クラブを替えてスコアアップしたいなら、一流女子プロのセッティングに学ぼう
Q:下記の写真12枚はどの選手のクラブでしょうか?
下の12名から選ぼう!※答えは最後。
2022年に大活躍した選手のセッティングは、ウッド5本が新定番
年間女王となった山下美夢有を筆頭に、2022年のポイントランキングでトップ10に入った選手を見ると、ウッド5本のセッティングがスタンダードになっていた。
プロが使える5Uが増えた
20歳で年間女王になった山下から、37歳のベテラン藤田さいきまで、メルセデス・ポイントランキングで上位になった選手を見るとある共通点があった。
それはフェアウェイウッド2本、ユーティリティ2本、そしてドライバー1本というウッド5本のセッティングになっていること。その理由についてQPさんこと関雅史に話を聞くと、
「3番、5番ウッドを入れるのは昔から変わりませんが、最近は4U、5Uの2本を入れる選手が増えました。その理由として、昔の5Uだと打球が上がりすぎて、つかまりすぎる傾向があったのですが、最近の5Uはつかまり過ぎを抑えつつ、強い打球が打てるようになりました。だから、女子プロが試合で使うようになったと思います」
海外メーカーのユーティリティはツアープロが使うことを前提に設計したモデルも増えた。そう考えると、競技ゴルファーが4U、5Uを使うのもアリだろう。
山下美夢有
●やました・みゆう/2001年8月2日生まれ、大阪府出身。
2021年に初優勝、2022年は年間5勝を挙げて、最年少で年間女王のタイトルを獲得。加賀電子所属。
昨年9月に新ウッドで優勝
昨年9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」からドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティのウッド5本を全て新モデルにチェンジすると、いきなりコースレコードで優勝。
- 1W:スリクソンZX5 MkⅡ(ロフト/8.5度 シャフト/スピーダーNXグリーン50-SR)
- 3W、5W:スリクソンZXプロト(ロフト/15度、18度 シャフト/スピーダーNXグリーン50-SR)
- U4、U5:スリクソンZX(ロフト/22度、25度 シャフト/スピーダーTRハイブリッド-75S)
- 6I-PW:スリクソンZX5(シャフト/ダイナミックゴールド85-R300)
- 48度、52度、58度:クリーブランドRTX ZIPCORE(シャフト/ダイナミックゴールド95-R300)
- パター:リアライズ スクワッドプロトタイプ
菅沼菜々
●すがぬま・なな/2000年2月10日生まれ、東京都出身。
2022年シーズンは優勝ゼロで、メルセデス・ランキング8位に入った。あいおいニッセイ同和損保所属。
ウッドもアイアンも『ゼクシオエックス』
ダンロップの契約選手は『スリクソン』を使う選手が多いが、菅沼はウッドもアイアンも『ゼクシオエックス』。ウッド系については「3番ウッドでも打球が上がってくれるのが良いです」と語っている。
- 1W:ゼクシオ エックスツアー(ロフト/8.5度 シャフト/テンセイプロホワイト1K50-S)
- 4W、7W:ゼクシオ エックス(ロフト/16.5度、20度 シャフト/テンセイプロホワイト1K50-S)
- 5U、6U:ゼクシオ エックス(ロフト/23度、26度 シャフト/テンセイCKプロオレンジハイブリッド60-S)
- 6I-PW:ゼクシオエックス(シャフト/N.S.プロ ゼロス8-S)
- 48度、52度、56度:クリーブランドRTX ZIPCORE(シャフト/N.S.プロ850GH-S)
- パター:ピン TYNE C センター
藤田さいき
●ふじた・さいき/1985年11月22日生まれ、栃木県出身。
2022年は11年振りの優勝を達成。37歳でも平均飛距離は250ヤード(8位)。チェリーゴルフ所属。
契約フリーでもすぐに『G430』投入
クラブ契約フリーの藤田さいきだが、解禁直後からピンの『G430』を投入して約1ヶ月後には11年振りの優勝を飾った。FW、UTはヤマハの『RMXシリーズ』で統一。
- 1W:G430 MAX(ロフト/9度 シャフト/N.S.プロ レジオフォーミュラMBプラス-S55)
- 3W、5W:RMX VD(ロフト/15度、18度 シャフト/N.S.プロ レジオフォーミュラMBプラス-S55)
