ナイスショットとはタイミングが合ったショット
では、まずは、ナイスショットするための動き=スイングの話に移っていきましょう。ナイスショットした時は、あ、タイミングが合った!と感じる時が多いのではないでしょうか?
そうなんです、このタイミングが合ったショットというのを考えて行くと、実は理想のスイングというのが見えてくると考えています。
もっと言うと、ナイスショットはインパクトのタイミングがあった時、ですよね?
バシッと当たった時の爽快感は良いものですし、その時同時に、感じていることがあると思います。それは、体にも負担が少なかった、と感じてはいませんでしょうか?
そうなんです。インパクトのタイミングが合ったということは、つまりは体自体の動き=スイングもスムーズに無理のない動きができた、ということになるわけです。
フィッターの立場からすれば、スイングを外からしか見ていないわけですが、ナイスショットされたときは、無駄な動きが少なかったな~と感じる時でもあります。
ということで、ここでは、理想のスイングとは、はたから見ていても無駄な動きが少ない動きである! と定義してみましょう。
では、それはどうやったらできるのでしょうか?
実は、人の所作で、無駄な動きがない時というのは、体のパーツパーツを順序良く動かしたときに、そういう風になりやすいと考えています。
たとえば、舞踊などで、小手先だけではなく、体がしっかり使えた上で、指先までしっかりと動いている時は非常にきれいに見えるもので、逆に、手だけを無理やり振ったりしていると、その動きはぎこちないものになりがちです。
つまり、人間の体には、動かす順番というものがあり、その順番通りに動かすことができると、無駄のない動きに見える、ということになると考えています。
人間の体というのは非常に複雑で、関節は無数にありますし、その一つ一つが動かせる範囲や方向というものは決まっています。
また、それを個別に動かそうとしても、なかなか、意図した方向には動かすのは難しいでしょう。
1連の1つの動きとして全体としてコントロールすることで、ようやく一つの思った方向への動きとなるわけです。
たとえば、ゴルフスイングでも、小手先だけを動かしてクラブを動かそうとしても、実際には、手首も動かさなければ動きませんし、その元である腕やヒジ、そして、肩も動かさなければならないでしょう。
そして、その肩を動かすためには、胸も、そして腰もとなり、最終的には下半身も動かしていかないといけないでしょう。
つまりは、小手先一つ使うにしても、下半身からしっかり動かしだして、その力を末端まで順序良く伝えることが必要になってくると、考えていただけると嬉しいです。
なので、下半身を動かさず、上半身を求めて、小手先だけで動かそうとすると、どうしてもゴツゴツとした動きになりやすく、逆に小手先を動かすにしても、下半身からしっかり動かしていった方が、スムーズに動きやすく、外から見ていても、無駄のない動きに見えるということになります。
では、その動きはどのように作り上げていったらよいのでしょうか?
目標に向かって打とうとすれば自然な動きになる
じつは、人間には、その能力も具わっていると考えています。
上述しましたように、ターゲットに向かって、打とうとすれば、その距離や方向に応じて出力を変えることができるのが人間に備わっている能力です。なので、それをいかんなく発揮できるように準備すればよいということになります。
その準備とは何でしょう?
その前に、まずは、一つ大事なことを付け加えさせていただきます。それは、ゴルフのショットは、全て物理現象であるということです。つまり、ヘッドがボールにぶつかって、その衝突時に起こった現象によって、ボールが飛んでいき、その物理現象の結果で、飛んだり、曲がったり、上がったり、止まったりするということになるわけです。
なので、ここは、まずは、そのインパクトで起こっている衝突、インパクトの条件をイメージすることが重要になってきます。
良く卓球を想像していただくのですが面とボールの関係性で、ボールがどのように飛んでいくのか、というのをイメージできるようになってもらえると嬉しいです。
で、そのイメージが固まってくれば来るほど、そのイメージに対して、どう体を動かていてっていいかもイメージできるようになります。そのイメージができるようになれば、体が理想通りに、順序良く動くということが起こるわけです。
つまりは、ここは逆算していただくのが一番いいです。
- 打ちたい球筋をまずはイメージしましょう
- そしてその球筋に必要なインパクトの条件(現象)をイメージしましょう。クラブヘッドがどのようにボールに衝突するのが良いのか? ということですね!
- そして、そのインパクトをするには?クラブヘッドがどのように動いてくのか?というのをイメージしてみましょう。
- そうすると、そのイメージに向かって体が自然に動いてくるようになります!
人間は本来、その目的に合わせて身体を動かす能力を持っています。つまりは、理想のスイングとは、形を先に作ることではありません。
狙った球を打つという目的に対して身体が動いた結果として、自然な形として生まれるものなのです。それが、効率よく動いたスイングであるということになります。多くの場合、身体は以下の順序で動いています。
- 下半身が動く
- その動きが腰を捻転させ⇒胸⇒肩⇒腕⇒肘⇒手と伝わり
- 最後にクラブに伝わります。
こうすることで、無駄なく、効率よく力がつたわりやすいのです!
人間はロボットではありませんから、スイッチを押せば、決められた動きができるわけではありません。身体の細かい各部分が連動して動くことで、本来持っている力を効率よく発揮することができます。
この順序を飛ばして、一部分だけを使おうとすると、本来持っている能力を発揮しにくくなります。もちろん、腕だけを使って打てる人もいます。下半身をあまり使わなくても打てる人もいます。
しかし、人間が本来持っている力を効率よく発揮するなら、身体全体が順序よく動くことが重要です。
そして、そのように自然に動けた時、スイングはよどみなく、スムーズになります。プロのスイングが力みなく見えるのは、力がないからではありません。身体が自然な順序で動き、その力が効率よくクラブへ伝わっているからです。
タイミングは作るものではない
そして、効率よく身体が順序よく動けば、その人本来のタイミングが合いやすくなります。なので、タイミングというのは作るものではありません。良い動きの結果として現れるものだと考えています。
つまり、理想のスイングとは、人間が本来持っている能力を発揮し、身体が順序よく動き、そこから生まれた力がクラブへ伝わる、ということだと考えています。これが、僕が長年のフィッティングの現場で気づいたことです。
ここまでは抽象的な話が多いので、次回からは、この理想の動き、を目指すにあたり、それを阻害するもの、逆にやりやすいもの、つまりはゴルフクラブはどうあるべきか?というお話に移らせていただきます。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。













