昔は「ラフ=強く振れば出る」ものだと思っていた
ラフが苦手だった頃の私は、とにかく強く振ればボールは出ると思っていました。フェアウェイから残り150ヤードなら7番アイアンだから、ラフでも同じように7番アイアンを持つ。少し沈んでいても、強く振れば何とかなる。そんな感覚でクラブを選んでいました。でも実際には、強く振ったからといって上手くいくわけではありません。芝の抵抗に負けてヘッドが減速したり、フェースが返されて左に飛んだり、ボールとフェースの間に芝が入ってフライヤーしたりします。本人はナイスショットを打つつもりでも、打つ前の判断が甘い時点で、すでにミスの確率を高くしていたのだと思います。
シングルを目指す過程で一番変わったのは、ラフをスイングだけで解決しようとしなくなったことです。もちろん、短く持つ、少し上から入れる、最後まで振り抜くといった打ち方の工夫は必要です。ただ、それ以前に、このラフから何を狙っていいのかを間違えると、どれだけ頑張って振っても結果は安定しません。ボールが沈んでいるのにグリーンを狙ったり、フライヤーしそうなライでピンまでの距離だけを見て打ったりすれば、ナイスショットのつもりが大きなミスになることもあります。振り方を反省する前に、そもそもその番手と狙いでよかったのか。ラフで大叩きした後は、そこを見直すようになりました。
ボールの沈み具合と芝の抵抗をセットで確認する
ラフから打つ前にまず見るのは、ボールがどのくらい沈んでいるかです。ボールが半分以上見えているのか、ほとんど芝に隠れているのか。それだけでも、選べるクラブや狙える距離は変わります。ただ、ボールの見え方だけで決めると失敗します。ボールは見えていても、手前に芝の壁があればヘッドは減速しますし、芝がネック付近に絡めばフェースが返されることもあります。反対に、ボールが浮いていて簡単そうに見えても、下に空間があるとヘッドがくぐってしまい、思ったほど飛ばないこともあります。ラフの難しさは、見た目と結果が一致しないところにあると思います。
そのため私は、ボールだけでなく、ボールの手前の芝を見るようになりました。芝が寝ているのか、立っているのか。順目なのか、逆目なのか。順目ならターゲット方向に芝が寝ていてヘッドが抜けやすく、逆目なら自分の方に向かって芝が立っているのでヘッドが引っかかりやすくなります。さらに、ボールの近くにある似たような芝で軽く素振りをして、ヘッドがどれくらい重く感じるかも確認します。この素振りは、ナイスショットのイメージ作りというより、芝の抵抗を測るための確認作業です。思ったよりヘッドが抜けないなら、長い番手でグリーンを狙うのは危険です。反対に、スッと抜けるなら、ある程度距離を出せるかもしれません。見た目で決めつけず、実際にクラブを動かした時の感触まで確認するようになってから、ラフでの判断ミスはかなり減りました。
「届くクラブ」より「失敗しにくいクラブ」を選ぶ
ラフからのクラブ選択で一番避けたいのは、残り距離だけで番手を決めることです。フェアウェイなら、残り150ヤードだから7番アイアン、残り170ヤードだからUTという考え方でも大きくはズレません。しかしラフでは、そのクラブで本当にボールを上げられるのか、芝に負けずに前へ運べるのかを先に考えます。ボールが沈んでいれば、ロフトの少ないクラブほど難しくなります。距離的には届くクラブでも、ヘッドが芝に負ければボールは上がらず、思ったほど前に進みません。ラフでは、届くクラブを探すより、そのライから一番ミスの幅が少さくなるクラブを選んだ方がスコアにつながります。
私自身、ラフから6番アイアンが打てそうに見える場面でも、UTを選ぶことがあります。もちろん、深いラフから無理にUTを使うわけではありません。ボールがある程度見えていて、芝の抵抗が強すぎない時の話です。それでも6番アイアンを避けることがあるのは、少しでも芝に負けるとボールが上がらず、ミスが大きくなりやすいからです。UTなら完璧に当たらなくてもソールが滑って、ある程度前に進んでくれることがあります。ラフでは、最高の結果だけでクラブを選ぶと危険です。ナイスショットすれば届くクラブより、少しミスしても次の一打が打てる場所に残るクラブを選ぶ。この考え方に変えてから、ラフで無理をして1打、2打と損をすることが少なくなりました。
ラフからはナイスショット前提でグリーンを狙わない
ラフからグリーンを狙う時に危ないのは、ナイスショットを打った時の結果だけで判断してしまうことです。ボールが浮いていて芝の抵抗が少ない。グリーン手前にバンカーや池がない。奥にもある程度余裕がある。こういう条件がそろっていれば、グリーンを狙う選択肢はあります。ただし、その場合でもフライヤーして奥まで飛ぶ可能性や、スピンが入りにくく止まりづらいことは考えておきたいです。特にピンが手前で奥が狭い時に、ラフからピンを真っすぐ狙うのはかなり危険です。いい当たりをしても、フェアウェイから打った時と同じようには止まってくれません。
反対に、ボールが沈んでいる、芝の抵抗が強い、キャリーで越えなければいけないハザードがある、左右や奥に外すと大きなトラブルになる。このような状況なら、グリーンを狙わない方がいい場面もあります。大事なのは、ただ安全に出すことではなく、次の一打が打ちやすい場所に運ぶことです。横に出したつもりでも、次にバンカー越えや左足下がりが残る場所では、まだピンチが続きます。ラフから上手く打てる人は、強いショットを打っているというより、打つ前に無理な選択を消しています。グリーンを狙うのか、手前に運ぶのか、フェアウェイに出すのか。打つ前にその線引きができるだけでも、ラフから慌てて大叩きするケースはかなり減ると思います。
それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。
もう少しでシングル(ペンネーム) 東京都内在住の50代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGAハンディキャップは4.5。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営(https://low-handicapper.com/)。














