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「バンカー専用ウェッジ」を使えば絶対脱出できるのか? 肝心なのはダフらせること!

吉本巧のゴルフギア教室 第18回

2024/06/09 ゴルフサプリ編集部

毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大失敗! という話もよく耳にする。安い買い物ではないだけに、セレクトミスは絶対避けたいところだ。こんな状況で役に立つのは正しい知識。道具はもちろんゴルフのテクニックについて正しく理解していれば惑わされない。ということで生まれた、ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説する企画。
写真/ゴルフサプリ編集部

バンカー専用ウェッジはオープンに構えるのが苦手な人のためのウェッジ

アベレージゴルファーにとってバンカーは鬼門のひとつ。バンカーに入れただけでラウンドが暗転することもよくあります。そんな目に遭うたび気になるのがバンカー専用ウェッジ。「絶対出るなら1本持っておこうかなぁ」と食指が動きますよね。そこで今回はバンカー専用ウェッジおよびバンカーショットについて考えたいと思います。

まず、バンカー専用ウェッジとはどんなクラブなのでしょう? 結論から言うと、オープンに構えるのが苦手な人のためのウェッジです。

バンカーショットでは「バウンスを使う」といいますが、バウンスを使うには、それに応じた構えができないといけません。通常のショットでは飛球線に対してスクエアに立ち、フェース面もスクエアにセットして構えますが、バンカーショットでは、飛球線に対してフェース面をオープンにし、スタンスラインを左に向けて立ちます。こうしてスタンスラインに沿って左に振り抜きますが、フェース面は開いているので両者が相殺されボールは目標方向に飛びます。

サンドウェッジ(以下SW)はフェースを開くことでバウンスが出てきて「バンスが使える」状態になります。なぜバンカーでバウンスを出す必要があるかについては後述しますが、実はバンカーが苦手な方のほとんどは、この構えができていません。「フェースを開いて右に向ける/オープンに立って左を向く/ボール位置を決める」という3つの要素を整えなければならないのですが、この3つのハードルが思った以上に高いんです。

オノフ,ウェッジ
「オノフ ウェッジ フロッグスリープ」お助け系ウェッジだが高い人気を誇り、バンカーを苦手とするゴルファーを助けている様子。売れた理由にはデザインの良さもあるのかも。

しかし、これらを整えないことにはバウンスが使えません。それを解決すべく出現したのがバンカー専用ウェッジというわけ。フェースを開かなくても、オープンに構えなくても、最初からロフトが60度くらいあり、なおかつバンスも出ています。打つ前に考えることはヘッドを落とす場所だけですから、正しく構えられない人には合うはず。アドレスできない人が、バウンスを使いやすくするための武器という感じでしょう。

ということで、それなりに武器になりそうなバンカー専用ウェッジですが、その割には普及していません。理由はカッコ悪いと思われるのがイヤという見栄の部分と、クラブによって構えの3要素はカバーできても、4つめの打つことができないため。それゆえ救世主になりきれないのです。

バンカーが打てない1番の原因は?

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