トップ5に地元韓国勢が4人の状況で最終日をスタート
最終日のスタート時点では首位が世界ランキング3位(ランキングはいずれも前週時点のもの)のユ・ヘラン。
吉田と並ぶ4打差の2位タイはポイントランキング10位のチェ・ヘジンと、パク・ミンジの2人でした。
5位タイまでの6人のうち4人が地元韓国勢。
さらに7位にもポイントランキング6位のキム・ヒョージュがいるという、吉田にとっては“完全アウェー”といえる状況です。
それでも2番パー5でイーグルを奪うと5番からは3連続バーディーを奪って一気に首位に立ちます。
後半に入ると15番でボギーを叩くも、17番パー5では距離の残ったバンカーからの3打目を「もう一回は、打てない」の振り返ったほど完璧だったPWでのショットで2メートルにつけてバーディー。
18番はボギーでのフィニッシュとなったものの、首位に並んでいたユ・ヘランも最後はボギーを叩き、吉田の優勝が決まりました。
「ドリームズ・カム・トゥルー!」
「ドリームズ・カム・トゥルー!」(夢がかなった)と表現した吉田のLPGAツアー初優勝は、やはりアメリカでの活躍をめざす後進たちにも夢を与えるものです。
昨シーズンのLPGAツアーでは、ルーキーだった山下美夢有、竹田麗央と岩井明愛、千怜の姉妹が勝利を挙げました。
山下は2022&2023年の年間女王。竹田も2024年に8勝を挙げて女王になりました。
岩井姉妹もアメリカに渡る前年の2024年はそれぞれ3勝と、いわば破竹の勢いそのままにLPGAツアーでも優勝したような形です。
4人の勝ち方はあまりに凄すぎて、これは真似できない…と思っても仕方のないところです。
吉田は上記の4人より1年早い2024年からLPGAツアーを主戦場にしていますが、ルーキーイヤーの成績は16試合に出場して予選通過は7回にとどまってポイントランキングは102位。シードを獲得することはできませんでした。
昨シーズンは25試合のうち20試合で決勝ラウンドに進出して予選通過の確率は大きく上がったものの、トップ10は一度だけでポイントランキング73位と、シード獲得(カテゴリー1)の80位以内ぎりぎりでした。
今シーズンも夏場に6戦連続予選落ちの苦戦を強いられましたが、8月の「CPKC女子オープン」で優勝した山下美夢有に次ぐ2位に入ったことで一気にランキングを上げると、そこから5試合。LPGAツアー通算66試合目で待望の初優勝を手にしました。
アメリカを志す後進たちに勇気を与える
時間がかかっても、すぐに結果が出なくても努力を続けていれば夢がかなう時が来る。
今シーズンは西村優菜も先月の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で初優勝を挙げました。
西村はLPGAツアー4年目。昨シーズンはポイントランキング115位でシード落ちし、今シーズンはQシリーズ(予選会)を経ての参戦で、通算87試合目での嬉しい初優勝となりました。
アメリカで優勝する、という夢は同じでも、そこまでの道のりにはさまざまな形がある。
吉田と西村の優勝でそれを示すことができたことで、アメリカを志す後進たちにも勇気を与えることができたはずです。
ただし初優勝はもちろん「ゴール」ではありません。
「もっと勝利が必要」と言った吉田の今後の躍進が楽しみです。
(文/森伊知郎)















