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渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|パッティング編

2020/04/03 ゴルフサプリ編集部

「全英女子オープン」での歴史的優勝だけでなく、日本女子ツアーでもメルセデスランキングで1位になった渋野日向子。その大活躍に貢献したのが平均パット数2位になったパッティング。
強気に攻めるパットが持ち味だが、青木コーチに習う前はパッティングが苦手だったと語る。

改めて、入るパットはアドレスに秘密あり!

渋野日向子
しぶの・ひなこ

1998年11月15日生まれ。2019年は国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」でプロ初勝利を挙げると、7月には「AIG全英女子オープン」で優勝。ゴルフ界を超えた渋野フィーバーを起こしている。



青木翔コーチが監修

約2年前に渋野が初めてのプロテストに不合格だった直後から指導する青木コーチ。「全英女子オープン」ではキャディも務め、優勝に貢献。1 2年に「青木翔ゴルフアカデミー」を設立してツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。

「昔はマレット型を使っていたんですが、今はピン型です」渋野日向子

「アマチュアの頃はパットが苦手でしたし、プロになるにはパットが上手くならんとなーと思っていました。青木コーチに習うようになってアドレスが変わりました」

と語る渋野日向子。その具体的な変化については、
「昔は、もっと手元が低い位置にあったのですが、今は“吊る感覚”でアドレスでは少しヒールを浮かせるように構えています」

その理由について青木コーチは、
「最初にパットを見たときにインサイド・アウトでフェースの開閉が大きいタイプだなと思ったんです。それは本人の個性なので良いんです。でも、手でフェースを開閉していたので、体の動きでヘッドを動かせるような感覚が良いなと思って、ヒールを浮かせる構えを教えました」

渋野日向子はボール位置についても指摘されたと言う。
「今も左目の下からボールを落として、ボールの位置を確認していますが、ボール位置を一定にすることもよく言われました」

また、今はピン型パターを使っている渋野日向子だが、当時はマレット型を使っていたそうだ。
「フェースの開閉が大きいタイプには、ピン型とかL字型の方がマッチする。そこは個性の問題ではありません。なぜか当時はマレット型を使っていたので(笑)、まずはヘッド形状からピン型やL字型を試してもらって、その結果、ピン型に落ち着きましたね」

カップオーバーを怖れず、強気に攻める渋野日向子のパッティングは、このアドレスからはじまっていたのだ。

「フェースを開閉するタイプだった」青木

「基本的にマレット型はヘッドの慣性モーメントが大きいので、ストレート軌道で打つタイプと相性が良い。シブコのように、フェースを開閉するタイプがマレット型を使うと、インパクトでフェースが戻り切らずに、開いて当たりやすいんです」(青木)

ヒールを少し浮かせるとヘッドを動かしやすい!

「とにかく手首を使わないように打っています!」渋野日向子

「ボールは左目の下。❝吊る感覚❞で構えています!」

【渋野×青木 スイング対談】シブコに教えたこと!

青木 「パットで覚えてるのは18年のQTのときだよ」

渋野 「その話、よくしますね」

青木 「QT当日に『ロングパットの距離感は、どうやったら合うんですか?』って言われましたからね(笑)」

渋野 「だって、普段から『何でも聞いてこい!』とよく言われていたので」

青木 「何でも聞いてこいとはいうけど、QT当日だからね(笑)」

渋野 「でも、「手でコロがしてみろ」と言いましたよね」

青木 「そうだね。手で合わない距離感が、パターで打って距離感が合うはずないからね。でも、本当はパットは短期間では上手くならないよ。練習あるのみだから」

渋野 「ラウンドが終わると、いつも練習グリーンで笑いながら待ってますよね(笑)」

青木 「笑っているのはツライ練習を、少しでも楽しくするためだよ」

渋野 「でも、あまり感覚的なことは言わないですよね」

青木 「それは教えられるものじゃないからね」

渋野 「でも、元々、パターの感覚は、私の方が良かったからなんじゃないですか(笑)」

「握手打ち」は腹筋で打つための練習です!

「試合のスタート前にはよく、この練習をやっています!」青木

元々、パッティングが苦手だったと言う渋野日向子が、その効果を実感しているのが、左腕を青木コーチに掴んでもらって打つ練習だ。この練習は“握手打ち”とも言われるが、その効果について渋野日向子は、
「私は頭が上下とか左右に動くクセがあったのですが、この練習で頭が動かなくなって、少しずつパットが上達したと思います。あと、この練習は手で打つと上手く打てないので、お腹に力を入れています」

この練習について青木コーチは、19年のシーズン前からやるようになったと語る。その狙いについて、
「これは腹筋を使って、ヘッドを動かす練習です。右手1本で打つときは腹筋を使わないと、ヘッド軌道が不安定になります。右手1本でも腹筋で打てば、ヘッドが揺れません。両手で打つときも、腹筋を使う感覚を忘れないことが大切です。19年はほぼ全試合でスタート前には、この練習をしていたと思います」

また頭を動かさないポイントについて青木コーチは、
「シブコのパッティングをチェックするときも帽子のツバの向きを見ます。ボールを打ち終わるまで、アドレスから帽子のツバの向きを変えないことが大切です。アマチュアの皆さんは、フォローまでツバの向きを変えないことを意識してください」

実際に渋野日向子のパッティングを見ると、帽子のツバはほとんど動いていない。ここに苦手なパットを改善させた秘密があったのだ。

インパクトまでは帽子のツバを動かさない!

・バックスイングではヘッドを低く動かしながら、帽子のツバは動いていない。
・フォローでも手首を返す動きがないのは、腹筋を使っている証。

9方向から7球以上のカップインが日課!ときには、真っ暗になるときも

試合期間中でも日課になっているのが9方向から打つ練習。距離は1メートルからスタートして、50センチずつ伸ばして、9箇所目は5メートル。9 箇所中7 箇所でカップインできれば終わりというルーティン。ときには日が暮れて、夜になってもクリアできずに練習する姿があった。

「最初の頃はクリアするのに、3時間以上もかかったこともあったけど、今は少し早くなりました」(渋野)

「アマチュアの人はシブコの半分の距離。最大で2.5メートルくらいがちょうど良いと思います」(青木)

取材協力/長船カントリークラブ

GOLF TODAY本誌 No.573 31~35ページより

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