六甲国際ゴルフ倶楽部の広大なドライビングレンジに集まった新作シャフトは、マットグレーでデザインされモデル名は「EK」というグラファイトデザイン「ツアーAD」シリーズの新作、ホワイトカラーでデザインされた藤倉コンポジットの「スピーダー NX」シリーズの新作。さらに、モデル名は「Pure」と予想されるバット側の深いブルーが印象的なUSTマミヤ「ATTAS RX」シリーズの新作。三菱ケミカルは一世を風靡した人気シャフト「TENSEI PRO Orange 1K」の2代目と見られる「TENSEI PRO 1K」と記載された新作。

先週、日本男子ツアー「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」でも見られた新作シャフトたちだが、女子ツアーの選手たちはどのように評価したのかレポートする。

ダンロップのツアー担当とともに新作4モデルを次々に試していた安田祐香は、ヘッドを「スリクソン ZXi」に変えたことをきっかけに色々なものを試してみようという気になったという。現在、シャフトは藤倉コンポジットの「スピーダー NX ゴールド」を使用中だが、新作4モデルの中ではどれが気に入ったのだろう。

「どのシャフトも球筋も良いし、振り感も良かったです。まだどれが一番良いとは言えないですけど、今の流れで言うとスピーダーの新しいのが変えやすいかなとは思います」(安田)

たしかにどのシャフトで打っても、ほぼ同じ弾道で着弾地点も1箇所に集中していた。シャフトを新調するには、もう少し時間が必要なようだ。

「ツアーAD」の新作はマイルドなしなりがいい感じ

グラファイトデザイン「ツアーAD」の新作を試したリ ハナ。感想を聞くと、かなり好感触だったようだ。

「クセがなくて全体がしなります。しなり戻りも悪くないですね。ねじれ感もなくて、すごく良いです。全体的にバランスが良くて、マイルドなしなりです。色も良いです。気に入りました」(リ ハナ)

現在使用中のシャフトより0.25インチ長く、45.5インチで試打用に組まれたものだったが「このまま持って行っていいですか?」とグラファイトデザインのツアー担当に確認し、早々と練習ラウンドに持って行くことを決めた。

以前「ツアーAD FI」を使っていた都玲華は「FIをさらに簡単にしたというイメージですね。最近、ヘッドスピードが落ちて、普段使っているシャフトがハードに感じていたんですけど、この新しいシャフトだと楽に振れます。GCよりも粘ってくれる感じがあって、FIよりも柔らかく、ちょうどいいです」(都)と、さっそく今週から使いそうな様子だった。

打ち出しが高く初速が出そうな「スピーダー NX」の白いやつ

女子ツアーで使用者の多い藤倉コンポジットの新作も多くの選手が試していた。その中の一人、永峰咲希は「スピーダー NX バイオレット」よりも強い球になるとともに、高い弾道が簡単に打てると評価。

「シャフトがよく働く感じがしますが、意外と左に行かないです。クラブを簡単にしてくれそうですね。パワーがない人なんかにも良いと思います」(永峰)

続いて、1球目を打ってすぐに振りやすい、と言っていた稲垣那奈子。

「とりあえず、今日1日打ってみます。VENTUS REDも高さは出てくれますが、下からググーと上がっていく感じなんですね。でも、この白い新しいほうは、しっかり始めから高く出てくれて、初速が速く感じられます」(稲垣)

と、こちらも打ち出しの高さを評価していた。

最後に酒井美紀。3球続けて打ち、驚いた表情をしていた理由を尋ねると。

「私は第一印象を大事にしているんですが、1発目から芯を喰ったので驚きました。これまでこんなことはほとんどなかったんです。私はヘッドスピードがあるほうではないんですけど、それに対してヘッドがボールに“落ちて”きてくれました。メーカーさんの説明では、しっかり、と聞いてたのですが、打感が柔らかくよくしなってくれて簡単に飛んでくれそうなシャフトです。それから、前半戦が終わりに近づいて疲れが出始める時期なので、やさしくプレーできるシャフトを使いたいところだったんですけど、よくしなって楽をさせてくれるので、その点がすごく良いと思いました。しかも、高さが出過ぎず、落ち着いた球が打てます。低いボールも打てましたし、打ちたい球筋を思い通りに打てました」(酒井美紀)

