ちゃんと当たっているのに飛ばないならヘッド、球が上がらず飛ばないならシャフトを換える

本題に入る前にまず確認していただきたいことは、本当に7番アイアンで150ヤード飛んでいるのか。私の経験では平均的に150ヤード打てているアマチュアの方は決して多くありません。いうまでもなく、その場合にはクラブに手をつける必要はありません。では、本当に今までよりも飛ばなくなったらどうするかですが、ヘッドを換えた方がいい人と、シャフトを換えた方がいい人では症状が違います。

ある程度ちゃんとボールをとらえているのに飛ばないなら、ヘッドを換えてストロングロフトや飛び系のアイアンにした方がいいでしょう。当たっているのに飛ばないのは純粋にヘッドスピードが落ちているからなので、ロフトを立てることでロスしたぶんの飛距離を取り戻そうという作戦です。ドライバーのヘッドスピードが40m/sの人がロフトを2~3度立てると5ヤード前後、4~6度で10ヤード前後飛距離が伸びる可能性があります。

もう一つは打球が上がらなくなって飛距離をロスしているパターンです。打球が早く地面に着弾してしまう症状ですが、この場合はシャフトがオーバースペックになっていると考えられます。具体的には硬いか重いかなので、軟らかくする、もしくは軽くする方向にスペックを見直し、シャフトのしなりでインパクトロフトを作って打球の高さが出るようにします。

シャフトの場合、大きく分けてスチールとカーボンと2種類ありますが、いまスチールを使っているなら、それよりも軟らかいスチールにすると打球が上がります。例えばSからRにすれば、しなり、しなり返りとも大きくなってインパクトロフトを増やせます。スチールといえばN.S.PRO 950GH neo(以下950neo)を使っている人が多いと思いますが、その場合にはちょっと注意が必要です。

N.S.PRO 950GH neoユーザーがシャフトを軽くするなら、カーボンシャフトに換えるのが吉

というのも、950neoはすでに軽量で軟らかいスチールだからです。ドライバーのヘッドスピードで言うと30m/s台中盤から後半ぐらいが適正なので、スチール的にはかなりソフトなスペックに分類されます。そのため、それよりもアンダースペックにするとなるとあまり選択肢がないのです。

一つの考え方としてはN.S.PRO 850GH neoや同750GH neoにすると重量は軽くなります。ゼロスの軟らかくて軽いシャフトにする方法もありますが、一般的には950neoよりも下のスペックが必要な人にとっては断然カーボンの方が打ちやすくなりますから、よほどスチールにこだわりがない限りカーボンにするのがおすすめで、打球を上げるには一番手っ取り早い方法です。

その際に注意することは2つ。振動数とシャフト重量です。軟らかく、かつ軽くするとダブルパンチで球が上がるので、人によっては上がりすぎて飛ばなくなるかもしれません。目安としては10ヤード飛ばなくなったのなら軟らかくするか軽くするかの二者択一。20ヤード飛ばなくなったらダブルパンチで変更するといいでしょう。

カーボンなら何でもOKではない。重量とキックポイント選びが重要

選択肢が多すぎるのもカーボンの迷いどころです。重量は30グラム台から120グラム台まであってすごく幅広い。また、カーボンはスチールよりやさしいと思っている人が大半ですが、スチールより難しいカーボンもたくさんあります。ですからオーバースペックで飛ばなくなったスチールより重いカーボンは選ばないように。前出の950neoは90グラム台ですが、それより重い100グラム以上のカーボンにすると、かえって難しくなることがあるので同重量のカーボンから試すようにしましょう。

キックポイントもいろいろで、例えば950neoのメーカー表記は中調子ですが、実際は先寄りの中調子。950neoがオーバースペックになったので90グラム台のカーボンにしようとなった時に元調子を選ぶと逆に難しくなってしまいます。スチールは重いほど元調子傾向で、軽いほど先調子傾向と比較的わかりやすいですが、カーボンは種々雑多。軽い元調子もあれば重い先調子もあります。選択肢がめちゃくちゃ多いので、最低限、重量とキックポイントには十分に注意して選びましょう。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。