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渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング|アイアン編

2020/01/02 ゴルフサプリ編集部

日本ツアー4勝目を飾った「大王製紙エリエールレディス」でも、3日目と最終日は約9割という驚異的なパーオン率で、逆転優勝を飾った渋野。青木コーチも、「アイアンは世界でも通用するレベル」と語っているが、そのポイントは?

アイアンが上手くなるコツは、お尻です!

渋野日向子
しぶの・ひなこ

1998年11月15日生まれ。2019年は国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」でプロ初勝利を挙げると、7月には「AIG全英女子オープン」で優勝。ゴルフ界を超えた渋野フィーバーを起こしている。



青木翔コーチが監修

約2年前に渋野が初めてのプロテストに不合格だった直後から指導する青木コーチ。「全英女子オープン」ではキャディも務め、優勝に貢献。1 2年に「青木翔ゴルフアカデミー」を設立してツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。

2017年の夏、1度目のプロテストに落ちた直後から青木翔コーチの指導を受けるようになった渋野は、
「青木さんに習ってから、スイングが全て変わった」

と語る。その中でもアイアンについて青木コーチは、
「アイアンはすぐに良くなりましたね。スイング中に頭を上げないことは全クラブ共通ですが、アイアンでは体が伸び上がって打つクセがあったので、お尻を前に出さない打ち方を練習させました」

アマチュアでも体が伸び上がる人は多いが、青木コーチはお尻の動きについて、
「アマチュアでダフリのミスが多い人は頭が上がってしまうか、お尻が前に出ているかのどちらかだと思います。頭が上がれば、手を伸ばそうとするのでボールの手前にヘッドが落ちます。お尻が前に出る人も、お尻と一緒に体も前に出てしまうのでヘッドの通り道がなくなって窮屈な姿勢になる。その結果、リリースが早くなりやすいです」

アイアンスイングの変化について渋野は、
「正直、自分のスイングはよくわからないんですが(笑)、重心が低い姿勢で打てるようになった感覚はあります」

最新の渋野のアイアンショットを見るとトップで右のお尻に乗って、ダウンスイングではお尻が前に出ない姿勢をキープしたままクラブを下ろしている。それがダフリのミスを減らしているのだ。

お尻が前に出ないようにクラブを下ろす!

・トップではアドレスよりお尻が後ろにある。
・ハーフウェイダウンでお尻が前に出るのはNG!

「体が伸び上がらないことを意識しています!」渋野

お尻が前に出ないことで、両腕がスムーズに動く!

インパクト前後でお尻が前に出ないことで体の前にスペースがあり、両腕が伸びたままスムーズに動く。

【渋野×青木 スイング対談】シブコに教えたこと!

渋野 「アイアンって何を教わりましたっけ(笑)」

青木 「それはないだろ(笑)」

渋野 「練習はもちろんやりましたけど、言葉で説明されたことがないので……」

青木 「あえて説明していないだけだからね」

渋野 「スイングが完全に変わった実感はあるんですが、言葉で説明できないんですよね。だって、私、ダウンブローの意味もよくわかっていないので(笑)」

青木 「知らなくて良いんだよ、選手は」

渋野 「頭を抑える練習をしたり、体が伸び上がらないようにしたり、お尻の動きも意識して練習してきましたね。それをやっているうちに、私はスイングが変わったと思います」

青木 「言葉で理解するよりも、体で覚えるしかないから、ゴルフは」

試合後でも遅くまで練習している渋野と青木コーチ。練習の合間にはお菓子を食べてリラックスする場面も。

かかとが早く浮かなければ、体が突っ込まない!

試合後の練習では7番アイアン、5番アイアン、そして超軟らかシャフト(MCIプラクティス)を使って練習することが多い。

「言葉の説明ではなくて、練習を通してアイアンのスイングが変わった」と語る渋野。その練習内容について渋野に聞くと、
「アイアンの練習で一番やっているのは、超軟らかいシャフトを使って打つことです。これも青木コーチから言われた練習法です」

青木コーチはこの超軟らかシャフトについて、
「これはシャフトのしなりを生かして打つことをマスターするための練習です。元々、シブコはアイアンでも硬めのスチールシャフトを使っていたので、しなりが使えていなかったんです。この超軟らかシャフトで上手くボールが打てるようになれば、本番のシャフトでもしなりを使ってインパクトできます。インパクトの瞬間にはシャフトがしなってヘッドが前にある“Cの字”になっていることが大切です。このシャフトの練習は、アマチュアの皆さんには、めちゃめちゃオススメですよ!」

この超軟らかシャフトの練習を渋野は、シーズン中の練習日には必ずやっている。また、10月の試合では青木コーチが渋野の右足を抑えながら練習していた。この効果について青木コーチは、
「右足のカカトを抑えていたのですが、カカトが早く浮いてしまうと、体も腰も前に出てしまう。お尻も前に出てしまうので、それを抑えるためです」

アマチュアにはダウンスイングで右足が浮いてしまうために、体が突っ込んでしまう人が多い。そんな人は、右足カカトを意識するだけで安定したスイングになるはずだ。

「アイアンは毎日超軟らかシャフトで練習しています」渋野

重さは通常のカーボンとほぼ同じでも、超軟らかい!

超軟らかシャフトはフジクラから発売されている『M C Iプラクティスアイアン』。ヘッド部分には本物のアイアンヘッドをつけている。

フルスイングすれば、切り返しで大きくしなる!

超軟らかシャフトで打つときもフルショットで練習している渋野。切り返しでは大きくシャフトがしなっている。

取材協力/長船カントリークラブ

GOLF TODAY本誌 No.571 13~17ページより

【渋野日向子の悩まず打てる絶好調スイング シリーズ一覧】
パッティング編
アプローチ編
アイアン編
フェアウェイウッド編(1/2)
フェアウェイウッド編(2/2)
ドライバー編(1/2)
ドライバー編(2/2)