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渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|アプローチ編

2020/03/31 ゴルフサプリ編集部

19年は日本ツアーだけで4勝を挙げて、メルセデスランキング1位という輝かしいルーキーイヤーを送った渋野日向子。しかし約2年前に青木翔コーチの指導を受けはじめた頃はアプローチでのダフリ癖が最大の弱点だったそうだ。
渋野日向子はどうやってダフリ癖を解消したのか?

アプローチが弱点だった渋野日向子はコレだけで、ダフリ癖を解消!

渋野日向子
しぶの・ひなこ

1998年11月15日生まれ。2019年は国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」でプロ初勝利を挙げると、7月には「AIG全英女子オープン」で優勝。ゴルフ界を超えた渋野フィーバーを起こしている。



青木翔コーチが監修

約2年前に渋野日向子が初めてのプロテストに不合格だった直後から指導する青木コーチ。「全英女子オープン」ではキャディも務め、優勝に貢献。1 2年に「青木翔ゴルフアカデミー」を設立してツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。

「昨年1年で最も練習したのはアプローチ!」渋野日向子

最初にアプローチを見てもらったとき、渋野日向子は「めちゃくちゃダフっていると言われました」と語る。

当時のことを青木翔コーチに聞くと、「ボールの10センチ手前にヘッドが落ちる『典型的なすくい打ち』だったんです。だからダフってしまう。でも、これはシブコだけじゃなくて、アマチュアゴルファーにも多いですよ。厄介なことに練習場のマットだと10センチ手前にヘッドが落ちても上手く打てるので気づかない人も多いです」

では、すくい打ちを解消するために渋野日向子はどんな指導を受けたのか?
「とにかく“上から入れろ”と言われました。だから最初はボールにカツーンとすることも多かったです」

その狙いについて青木コーチに聞くと、
「すくい打ちを直すには、まずはハンドファーストで当てること。最初はトップしても良いから上から入れてハンドファーストで打てる感覚をつかむ練習をしました。それから当てる位置を段々と低くしていくと、ハンドファーストの形でソールとバウンスが上手く使えるインパクトになります」

渋野日向子はアプローチ練習について、
「最初は1日中アプローチの練習しかしない日もありましたし、19年も一番練習したのはアプローチです」

と語る。そんな渋野日向子の最新アプローチを見るとラフからでもインパクトがハンドファーストになっており、ヘッドが上から入っている。これが19年の快進撃につながった。

ダフリ解消にはハンドファーストで上から打つ!

両腕の形を変えないのが シブコ流のアプローチ!

「短い距離も手を使わないように打っています」渋野日向子

「アドレスからハンドファーストに構えます!」渋野日向子

ハンドファーストで打つためにはアドレスからハンドファーストで構えることが大切。アドレスについて渋野日向子は「よくハンドダウンと言われますが、手が長いだけで、普通にリラックスして構えているだけです」と語る。

【渋野×青木 スイング対談】シブコに教えたこと!

青木 「アプローチは練習時間も長いけど、練習メニューも多いよね」

渋野 「そうですね。片手打ちやったり、クロスハンドやったり、両手で打ったり。1日600球とか、700球やりましたよね」

青木 「特にオフの練習はサンドウェッジしか、ほぼやっていない。でも、まずはアプローチで上から打てないと、次のアイアンでも上から打てない。だからスイングの第一歩はアプローチなんだよ」

渋野 「私もアプローチの練習をすごくやるところからはじまって、全番手のスイングが変わったと思います」

青木 「アイアンになっても、インパクトは上から入れるというのは絶対的な基本だからね」

片手打ちは腹筋を使って体で打つための練習です!

腹筋を意識するためにお腹を押さえています!

ほぼ毎日、試合会場でも青木コーチと片手打ちの練習

試合直前の練習日にはアプローチ練習場で1時間以上も青木コーチと練習することもある渋野日向子。
初日、2日目が終わった夕方からでも右手の片手打ちをしていることが多かった。

上半身を回しているから、腕の形が変わらない!

アドレスで伸ばした両腕をバックスイングからトップ、さらにダウンスイングからフォローまで伸ばしたままにすることで『手を使わないアプローチ』になっている。

「ハンドファーストで打つときに最も大切なことは手を使わないこと」
と語る青木コーチ。よく渋野日向子は片手打ちの練習をしているが、そこに手を使わない秘密があった。渋野日向子は、
「片手打ちの練習ではお腹に手を当てて『お腹を引っ込める感じ』で腹筋に力を入れています」

青木コーチの狙いも腹筋にある。
「アプローチでは手を使わないで、腹筋を使ってお腹を回すことが最も安定した軌道になります。特に右手1本だとお腹を回さないと上手く打てません。手打ちでハンドファーストを作ると入射角が急角度になる。緩やかな入射角にするためには、お腹を回して打つことが大切です」

逆に左手の片手打ちについて、青木コーチは、
「左手はすくい打ちにならないための練習です。左手1本で打つと左ワキを締めたまま打つのでハンドファーストの形を作れます」

またアプローチのバリエーションについて渋野日向子は、
「最初の1年はピッチアンドランだけでした(笑)。それしか、教わっていませんから。でも、2019年は高く上げたりするのも、ちょっとはやるようになりました」

青木コーチは、
「ゴルフの技術には基本となる太い幹があることが大事。アプローチで言えば、ピッチアンドラン。だから、とにかく最初はそれだけでした」

お腹を意識して打つ渋野日向子のアプローチは手が一直線に伸びたままお腹を回すので上半身に一体感がある。まずは、この形を目指すことがアプローチ上達の近道だ。

最初は10ヤードから手を使わずに打つ!

「左手の片手打ちは、すくい打ち防止の練習です!」渋野日向子

青木コーチはアプローチについて「最初は10ヤードの練習から、手を使わないで腹筋を回して打つことを意識しましょう。それには右手の片手打ちがいいです。左手はすくい打ちのクセがある人には特に効果的です」と語る。

とにかくアプローチはピッチ&ランの基本を徹底的に!

アプローチショットをチェックするとき青木コーチは「音を聞いています。ボールだけに当たった音が出れば合格です。芝に当たった音がしたらダフっています」と語った。

取材協力/長船カントリークラブ

GOLF TODAY本誌 No.572 23~27ページより

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