最初にクロスハンドドリルで正しいフォロースルーの動きを体感

今回からは8番アイアンを中心としたアイアン上達のポイントを語っていきます。最初にグリップの握り方ですが、これについてはプレーヤー個々の考え方があります。左手をかぶせて右手を浅めに握るストロンググリップでもいいし、左手甲と右手のヒラが目標に正対するように握るスクエアグリップでもいいと思います。

また皆さんもよくご存じのように右手の小指を左手の人さし指に重ねたオーバーラッピンググリップもあれば、右手の小指と左手の人さし指を絡めたインターロッキンググリップもあって、両手をこう握らなくてはいけないといった決まりなんてないに等しいのです。グリップの握り方は人それぞれでいいし、両手の一体感が感じられるようにバランスよく握っていればどんな握り方でもOKです。

ボクが考えるには両手をどう握るかというよりも、正しいスイングに直結するイメージ作りとグリップ作りをリンクさせることがずっと重要です。誰が見てもキレイなグリップでもインパクトで手首が折れて、すくい打ちになってしまう人が多くいます。両手を正しく握っていても正しいスイングに直結しなければ意味がないのです。

両手の握りが正しくてもインパクトで手首が折れたりしてはミスが出てしまう。

そこで皆さんにぜひやっていただきたいのがクロスハンドドリル。通常のグリップとは反対に左手を右手よりも下にして握るとインパクトで左半身が浮きにくいため、フォロースルーが低く長くなる。結果としてアイアンでよくいうダウンブローにボールがとらえやすい。クラブの入射角が安定して距離感も方向性も揃いやすくなるということです。

両手を反対に握るクロスハンドで正しいイメージを植えつけよう。
手元を低く抜く感覚が正しいスイングに直結するグリップ作りにつながる。

手元を低く抜く感覚を理解したうえで両手をバランスよく握ろう

26年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで23アンダーという驚異的なスコアを叩き出した安田祐香プロはアイアンの名手で知られるプレーヤーですが、フォロースルーで手元がキレイに抜けているのが一番の長所です。これは手元を低く抜くイメージを大事にして両手を握っているからです。

クロスハンドドリルの練習は時計盤でいう9時から3時までの振り幅のハーフショットで構いません。テークバックでは右腰くらいの高さまで上げてフォロースルーは左腰くらいの高さまで振り抜きましょう。インパクトで左半身が浮いたり手首が折れたりしないように手元を低く出すことを意識してください。

クロスハンドドリルは9時から3時までの振り幅でOK。クラブの入射角の安定に大きく役立つ。

クロスハンドドリルは正しいスイングに直結するグリップ作りにつながります。手元を低く出すイメージを体感したら、そのイメージを活かしつつ両手を握り直しましょう。正しいイメージさえキープできていれば、グリップの握り方を自分なりにアレンジしてもOKです。

手元を低く抜くイメージを大事にして両手のグリップを作ることを習慣づけよう。

安田プロのように手元がキレイに抜ければクラブヘッドも低く長く出る。インパクトゾーンが長くなり、ミート率が上がってグリーンオンの確率アップにつながります。アイアンが苦手という方はクロスハンドドリルで正しいスイングの感覚とナイスショットにつながるグリップ作りのコツをつかんでください。

適正角度でボールをダウンブローにとらえたいアイアンショットこそ、手元を低く抜くイメージで打つのがコツ。

大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディもつとめる。メンタルやフィジカルの3知識も豊富で安田祐香のメンタルコーチとして24年の初優勝、25年の2勝目に続き、26年もNEC軽井沢72ゴルフトーナメントの3勝目に貢献。