プレーオフではピン奥の傾斜で戻し、勝利を決定づける

プレーオフの舞台、18番パー4の2打目は残り152ヤードでした。

勝利を決定づけたショットは8番アイアンでカットに打ち、ピン奥の傾斜で戻して1メートルに付けたもの。

この時使った「T100」は2年前の「横浜ミナトチャンピオンシップ」で勝った時と同じで「スピンもちょうどいし、構えた時にまっすぐなので打ちたい球が打てる。少しぐらいダフってもしっかり距離が出てくれるので、すごくいいなと思っています」と、もはや手放せないものになっています。

「アイアンはピカピカより、ちょっと傷ついて“味”が出ている方がいい」

同じ「T100」が数セットは手元にあるものの、基本的には「エース」のセットを使うということで、それなりに“年季”が入っていますが「ピカピカよりも(バッグ内でクラブ同士が)当たったりしてちょっと傷があるぐらいが“味”が出ていいんです。ピカピカだと光ったりして、厚みも違って見えたりするので」とも言います。

パターはウェイトを重くしてストロークが改善

最後のウイニングパットは1メートルちょっととはいえ、下りで切れるやさしくはないラインでした。

これを決めたパター、スコッティキャメロンの「サークルT Golo TG6.2」は2週前の「東建ホームメイトカップ」開幕前にソールの2か所のウェイトを以前より5グラム重い、ひとつ25グラムにしました。

これは「調子が悪くなった時に(ストロークが)どんどん速くなってしまうので、重いのを持って、ゆっくり打てるようにしました。ヘッドが軽いと動きすぎて“打ててしまう”んです」ということが理由だったそうです。

さらに「僕は腕が長いので33インチ。なんなら、32インチでもいいぐらいです」と身長174センチで決して小柄ではないにも関わらず、レディース用並みの長さにして「自分仕様」のパターにしています。

58度でバウンス4度も、ローバウンスではない!?

こちらも2年前の優勝時と同じモデルを使う3本の「ボーケイ SM10」のバウンスはロフト52度は8度で58度は4度とローバウンスに思えます。

ですが58度のTグラインド「バウンスが山型なので、開いて使うと実質8度ぐらいにはなるんです。そのままだと(スクエアに構えて打つと)“刺さる”けど、数字ほどのローバウンスではないんです」と説明してくれました。

バウンス4度のTグラインドが「一番スピンが入った」ことに加えて他のバウンスにすると「地面が硬いコースとか行った時にモデルを変えるとアプローチはいいけどフルショットの距離が変わってしまうことがあるので」というのも、バウンス4度のTグラインドにしている理由です。

ライ角がズレたことに気づいて調整してもらうことも

毎週各地を転戦するツアーの生活では、クラブを宅配便で送った際にライ角がズレてしまうこともあるそうです。

「打ったら変な所に当たって、変な飛び方をすることがあるので、おかしいと思った時はツアーバンでライ角をチェックしてもらいます」(米澤)。

こうした説明を約15分、「クラブに対するこだわりは全然ないですよ」と言いながらも丁寧にしてくれたのは、立派なこだわりだといえるでしょう。

スイングのイメージはシェフラー

今年に入ってからスイングのイメージはスコッティ・シェフラーだと言います。

こうしたクラブへのこだわりで、世界ランキング1位に約3年君臨するシェフラーのような強さを発揮することになるかもしれません。

(取材・文・写真/森伊知郎)