やさしいけど、しっかり感のあるシャフトのように弾道も打ち分けられる。「不思議です」と首を傾げながらも満足そうな表情の酒井。

「あまり白いシャフトを使う機会はなかったですけど、この白黒のデザインはオシャレだし、グリップ側の黒い部分にはラメが入っていて可愛いですね」

と、デザインもかなり気に入っており、さっそく実戦投入しそうだ。

大きくは変わらないけど、たしかな違いを感じさせる「ATTAS RX」の新作

USTマミヤの新作を試していた稲見萌寧は2018年発売の「The ATTAS」が大のお気に入り。そんな稲見は「ATTAS」の新作を打ってどう感じたのだろうか。

「今使っているThe ATTASがずっと良いので、変える必要がなくて変えてないんです。でも、The ATTASに似ているよと説明を受けたので、試してみたのですが好印象ではあります。違和感なく振れたのは、感覚的な表現になってしまうんですけど、私の感覚としては独特な感じがないというか。特に何もしない。暴れすぎないとか、変にしなりすぎないとか、どこが緩いとか硬いとかもないしっかりしたシャフトが好きなんです。それよりも、ちょっと動く感じが新しいシャフトにはあるんですけど、嫌な方に動く感じはないので好印象という感じですね。(眼に見える違いとしては)ちょっと飛ぶのかな? 数ヤードですけど。打感も食いつく感じが少し増える感じがあって、それは好きな部分です。今、スイングを調整しているので、変えることはないですが、自分のスイングが安定していて調子が良かったら変えていたかなと思います」(稲見)

「ATTAS」シリーズの新作は「The ATTAS」の上位互換とでも言えそうな評価だった。

この新作を特に入念にテストしていたのは永井花奈。現在、使用しているシャフトはUSTマミヤの「ATTAS RX ULTRA BLACK」。新作を以下のように分析していた。

「今使っているシャフトと同じシリーズだと思うんですけど、LIN-Qシリーズと比べて柔らかさとか動きを感じるんですね。だから、自分のスイングを変えることなく、早く戻ってくれてしなってくれます。数字的にも初速がちょっと上がっているのでしっかりと変化があって良いシャフトなのかなと思います。ULTRA BLCAKと大きく変わることなく、新しい方は先端が早く戻ってきてくれる感じで、振り感を変えずにシャフトの違いを出しているシャフトだと思いました」(永井)

適度に走り、ブレがない。新しいオレンジ

最後に紹介するのは三菱ケミカルの「TENSEI」シリーズの新作。こちらも小祝さくらや穴井詩など、多くの選手がテストしていた。

同社の「TENSEI PRO ブルー 1K」をエースシャフトとして長く愛用している菅楓華に新しいオレンジの感触を聞いた。

「振りやすいですし、飛距離が10ヤードくらい伸びています。横幅のズレも小さくなっていますし、良い感じです。それから、私は調子が悪くなってくるとスイングが早くなってしまうタイプなのですが、それを抑えてくれるような印象もあります」(菅)

「第一印象は、自分が使っているシャフトよりはしなりがありますが、嫌なしなりというよりは右に行くのを抑えてくれるような良いしなりでした。今まで手元調子しか使ったことがなかったので、初めての感覚のシャフトだったのですが、全然アリでした。しっかり振っても、めちゃくちゃ返ってくる感じじゃないですし、球の食いつきが良くなるようなしなり方です。フェースに乗っている感覚もありました」(大里)

ここまで紹介した選手以外にも多くの選手が新作4モデルを試していた。これらのシャフトがどこまで選手たちの信頼を勝ち取り、実戦投入につながっていくのかは非常に興味深いところ。今週開催の「宮里藍 サントリーレディス」で使用する選手が現れるのか。木曜日以降、その動向に注目していきたい。