キリンになったつもりで構えれば両肩から力が抜けてスイングがよくなる!
怒り肩のアドレスではバックスイングの円弧が小さくなってしまう
グリーンまで140ヤードくらいの距離ならナイスショットを打って何とかグリーンに乗せたい! ゴルファーなら誰でもそう思うことでしょうし、自分に期待したくなる心理も理解できます。ところが結果はダフリやトップ。大ミスにはならなくても方向が左右にブレたり、縦の距離感が合わなかったり…。
グリーンに乗らなかった原因は人それぞれでしょう。でもアドレスに問題アリでは!?と最初に疑ってみてください。アイアンには自信があるのに当たりが薄くて距離が出ていないなとか、方向が左右にブレてばかりで乗らないなというときは自分の気づかないうちに両肩に余分な力が入っているケースがとても多いんですよ。
少し前の話になりますが、26年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで安田祐香プロが通算23アンダーで完全優勝を達成しました。この大会の前、安田プロはアイアンの調子があまりよくありませんでした。安田プロといえばアイアンの名手で知られる存在ですが、ショットにキレを欠いていたのです。
そこでボクは「両肩にちょっと力が入っているから、もっとラクにするように」とアドバイスしました。安田プロのようなトップレベルの選手でも両肩に余分な力が入って浮いてしまうことがたまにあるわけで、そうなるとバックスイングで肩がスムーズに入りにくく手上げになりやすのです。
わかりやすいように極端にやってみせますが、バックスイングの円弧が小さいためにトップの捻転が浅くなる。ダウンスイングの円弧も小さいからクラブヘッドが急角度で下りてくる。フェースの刃が芝に刺さってクラブヘッドが抜けにくい。それを嫌がるとインパクトで上体が起きてトップしやすい。そんな具合に悪循環に陥ることになります。



両肩がリラックスすれば大きな円弧で振れてミート率もアップする
安田プロには「アドレスでは両肩の力を抜くことが大事。キリンさんになったつもりで首を長く見せるように構えるといいよ」と言い聞かせました。両肩に余分な力が入ると首が縮んで、怒り肩の姿勢となります。つまり亀のようなアドレスというわけです。その点、キリンのつもりで構えれば両肩が落ちて、余分な力が抜けてきます。
両肩がリラックスすれば、バックスイングでクラブヘッドの遠心力を活かしやすい。大きな円弧を描くように振り上げていくことができ、トップでのカラダの捻転が深くなります。
その流れでダウンスイングの円弧も大きくなるので、クラブヘッドが緩やかな角度から下りてきます。



バックスイングの円弧が小さいと、ダウンスイングの円弧も小さくなって必要以上に鋭角に入りすぎてしまう。バックスイングの円弧が大きければ、クラブヘッドがカラダの遠くから下りてくる感じでダウンスイングの円弧も大きくなる。同じダウンブローでも飛行機が滑走路に着陸するイメージで「鈍角なダウンブロー」にとらえることができ、ストレートな軌道でとらえやすく、インパクトの打点が安定します。
安田プロの場合、アドレスで両肩が極端に力んでいたわけではありませんが、ボクのちょっとしたアドバイスの甲斐あって初日からアイアンショットが素晴らしい出来で、ドライバーやパットとも噛み合って11アンダーという驚異的なスコアを叩き出したのです。
そんなわけでアドレスを少し改善しただけでショットが格段に良くなることは多々あります。アイアンの調子が今イチだな~と思ったら、「首を長く見せて構える。バックスイングを大きく」を心がけてみてください。

大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディもつとめる。メンタルやフィジカルの3知識も豊富で安田祐香のメンタルコーチとして24年の初優勝、25年の2勝目に続き、26年もNEC軽井沢72ゴルフトーナメントの3勝目に貢献。














