ヘッドスピード40m/sが「26 VENTUS TR RED」の5Sを選ぶための最低ライン
まず、私が感じた「26 ベンタス TR レッド」の特徴からお話しましょう。この「26 VENTUS TR」シリーズにはブラック、ブルー、レッドと3つの機種がありますが、その中でレッドは先調子系。メーカーの表記は中先ですが、私の体感では先側が程よく動き、ヘッドが走る感じがあります。そのせいもあり3つの中では弾道が高めです。
ただし、あくまで3つの中での話で、世の中のシャフト全体の中で見ると決して高弾道ではなく、中~高弾道の位置付けになります。ヘッドが走って返りやすいので、基本的には右に行きづらくドローが打ちやすいですが、ベンタスらしくかなりしっかりしたシャフトです。
選択する上で大事なのは重量とフレックス。今回比較の対象となる5Rと5Sは同重量なので重さの違いはありませんが、フレックスには注意が必要です。というのも、ベンタスのフレックスは相対的に見ると硬く、他のブランドより半フレックスから1フレックスぶんくらい硬いから。RはS、SはXくらいのイメージになります。
仮に私のヘッドスピードが40m/sだとして、スイングとの相性や好みを抜きに選ぶのであれば5Sですが、もう一段階落として5Rを選ぶ可能性もかなり高いといえます。5Sの適正ヘッドスピードは40m/s以上。40~42m/sくらいがちょうどいい感じで結果が出ます。ただ、自身のヘッドスピードのマックスが40m/sか、平均が40m/sかで大きく変わります。平均が36m/sくらいでマックスが40m/sだと5Sは完全にオーバースペック。5Rでも難しいかもしれませんから、平均値で40m/sが5Sの最低条件と考えた方がいいでしょう。一方、5Rの適正は38~40m/sです。こちらも安定的にこのヘッドスピードが必要なのでレッドといえども舐めてはいけません。SにこだわらずRも打ってみることをおすすめします。
右へ飛ぶならオーバースペックを疑おう
中には「重い方が好きなので6S」という人がいるかもしれないので参考までに記しておきますが、6Sを使うには44m/s前後のヘッドスピードが必要で、40m/sではツラいです。6Sは5Sより8.5グラム重いですが、この違いが結構大きい。しっかりしたシャフトなので、わずかな差でもクラブの操作性に違いが出ます。ローテーションしにくくなってボールがつかまらなくなるのです。その点、ベンタスはすごくわかりやすくて、いくら振っても、あるいは重量的にブンブン振れるスペックでも、右に飛ぶならオーバースペックと考えて間違いありません。
また、オーバースペックになると打球も上がりません。5R、5Sとも球が上がらなければ両方とも選択肢から外れます。打ち出しから球が上がらないのはインパクトロフトが少ないということ。シャフトがしなって、しなり返り、さらにしなり戻る形にならないので、たとえ先調子であろうともオーバースペック。例えばロフト10.5度のドライバーで打ち出し角が12度以上ないと厳しく、一桁なら論外です。
本題からは逸れますが、どうしてもレッドを使いたいのであれば、ヘッドのロフト角を大きくすることをおすすめします。10.5度にこだわらず11度や11.5度でもいい。あとは、そのシャフトが装着されたドライバーで、本当に18ホール自分のパフォーマンスを保てるのかを考えてください。試打で少ない球数で振れたとしても、ラウンドで打数を重ねれば体力を消耗します。最低でも18ホール中14回振り切れるか? 最終的にはそこが落とし所になります。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。