- 4U、5U:RMX VD(ロフト/22度、25度 シャフト/N.S.プロ プロトタイプ)
- 5I-PW:i230(シャフト/N.S.プロ 950GH neo)
- 50度、54度、58度:ジョーズ RAW(シャフト/N.S.プロ モーダス3 105)
- パター:オデッセイ ホワイト・ホットOG ロッシーS
小祝さくら
●こいわい・さくら/1998年4月15日生まれ、北海道出身。
通算8勝をマークし、2019年シーズンから4年連続で優勝している。ニトリ所属。
ユーティリティは2018年モデル
ドライバー、フェアウェイウッドは2022年の11月に発売された新モデルを使っているが、ユーティリティだけは2018年モデルを使い続けている。小祝にとって手放せない名器のようだ。
- 1W:スリクソンZX7 MkⅡ(ロフト/9.5度 シャフト/ディアマナZF50-S)
- 3W、5W:スリクソンZX MKⅡ(ロフト/15度、18度 シャフト/ディアマナZF50-S)
- 4U、5U:スリクソンZ H85(ロフト/19度、22度 シャフト/ディアマナサンプh90-S)
- 5I-7I:スリクソンZ585(シャフト/ダイナミックゴールド85-S200)
- 8I-PW:スリクソンZX7(シャフト/ダイナミックゴールド85-S200)
- 48度、50度、58度:クリーブランド RTX-3(シャフト/ダイナミックゴールド85-S200)
- パター:オデッセイ トリプルトラック・テン
250ヤード飛ばす女子プロでもシャフトはほぼ5S
女子プロのセッティングで参考になるのはシャフトのスペック。アマチュアだと『6S』を使っている人も多いが、実は…。
230ヤードで『6S』のアマチュアは、飛距離をロスしている!?
昨年の年間平均飛距離だと原英莉花が255ヤード、勝みなみが253ヤードだったが、それでも彼女達はドライバーで50グラム台のSシャフトを使っている。
その理由について関雅史は…
「アマチュアの皆さんは250ヤードが『5S』というとアンダースペックに思われるかもしれませんが、そもそもカスタムシャフトの『5S』は純正シャフトの『5S』に比べると1段階以上は硬いですし、50グラム台と言っても50グラム台の後半になっています。
そう考えると250ヤード飛ぶ選手のスペックとしては適正です。むしろ、アマチュアの皆さんで230ヤード前後の飛距離でカスタムシャフトの『6S』とかを使っている人は『5S』にする方が間違いなく飛距離は伸びると思います」
上田桃子
●うえだ・ももこ/1986年6月15日生まれ、熊本県出身。
日本ツアー16勝を誇り、22年シーズンは11試合でトップ10入り。ZOZO所属。
プロ入り18年目で初のシャフトチェンジ
上田桃子はプロ転向から18年間、グラファイトデザインのシャフトを使い続けていたが、2022年シーズンの後半から初めてフジクラのシャフトを使用。それが新モデルの『ベンタス TR RED』。
- ドライバー:エピックスピードトリプルダイヤモンドDS(ロフト/10.5度シャフト/ベンタス TRレッド5-S)
- 3W:X HOTプロ(ロフト/15度、18度 シャフト/ツアーAD PT6-SR)
- UT:タイトリスト816 H1(ロフト/23度)
- 5I:APEX DCB(ロフト/23度)
- 6I-PW:APEX(シャフト/N.S.プロ950GH-SR)
- 50度、54度:Xフォージド(ロフト/50度、54度)
- 60度:ジョーズ
- パター:オデッセイ TRI-HOT 5Kダブルワイド
勝みなみ
●かつ・みなみ/1998年7月1日生まれ、鹿児島県出身。
22年シーズンは「日本女子オープン」で2連覇を達成。23年は米国ツアーに挑戦。明治安田生命所属。
勝はディアマナ派!昨年6月に新モデルへ
長年、ドライバーは『ディアマナシリーズ』を使っている勝。昨年6月からは新モデルの『ディアマナGT』を投入して、10月の「日本オープン」では2連覇を達成。
- ドライバー:スリクソンZX7 MkⅡ(ロフト/9.5度 シャフト/ディアマナGT50-S)
- 3W:プロギアRS(ロフト/15度 シャフト/ディアマナPD50-S)
- 5W:スリクソンZX(ロフト/18度)
- 4U:スリクソンZX(ロフト/22度)
