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ゴルフクラブ「本間ゴルフ TW747」開発ストーリー秘話(2/3)|ギアモノ語り

世界のHONMAになれた分岐点。〜酒田工場で感じた新しい進化〜 中編

2019/06/26 ゴルフサプリ編集部

そのニュースは日本だけでなく米国や欧州のゴルフ界でも話題になった。世界ランク1位のジャスティン・ローズがHONMAと契約。なぜ、世界のトップ選手がメイド イン ジャパンのHONMAを選んだのか?

今回、酒田工場を取材するとそこには匠の技だけでなく最先端の進化があった。

世界のHONMAになれた分岐点。〜酒田工場で感じた新しい進化〜
前編:ジャスティン・ローズが選んだのもSAKATAのシャフト。
中編:世界で最も薄く軽いカーボンにリブがある理由。
後編:酒田工場はみんなのツアーバン。

世界で最も薄く軽いカーボンにリブがある理由。

素材においても HONMAは常に世界No.1、世界初を目指していた。今、大手メーカーの多くがドライバーのヘッドにカーボン素材を使っているが、HONMAのカーボンは世界初の素材だと語る。

開発部長の佐藤は、
「これは東レ社製の『ET40』というカーボンなのですが、実は飛行機や自動車の素材として開発された最先端のカーボン。人命に関わる製品として開発するのには、様々なテストや検証が必要となります。もちろん、ゴルフクラブでも壊れてしまえば危険なので、最高レベルの軽量化を図りつつ強度を保つために何度もヘッドの試作品を製作し検証して時間を要した自信作です」

クラウン裏側のカーボンリブは、フェースと平行になっていることで、インパクトでは反発性能を落とさずに、上側からの荷重に強い形状になっている。フェース裏側の牙状のリブは、ボールの打点となるセンター部分に装着。

そのメリットについて佐藤は、
「カーボンとしてすごくユニークな素材で、自由な成型ができるんです。クラウンの裏側には“筋のようなリブ”がついているのですが、リブもカーボンになっています。実はこのリブがあるおかけで強度が格段に上がって、今までは0.7㎜くらいが世界最薄とされていたのですが、『TW747』は約0.4㎜の薄さにできた。薄くできたおかげでクラウン部分は約8グラムの軽さになっていますが、他社製品では12、13グラムがスタンダードだと思います。カーボンを軽量化できたことで、設計の自由度が上がりました。約5グラムの差は大きいです」

前作のヘッドにない新しいテクノロジーとして『TW747』には2つの進化があった。
「まず、カーボンによる余剰重量を生かすことで、『460』にも『455』にも重心が最適になる場所にウェイトをつけることができました。さらにボール初速を上げるためにフェースの下側、上側に計4つの“牙のようなリブ”をつけています。このリブのところはインパクトの瞬間にシミュレーターを見ると真っ赤になります。つまり、それだけインパクトの瞬間にパワーがそこに集中して、そこから解放するエネルギーでボール初速を上げているのです」

ジャスティン・ローズが感心したのもボール初速だったようだ。
「ドライバーテストの段階でトラックマンを使っていましたが、海外の選手はほとんどボール初速しか見ていませんでした。ローズ選手もそうでした。その理由は打ち出し角やスピン量は自分のスイングで調整できても、ボール初速だけはヘッドの性能が大きいからだと思います」

HONMAとローズとの契約は10本契約。試合で8本のアイアンを使うことが多いローズは、当初はドライバーも昨年までのモデルを使うことが想定されていたようで、
「USチームはシャフトだけでなく、ヘッドもHONMAを使うとは思っていなかったみたいです。しかし、テスト結果からローズ選手はドライバーを使用してくれて、1月にはHONMAのヘッドとシャフトを使い、PGAツアーで優勝してくれました」

TW747 460/TW747 455のスペック

TW747 460(写真上)/TW747 455(写真下)

《TW747 460》


  • ヘッド体積/460㎤
  • ロフト角/9.5、10.5度
  • 重心距離/39㎜
  • 価格/7万5000円+税~

《TW747 455》


  • ヘッド体積/455㎤
  • ロフト角/9.5、10.5度
  • 重心距離/41㎜
  • 価格/7万5000円+税~

少し小顔に見えるディープヘッドの『455』(写真左)に対して、『460』(写真右)はシャローバック形状で重心が低い。

GOLF TODAY本誌 No.564 105〜109ページより

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