藤倉コンポジット｜ゴルフシャフトメーカーが最新作に込めた思い

最新作シャフトは誰に向けて開発されたのか、どんな特性を持っているのか？企画開発を通じて製品に込められた思いを聞いた。

シャフト選びの徹底ガイド＆グリップ・カタログ
「QPこと関雅史が最新&人気全142モデルをすべて試打」
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“スペシャル企画”メーカーインタビュー
ニューモデルに込めた思いコンセプト&開発のウラ話

“徹底調査”ツアートレンド
男女トッププロの使用シャフト "長く押せる" "曲がらない"を重要視!?

●ニューモデルに込めた思い。シャフトメーカーインタビュー
Part1：株式会社グラファイトデザイン
Part2：株式会社 シャフトラボ
Part3：藤倉コンポジット株式会社
Part4：三菱ケミカル株式会社
Part5：株式会社 FSTジャパン
Part6：トゥルーテンパー スポーツインク ジャパン
Part7：日本シャフト株式会社

藤倉コンポジット｜スピーダーエボリューション6／スピーダーエボリューション6FW／MCIプラクティスアイアン

新素材効果で当たり負けせず、叩ける

――スピーダーエボリューション（以下エボ）6の特徴について教えてください。

飯田浩治氏（以下、飯田）　2017年に発売したエボ4の後継機種です。エボは偶数が中調子、奇数が先中調子のシャフトですので、こちらも中調子で「叩けるスピーダー」と、うたっています。特徴としては、エボシリーズで初めて繊維同士を編み物のように平織りした「カーボンクロス」という素材を先端部分に採用しました。

――この素材を使うとどんなメリットがあるのですか?

飯田　織物状になっていることで、強度が高くなります。以前、弊社の別モデル「ランバックス」でも使っていましたが、今回のは「70トン」という高弾性のクロス材を先端部分に使用しました。その効果で、大型ヘッドのドライバーでも当たり負けせず、インパクト時のブレを抑えて方向性も良くなり、しっかり叩ける構造になりました。弾き感も感じられ、エネルギー伝達効率にもすぐれているので、出力のコントロールも自在にできます。

――カーボンクロス以外のテクノロジーはありますか?

飯田　エアスピーダーやスピーダーTRで採用していたマルチフープ層ですね。シャフトのつぶれを抑制するフープ層をシャフトの内側と外側にそれぞれ積層した構成にして、つぶれと曲げの強度を向上。シャフトの変形を抑え、スイングの再現性を高め、しなりを適正にします。また、エボ4で採用した高性能中弾性炭素繊維「パイロフィルMR70」を受け継ぎ、スイングに強靭さを与え、叩けるフィーリングをもたらします。エボ4と5で採用したメタルコンポジットテクノロジー「MCT」も搭載して、安定感の高いしなり戻りを継承しました。

――エボ4からの改良点は?

飯田　エボ4も高評価をいただいていましたが、シャフトのハリが強すぎて、「どこがしなっているか感じにくい」「結構、硬い」といった声もあがっていたので、エボ6は真ん中から手元のしなりを感じやすくしています。

――どんな人にいいですか?

飯田　左に行かせたくない人、切り返しでタメが作れない、間がとれない人、切り返しの速い人かな?女子にも人気が高いし、打っていただけると「いい」と思ってもらえる層はかなり幅広いと思います。

「叩ける」というと、ハードヒッター向けのイメージを持たれるかもしれませんが、決してそうではないんです。思い切り振っても曲がらず、振った分だけ飛ぶシャフトということです。また、慣性モーメントが大きい大型ヘッドとも相性がいいので、ぜひ試して欲しいです。

――フェアウェイウッド用もラインナップしているんですね。

飯田　特性的にはドライバー同様ですが、地面から打つことを想定して、少しだけしなりを抑え気味にしたのと、先の強さを増しました。価格も抑えています。

女子ツアーから生まれた練習用アイテム

――ピンクのアイアンシャフトは練習用なんですね。

飯田　MCIプラクティスアイアンという名前の通り、練習用です。元々、女子ツアーで考案されました。6番アイアンの長さで、重さは約70ｇ、振動数は180、バランスはC8。重いのにすごく軟らかいシャフトです。プロたちはこれを、7番や8番アイアンのヘッドで組んだり、人によってはウェッジやパターに入れています。

――これで練習するとどんなメリットがあるのですか?

飯田　まず、打ち急がなくなります。シャフトのしなりを感じながら打て、高い球が打ちやすくなります。これで練習すると、他のクラブで打ってもシャフトがどこでしなっているかわかるようになり、力まずゆったり振れるようになります。

――エボ6もプラクティスアイアンも渋野日向子プロが使っていますね。

飯田　どちらも全英女子オープンで優勝する前から使っていて、メディアにも多く取り上げていただいていたので、かなり注目いただいています。今までエボシリーズを知らなかった方にも知っていただけたので、みなさんにぜひ打ってみていただきたいです。

エネルギーロスが小さく、伝達効率に優れた超高弾性の「70トンカーボンクロス」。

スピーダー エボリューション6

全長印刷によるシルバーと黒のグラデーションを採用したデザイン。女子ツアーでも人気が高く、渋野日向子選手を始め、多くのプロが使用中。

スピーダー エボリューション6 FW

基本的な性能はドライバー用と同じだが、価格を抑えているので、複数本入れやすい利点もある。

MCIプラクティスアイアン

ピンクカラーが目を引くが、重さは70gもある。柔らかいのでしなりを感じやすく、効果的な練習ができる。

Q 2019-2020ニューモデルは？
A
●スピーダーエボリューション6
●スピーダーエボリューション6 ＦＷ
●ＭＣＩプラクティスアイアン

Q セールスポイントは？
A
●スピーダーエボリューション6
当たり負けしないで、インパクト時のブレを抑えて方向性も良くなり、しっかり叩ける。
●スピーダーエボリューション6 ＦＷ
地面から打つことを想定してしなりは少しだけ抑え、ドライバーと同じフィーリングで振れる。
●ＭＣＩプラクティスアイアン
練習後、通常のクラブでもシャフトのしなりを感じられ、打ち急ぎ、力みを防止する。

Q どんな人向け？
A
●スピーダーエボリューション6
幅広いユーザーが思い切り振って曲がらず飛ばせる。特に左に行かせたくない方、切り返しが速い方。
●スピーダーエボリューション6 ＦＷ
フェアウェイウッドにもドライバーと同じフィーリングを求め、揃えたい方。
●ＭＣＩプラクティスアイアン
打ち急ぎがちな方。スイングリズムを整えたい方。

Q どこで試せる？
A
全国のショップ。各地で行われている試打会。中野、木場、藤沢、名古屋、大阪にあるフジクラゴルフクラブ相談室など。詳細はＨＰをご覧ください。

お問い合せ
http://www.fujikurashaft.jp

別冊GOLFTODAY シャフト選びの徹底ガイド＆グリップ・カタログ 16〜17ページより