新素材「PMP」と新フェース構造で大きく進化したGTSシリーズ

今回の「GTS」シリーズの特徴はなんといってもヘッドのボディ全体に採用された超軽量の特殊ポリマー素材「PMP」です。前作のGTではクラウン部分だけに使われていた軽量素材を、今回はなんとボディ全周にまで拡大。そのことで生み出された余剰重量をヘッドの前方部と後方部に着脱式のウェイトとして配されました。このことで適正な重心位置の実現とともに、慣性モーメントのアップをも実現しています。

またフェース面には、独自の「スピード・シンク」と呼ばれる新構造を採用。これまでの丸いサポートリングの上の部分を開いて馬蹄型にすることで、フェース上部でヒットした時の反発力がアップされています。さらに可変フェース厚設計により、フェース全体でのパフォーマンスも高められています。

「GTS」シリーズドライバーには3種類のヘッドが用意されています。インドアではすでに試打をしていますが、今回は全てをコースに持ち込んで、改めてどんなドライバーだったかをレポートします。

高弾道と安定感が魅力の「GTS2」

まずは「GTS2」を打ってみました。構えてみると少し丸めのヘッド形状。左を向いているようなことがなく、とても構えやすい顔をしています。ウェイトがソールのフェース側とヘッドの後方に配置されています(標準で前11g/後5g)。

打ってみると、打感は柔らかめながらも少しだけ弾くような感覚もあり、かなり気持ちがいい。打音も少し低めの音で反響も少なくて最高です。流石にタイトリストはこの辺りにはかなりこだわっているのでしょうね。

弾道は少し高めで、スピン量は少なすぎず適度な感じ。つかまり性能も悪くなく、とても安定した球になりますね。キャリーがしっかり出て飛ぶ弾道になりました。飛距離もしっかりと出ているのですが、驚いたのは弾道の安定です。多少のミスヒットでも曲がり幅が少ないし、飛距離の落ち込みも少ない。前作よりも慣性モーメントがアップしている効果が出ているのでしょうね。しかし打っていて大慣性モーメントのドライバー特有の振りにくさというものがありません。操作性が高いわけではありませんが、とても振りやすいです。

「GTS2」は優しく高弾道で飛ばしたいゴルファーに向いていると思います。直進性も高く、フェアウェイキープ率が高くなり、スコアに直結する結果の出るヘッドだと思います。

叩けて曲がりにくい万能型「GTS3」

次に「GTS3」です。これは構えてみるとシェイプの効いた洋梨顔ですね。いかにも左には行かなそうな顔をしています。ウェイトはソールのフェース側にトラックウェイトと呼ばれる、ウェイトを移動できるタイプのもの(標準8g)とヘッドの後方に5gのものが配されています。

打ってみると、打感は柔らかめでしっかりと弾く感じで「GTS2」よりはしっかり感が少し増している感じ。打音も低くていい音ですが、「GTS2」よりもさらに締まった、反響の少ない音になっていますね。

弾道は「GTS2」よりは少し低めながらも、上がりにくいという感じはありません。スピン量は少し少なめで強い球になります。飛距離性能はかなり高く、ランも含めてしっかりと飛んでいました。

そしてこの「GTS3」も寛容性がかなり高いことに驚きました。顔や打感などからすると上級者向けの難しいヘッドなのかと思いがちですが、ミスヒットにもかなり強く、安定感がかなり高い。つかまり性能は見た目よりも悪くないですね。でも左に巻くような感じはないので、思い切って叩いていけると思います。操作性はそこそこあるので、球筋を操りたい人にも使えそうです。

「GTS3」は左を気にせず叩いてきたい人や、スピンを少し少なくしたい人に良さそうです。操作性も悪くないけど寛容性も高いので、見た目よりも優しいヘッドですね。

飛距離性能重視なら「GTS4」かも!?

最後に「GTS4」です。前作の「GT4」と違い、今作ではヘッド体積が他のモデルと同じく460ccとなりました。しかし構えてみるとほんの少し小ぶりに見えます。形状は洋梨というよりも、少し丸めとなっていますね。ウェイトは「GTS3」と同じ形状で、重さも同じとなっています。

打ってみると、打感はさらに詰まったような感じで、柔らかさもありながらしっかり感もあります。打音も少し低めで、かなり玄人好みの感じ。

弾道は中高弾道という感じで、3モデルの中では一番低くなりました。球の強さはこの「GTS4」が一番で、スピン量は結構少なめの球になります。飛距離性能は高く、1発の飛距離は「GTS4」が一番でしょうね。

ヘッドの操作性はかなり高いので、自分の持ち球を生かしたい人にはいいでしょう。寛容性に関しては、前作の「GT4」よりはずいぶん高くなっているものの、やはり今回の3モデルの中では一番シビアですね。ミスヒットした時のヘッドのブレが一番大きいので、曲がり幅は少し大きめになります。

「GTS4」はスピン量を減らして飛ばしたい人、ある程度球筋をコントロールしたい人に良さそうです。しかしミスには少し厳しいので、少しスキルのある人じゃないと厳しいかもしれません。

どのモデルも前作以上の寛容性を実現

今回タイトリストの「GTS」ドライバーシリーズをコースで打ち比べましたが、前作よりもかなりの進化を感じました。飛距離性能ももちろんアップしているのですが、寛容性が予想以上にアップしていて驚きました。どのモデルも前作に比べてミスに強くなっているので、見た目よりも優しく打てるようになっています。

今まで「タイトリストって上級者向けでしょ?」って思っていた人も、ぜひ一度「GTS」シリーズを試打してみることをお勧めします。


ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。