶苦茶アッパーになっている人がたくさんいます。物理的に上がらない球を何とか自分で上げようとしているわけですが、これは極めて不自然で非効率なスイング。百害あって一利なしです。

ロフトの多いモデルがないせいもあり、シニアゴルファーは9~10.5度くらいのロフトのドライバーを使い続けている。
物理的に上がらなくなっていることに気づかないとスイングで球を上げようとする。シニアにとって、これは絶対に避けたいことだ。

スイングの理想は効率よく飛ばすことです。スーッと普通にインパクトすれば勝手に打球が上がってくれると最高ですが、それにはロフトがある程度必要です。10.5度でも多めと感じる人がいるかもしれませんが、そんなことはなくて11~13度など、実はあまり目にしない数字がちょうどいいアマチュアゴルファーがたくさんいます。まずは先入観にとらわれることなく、いろいろなロフトを試してみましょう。カチャカチャがついたドライバーなら、まずそれを使ってロフトを増やしてください。

ロフトに対するこれまでの概念を捨て去り、12、13度といったロフトで打ってみると、思いのほか飛距離が伸びるシニアが多い。

見た目の感じで言うなら、構えた時にフェースが見えるくらいの方が、ロフトがしっかりあって球もつかまりやすいと思います。ただ、前回お話したようにシャフトを軟らかいものに替えている場合は、しなり戻りがうまく使えてインパクトロフトがデュアルロフトより多くなりますから、その場合はロフトを増やさなくてもいいでしょう。参考までに記しておくと、ロフトが適正であった場合のスピン量は毎分2500回転くらい。もしデータを見ながら打つ機会があれば2500回転を目指すといいでしょう。

ヘッドスピードがそれほどない女子プロは、比較的ロフトが立ったドライバーを使っていますが、それはスイングがかなりアッパーだからです。というのも、彼女たちは背が低く、例えば身長150cmの山下美夢有プロと181cmの私とでは31cmも差があります。なのにドライバーの長さはほぼ同じ。ですから女子プロのスイングは絶対フラットになります。そうなると必然的にインサイドアウトのアッパースイングになりやすいので、それにフィットしたロフトが必要になります。ロフトが多いと打球が上がりすぎて飛距離をロスしますから、そうならないよう適正なロフトを導入しているのです。

背が低い女子プロはフラットなスイングになる。インサイドアウトでアッパーに振るためロフトの立ったドライバーを使う傾向がある。アップライトなスイングでロフトを立てると飛ばなくなるばかり。

解説:中村 修
(なかむら おさむ)

1968年3月26日生まれ。千葉県出身。26歳でゴルフを始め、2005年にPGA入会。PGAティーチングプロB級会員。コーチとして桑木志帆の指導に携わっていた経験もあるが、執筆もこなす。ゴルフクラブに対する造詣も深い。