- 5I~PW:スリクソンZX7(シャフト/N.S.プロ950GH neo)
- 50、54、58度:クリーブランドRTX ZIPCORE
- パター:オデッセイ オー・ワークスパター♯1
原英莉花
●はら・えりか/1999年2月15日生まれ、神奈川県出身。
高校生の頃にジャンボ尾崎に弟子入り。日本ツアーではメジャー2勝を含む計4勝。NIPPON EXPRESSホールディングス所属。
軽量ヘッドに『5S』のシャフト
平均飛距離は2021年が1位、2022年が3位の原英莉花。それでもドライバーのシャフトは50グラム台のS。ヘッドは軽量タイプの『ローグSTマックスファスト』を使用。
- ドライバー:ローグST MAXファスト(ロフト/9.5度 シャフト/ツアーAD GP5-S)
- 3W:RMX VD(ロフト/15度 シャフト/ツアーAD IZ6-S)
- 5W:エピックスピード トリプルダイヤモンド(ロフト/18度 シャフト/ツアーAD IZ-6S)
- 5I-PW:Xフォージド(シャフト/N.S.PRO850GH neo)
- 46度、52度、55度、58度:ジョーズフォージド(シャフト/N.S.PRO950GH neo)
- パター:オデッセイ トゥーロン サンディエゴ
渡邊彩香
●わたなべ・あやか/1993年9月19日生まれ、静岡県出身。
22年シーズンは「ほけんの窓口レディース」で通算5勝目をマークした。大東建託所属。
セッティングもスペックも男前!
ユーティリティを1本も入れずに、4番アイアンを使っている渡邊彩香は男子プロのようなセッティング。ドライバーのシャフトも数少ない「6X」派。
- ドライバー:ブリヂストン B2(ロフト/9.5度 シャフト/ツアーAD DI6-X)
- 3W、5W:ブリヂストン ツアーB XD-F(ロフト/15度、18度 シャフト/ツアーAD DI6-S)
- 4I-PW:ブリヂストン 221CB(シャフト/N.S.プロモーダス3ツアー105-S)
- 48度、54度、58度:ブリヂストン ツアーB BRM(シャフト/N.S.プロモーダス3ツアー125-S)
- パター:オデッセイ トゥーロン サンディエゴ
飛距離が出ない選手には7番ウッドが最高の相棒!
女子プロでは3番、5番ウッドを使っている選手が多数派だが、一部の選手はその下に7番を入れている。そのメリットは?
低スピン化により7番ウッドでも吹け上がらない
昨年、復活優勝した金田久美子や西村優菜は7番ウッドを上手く活用してます。
その利点を関雅史に聞くと…
「7番ウッドは、アイアンはもちろんユーティリティと比べても高さが出しやすいので、パワーがない選手でも高さによってグリーンで止めることができます。
また最近の7番ウッドは低スピン化されてきたので、吹け上がったり、ヒッカケのミスが出なくなってきています。だから男子プロでもフェアウェイウッドを4番、7番にする選手が増えてきています」
西村優菜
●にしむら・ゆな/2000年8月4日生まれ、大阪府出身。
2022年は賞金ランキング2位となり、2023年は米国ツアーに挑戦。スターツ所属。
7Wの下には9Wと6Uも
ドライバーの平均飛距離が231ヤードの西村は7番ウッドの下に9番ウッド、さらに6番ユーティリティを入れるセッティングで、24歳ですでに通算6勝を挙げている。
- ドライバー:エピックスピード(ロフト/9度 シャフト/スピーダーNX50)
- 3W:XR(ロフト/15度 シャフト/スピーダーNX50)
- 5W:エピックスピード(ロフト/18度 シャフト/スピーダーNX50)
- 7W:グレートビッグバーサ(ロフト/21度 シャフト/スピーダー569 エボⅢ)
- 9W:グレートビッグバーサ(ロフト/24度 シャフト/スピーダー569 エボⅢ)9W:グレートビッグバーサ(ロフト/24度 シャフト/スピーダー569 エボⅢ)
- 6U:エピックスター(シャフト/フジクラMCH60)
- 6I-PW:Xフォージドスター(シャフト/フジクラMCI70-R)
- 52度、58度:ジョーズRAW(シャフト/フジクラMCI80-S)
- パター:オデッセイ ホワイト・ホットOG ♯7S
金田久美子
●かねだ・くみこ/1989年8月14日生まれ、愛知県出身。
一度はシード落ちするほどのスランプだったが、2022年は11年振りにツアー優勝を飾った。スタンレー電気所属。
アイアンは8番から!
