残り200ヤードを4Uでカップイン!!
桑木は4打差の6位で迎えた最終日を「ショットとパットが修正できればビッグスコアは出せると思うので、優勝めざして頑張ります」と前日に話していました。
“ビッグスコア”を有言実行させたのが2番パー5でした。

左ラフからの残り200ヤードを4Uで打ったショットはグリーン手前のラフに落ちてほどよく球の勢いが弱まり、フロントエッジから18ヤードの位置に切られたカップにそのまま転がり込みました。
ツアー史上12人(13回)しか達成されていない快挙に本人はバンザイして小躍り。キャディーや同伴競技者と歓喜のハイタッチを交わしました。
2番パー5は2打目地点からほぼ直角に右にドッグレッグするレイアウトです。
最終日の平均スコアが4.5385で難易度が最も低くなったホールでいかにいいスコアを出すか。ティショットをどこに置いて、2打目をどう打つかが優勝争いの序盤のカギになる。
そう予測した筆者は、最終組のひとつ前で回った桑木の組からドッグレッグのコーナー付近で待機。桑木の歴史的快挙を目の前で目撃するという幸運に恵まれました。
「ブリヂストンレディス」は16番パー5に賞金100万円の「イーグル賞」が設定されていましたが、アルバトロスは想定されていませんでした。
11年間、400試合近く達成者なし
11年間、400試合近くにわたって達成者がいなかったのですから無理もないことですが、この快挙を称えないわけにはいきません。
ちなみにイーグルやホールインワン達成者を表彰する「○○賞」は各大会が独自に制定するものなので、日本女子プロゴルフ協会にも過去の実績の詳細は公式の記録として残されていません。
高額な「アルバトロス賞」が設定されることもありますが、達成された形跡はなし。
判明した範囲では「賞金10万円」「冠スポンサーの自社製品」などが贈られた実績があるぐらいでした。
いずれも達成者が出てから急きょ決められたと思われるもの。
「ブリヂストンレディス」も「アルバトロス賞」は事前に設定されていませんでしたが、急きょ「イーグル賞」と同額の100万円が贈られることに。
表彰式の式次第にも手書きで追加されていたことからも、いかにドタバタだったかがうかがえますが桑木は「アルバトロス賞を頂けるとは思っていなかったので、嬉しいです。『全米女子オープン』の遠征費のプラスにできますね」と笑顔で話していました。
アマチュアも参考にできる、アルバトロスにつながった桑木のマネジメントとは
歴史的1打を打つにあたってのマネジメントはアマチュアも参考にできるものがありました。
2番ホールのホールロケーションは奥行き22ヤードのグリーンの、フロントエッジから18ヤードでした。カップをオーバーすると下り傾斜で、その先にはバンカーが。ここに入れると寄せワンは難しく、伸ばしたいホールでパーを取るのが精一杯になってしまいます。
そのため桑木は2打目を打つ前に「グリーン手前のバンカーでもいい」と考えました。
この“保険”通りにグリーン手前のラフに着弾したボールがカップに吸い込まれてツアー史上12人目の快挙となりました。
ラフから200ヤードのショットをグリーンにピタリと止めるのは女子プロでもほぼ不可能です。
アマチュアにありがちなカップしか見ていない。カップまでの距離しか見ていない、ではオーバーしてバーディーを取れるかどうか、となっていたかもしれません。
「手前から攻める」「○○でもいい、と保険をかける」のは、やはり好スコアへの必須条件だといえそうです。
アルバトロスの難易度はホールインワンの199倍!!
アルバトロスはホールインワンよりも難しい、と言われます。
データを見ても2015年の渡邉以降、日本女子ツアーでは199回のホールインワンが出ていますから、その難易度の違いは一目瞭然です。
達成するのはホールインワン以上に夢のまた夢でも、歴史的1打につながったマネジメントを真似することで少しでもいいスコアに結びつけたいものです。
(取材・文/森伊知郎)



















