ツアープロの健康維持を支える「移動式歯科検診車」

今回の取り組みを主導した株式会社SCOグループ取締役の河野実氏は、企画実施の背景について説明した。
ツアープロは全国各地を転戦する生活を送っており、定期的に歯科医院へ通うことが難しい。その一方で、口腔内の健康維持には継続的な検診やケアが欠かせないという。
河野氏は、歯並びや噛み合わせが身体のバランスやコンディションにも影響を与える可能性があることに加え、多くの選手が歯ぎしりや食いしばりに悩んでいることを紹介。「口腔ケアによって改善できることを知ってほしい」と話した。
会場に設置された移動式歯科検診車(モバイルオーラルケアクリニック)は、白を基調とした清潔感のある外観・内装が印象的。単なる検診車ではなく、実際の歯科治療が可能な設備を搭載しているのも特徴だ。被災地などでの活用も想定されており、診察や治療だけでなく、入れ歯の作製・調整などにも対応できるという。
「日本ツアーにも導入したい」JGTOも導入に前向き

続いて登壇した株式会社SCOグループ代表取締役会長の玉井雄介氏は、「歯科医院へ通うことで健康になるという行動変容を起こしたい」と同社の取り組みについて説明した。
玉井氏は、「この歯科検診車という新しいハードウェアが活躍できる機会がいつかあると信じていた中で、このようなきっかけを作っていただき感謝しております」と話し、「こうした活動を通じて、国民の皆様がより健康になり、健康的にスポーツに取り組める環境を作っていきたい」と語った。
また、口腔内の健康と競技パフォーマンスとの関係については今後さらなる研究が必要としながらも、「歯磨きなどの日常的なセルフケアだけでは補えない部分をサポートできることは大きな価値がある」と期待を寄せた。
さらに、一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)の浦山豊氏も登壇。自身も年に3回は歯科医院へ通っていると明かしながら、「海外担当として米PGAツアーやLPGAツアーへ行く機会がありますが、海外ではこうしたサービスはすでに実施されています」と説明した。
そのうえで、「玉井会長からお話をいただいた時、日本でもぜひ実施したいと思いました。今回だけでなく、来年に向けて各トーナメントで展開できたらと考えています」と話し、今後の本格導入に前向きな姿勢を示した。
蟬川泰果も体験「ツアー選手全員が使えるようになれば」

この日、実際に移動式歯科検診車で口腔ケアを体験したのは、SCOグループとアンバサダー契約を結ぶ蟬川泰果だ。
検診を終えた蟬川は、「歯医者さんの最新技術がここに詰まっていると思いました」と第一印象を語った。
現在、マウスピース型矯正装置「インビザライン」による歯列矯正を行っている蟬川は、「歯の噛み合わせが原因で左肩の痛みがあると相談したところ、的確なアドバイスをいただけました。普段からの歯の使い方や噛み方も丁寧に教えていただきました」と話す。
さらに、「こうしたサービスをツアー選手全員が使えるようになれば、もっと良いパフォーマンスにつながるきっかけになると思います」と期待を寄せた。
また、「僕はデビュー当時、歯並びが良くなかったので人前で笑うことに抵抗がありました。でも歯並びが良くなってからは、自信を持って笑顔でいられるようになりました」と振り返り、口腔ケアが競技面だけでなくメンタル面にも好影響をもたらしたことを明かした。
ツアー会場における口腔ケアサポートだが、日本ツアーではまだ試験段階。選手の健康維持と競技力向上を支える新たな取り組みとして、今後の展開に注目が集まりそうだ。


