金田久美子は11年振りに復活優勝した試合でも7番ウッドの下にユーティリティを3本入れて、アイアンを8番からにするセッティング。本人も「昔からとにかく、やさしいクラブを使う」とコメント。
- ドライバー:ローグSTトリプルダイヤモンド(ロフト/10.5度 シャフト/ツアーAD XC5-S)
- 3W:RMX VD(ロフト/15度 シャフト/ツアーAD UB-5-S)
- 5W、7W:ローグST MAX(ロフト/18度、21度 シャフト/ツアーAD XC5-S)
- 4U、5U、6U:スリクソンZX(ロフト/22度、25度、28度 シャフト/ツアーAD U65-R)
- 8I-PW:ステルスグローレ(シャフト/N.Sプロ850GH-S)
- 46度、52度、58度:フォーティーン RM4(シャフト/N.Sプロ850GH-R)
- パター:オデッセイ ホワイトホットOG 2Ballブレード
川﨑春花
●かわさき・はるか/2003年5月1日生まれ、京都府出身。
ルーキーイヤーの2022年に19歳で国内メジャー優勝を達成。村田製作所所属。
アベレージゴルファーに人気の『グローレ』を使用
19歳で年間2勝をマークした川﨑春花はドライバーから7番ウッド、さらに2本のユーティリティをアベレージゴルファーに人気の『SIMグローレ』にしている。
- 1W:SIMグローレ(ロフト10.5度 シャフト/イミドアンドサンズ)
- 3W、5W、7W:SIMグローレ(ロフト15度、18度、21度、23度 シャフト/アッタスMB-FW)
- 5U、6U:SIMグローレ(ロフト23度、26度 シャフト/シンカグラファイトLOOPハイブリッド70-S)
- 6I-PW:ミズノプロ719アイアン(シャフト/シンカグラファイト レクスタ-IL7)
- 48度、52度、58度:ジョーズRAW(シャフト/N.S.プロ850-R)
- パター:オデッセイ トゥーロン サンディエゴ
堀琴音
●ほり・ことね/1996年3月3日生まれ、徳島県出身。
2021年、2022年と2年連続で優勝。ダイセル所属。
4メーカーのウッドを混合
ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティで計4メーカーのウッドをミックスしている堀。昨年は優勝した試合でもテーラーメイドの7番ウッドを使っていた。
- ドライバー:エピックスピードトリプルダイヤモンド(ロフト/10.5度 シャフト/グラファイトデザインツアーAD HD-5-S)
- 3W:RS(ロフト/15度 シャフト/グラファイトデザイン・ツアーAD HD-5-S)
- 5W:ブリヂストン ツアーB X-F(ロフト/18度 シャフト/グラファイトデザイン・ツアーAD HD-5-S)
- 7W:SIM2 MAX(ロフト/21度シャフト/グラファイトデザイン・ツアーAD HD-5-S)
- 5U、6U:ステルス(ロフト/25度、28度 シャフト/フジクラMCH-60)
- 6I-PW:ブリヂストン ツアーB X-CB(シャフト/フジクラMCI-80-R)
- 51度、58度:ジューシーtT Bソール(シャフト/N.S.プロ950GH-R)
- パター:オデッセイ ホワイトホットOG 2-BALLブレード
【答え】
①山下美夢有 ②金田久美子 ③西村優菜 ④藤田さいき ⑤堀琴音 ⑥菅沼菜々 ⑦ 川﨑春花 ⑧上田桃子 ⑨勝みなみ ⑩小祝さくら ⑪原英莉花 ⑫渡邊彩香
※この企画は練習日に撮影したもので、15本以上のクラブが入っている選手もいます。
解説:関 雅史
PGAティーチングプロA級の資格をもつクラフトマンとして、都内にある「ゴルフフィールズ」の店長をつとめている。女子ツアーで活躍する岩橋里衣のコーチでもあり、“QPさん”の愛称でおなじみの人気プロ。




