上下、左右、前後を分離してバランスをキープする|ゴルフ新理論「グラビティメソッド」
カラダが喜ぶ、グラビティメソッド Season2 第4回
スイング中の重心を整え、再現性を高める「グラビティメソッド」。
基礎編を終え、いよいよ今月から実践編がスタート!
大本研太郎
(おおもと・けんたろう)
レッシュプロジェクト・マスター級トレーナー資格を所持し、データと理論に基づくレッスンに定評がある。新理論「グラビティメソッド」で、2018年PGAティーチングアワード最優秀賞。「GPC恵比寿」主宰。1974年生まれ。
上下、左右、前後を分離してバランスをキープする
スイング(動きの)中にバランスを取るには、カラダの分離動作が重要となる。
バスケットボールのフェイダウェイシュートを例に、カラダの正しい使い方を学ぼう。
【フェイダウェイシュートとは?】
バスケットボールのジャンプシュートの一種。相手ディフェンスを交わすため後ろにジャンプしながら、前方にシュートする技。
左右の分離
ボールを持つ右手(利き手)は伸び、添えている左手はやや引いていて、左右の腕が同じ方向に動いてはいない。
前後の分離
前方向に向かうシュートする動きに対して、ディフェンスを避けるために後ろにジャンプする動きがカウンターとなり、力が拮抗することでバランスの取れたシュート姿勢になる。
上下の分離
バランスを取るためには、上半身と下半身を分離して動かしたい。ゴルフでは下半身の土台の上で、上半身を回転させる動きがそれだ。
カラダの分離ができないと、スイングのバランスは崩れる
前回は、“グーチョキパードリル”で、カラダの左右が分離して動くことを紹介しました。前々回の、“かめはめ波ドリル”は、上半身と下半身が分離する動きでした。分離とはわかりにくい表現ですが、簡単に言えば別の動きをすること。スイング中のバランスを保つためには、カラダの左右、上下、前後をそれぞれ分離して動かす必要があります。
ほとんどのゴルファーは、上半身と下半身や右手と左手が同一方向に動いていて、バランスを崩しています。同一方向に動くと動きが大きくなりやすく、スエーも起きやすくなります。分離することでカウンターを入れ、コンパクトでありながら、スイングによりパワーを生み出し、再現性も高めることができるのです。
多くのスポーツでもこうしたカラダの分離動作はよく見られます。バスケットボールのフェイダウェイシュートは、左右、上下、前後を分離して動かしている好例です。運動が苦手な人ほど、両腕・両ヒザが揃いやすく、カラダが同一方向に動きがちです。少しずつ分離して動かせるように練習しましょう。
カラダが分離して動けば、コンパクトでパワフルなスイングになる!
上下の分離
-
上半身と下半身が分離せずに同一方向に動くと、スエーしやすく、パワーが生まれない。
-
下半身の土台はあまり動かず、その上で上半身が大きく捻転され、上下の分離が出来ているバックスング。コンパクトながら捻転差が大きい。
左右の分離
-
左手と右手が同じ方向の動きをすると、バランスを崩しやすいだけでなく、手打ちになりやすい。
-
左手は下方向、右手は上方向に動き、テコを使ってクラブを操れる状態。ダウンスイング以降では逆に、左手は上方向、右手が下方向に動くことでヘッドが走る。
前後の分離
-
後ろ方向のカウンターの力が入らないと、バランスを崩して、前のめりになったり、のけぞったりしやすいし、ヘッドも走らない。
-
ダウンスイングでは前方向に力が加わる。クラブの大きなエネルギーに対抗するため、カラダは後ろ方向のカウンターの力を入れて、拮抗させる。
写真/Getty Images
GOLF TODAY本誌 No.568 78〜79ページより
【シリーズ一覧】カラダが喜ぶ、グラビティメソッド ―Season2―
●第1回 “杉原輝雄ドリル”で究極の安定を体感する!
●第2回 “かめはめ波ドリル”で飛距離アップ!
●第3回 “グーチョキパードリル”でクラブの使い方を習得する!
●第4回 上下、左右、前後を分離してバランスをキープする
●第5回 トッププロのスイングから上下、左右、前後の分離を学ぶ
●第6回 基本はパッティングにあり!ゴルフクラブの特性を理解する
●第7回 ゴルフは三次元振り子フェースは自然に開閉する
●第8回 クラブの特性を理解して、「閉→開→閉」をマスターする
●第9回 クラブの「テコ」が使えると、ゴルフは簡単になる
●第10回 ダウンスイングの「テコ」がヘッドを走らせる!
●第11回 ヘッドを加速させるには、右手の「引き」が必要!
●第12回 自然で再現性の高いスイング
←Season1へ