80台スコアは前半ハーフ42を目指せ! ティショットは飛ばしを捨ててフェアウエイキープが絶対条件
吉本巧のゴルフギア教室 第69回

スコア80台を出すことを目標とするなら、計画的なゴルフが必要だと言う吉本巧プロコーチ。キーとなる数字は「42」、前半のハーフを「42」で回ることが条件となると言う。詳しく解説してもらおう。
9ホールを3ホールずつ3つに分け、3つをそれぞれ2オーバーで回る
90切りが目標なら前半のハーフで42を目指しましょう。なぜ42かというと、90切りの人にとって30台はハードルが高すぎ。かといって45ではちょっと危うく、前後半でスコアが揃っても90は切れません。その点42は双方の真ん中に位置する数字。前半を42でラウンドできる日なら後半47はイケそうな気がしてランチも美味しくいただけます。貯金が多すぎず、適度なプレッシャーもあるいい頃合いの数字なのです。
理由はそれだけではありません。私はアマチュアの方に9ホールを3ホールずつ3つに分けてプレーするようすすめています。ハーフを3つのブロックで考え、小さな目標に対して成功体験を積み重ねる。必ずしも3ホールではないかもしれませんが、スコアメイクがうまい人の多くは、こういった考え方のもとでプレーしているものです。
さらに詳しく説明しましょう。ブロック(3ホール)それぞれの目標は2オーバーです。3ブロック(9ホール)で6オーバー。これでハーフ42になります。2オーバーの内訳はボギー2つにパー1つが基本です。みなさんがプレーするコースの場合、9ホール中3ホールは難しく、3ホールくらいはやさしい傾向にあるからです。
難しく感じる人もいるかもしれませんが、キモは闇雲に42を狙わないこと。トータルスコアを目標にするとバーディを取りに行くなど無茶をするので、それを防ぐための方策です。
もちろん行き当たりばったりでボギー2つにパー1つというわけにはいきませんから、9ホール中、どこでパーを取るかをあらかじめ決めておきます。得意なホール、距離が短いホール、フェアウェイが広いなど、自分にとってやさしいと思われるホールを選びましょう。逆に難しいホールを選び、それ以外のホールでパーを狙っても構いません。初めてのコースならシンプルに距離の長さで決めてもいいでしょう。例外はありますが、傾向的にはパー5がパーオンチャレンジのホールになるケースが多くなります。
残りの2ホールはボギーオンに徹しますが、距離が長い、ハザードが多いなど、特に難易度が高そうなホールは、同じボギーオン狙いでもグリーンの30~50ヤード手前にレイアップします。なぜならこのエリアに刻むプレーヤーが意外と少ないから。ディボット跡など不確定要素が少なく、比較的ライがいいセーフゾーンになっていることが多いのです。

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さて、ここまで見てくるとダボ以上が許されないことに気づきます。確かにハードルは高いかもしれませんが、ここは死守したいところなので、ダボを打たないコツにも触れておきましょう。
ポイントは2つあります。ダボの主因はティショットがOBやハザードにつかまることですが、ラウンドのメインはボギーオンですからティショットで飛ばす必要はありません。すなわち方向性重視のショットでフェアウェイをキープすることが至上命題となります。やり方は問いませんが、なりふり構わずフェアウェイキープ、もしくはグリーン方向に次打が打てるエリアにティショットを運ぶ。“飛ばしは捨てる”が42のゴルフと心得てください。
また、2打目以降がOBやハザードにつかまった場合も絶体絶命になりますから、グリーン周りにワナが2つ以上あったら前述したように必ずグリーンの30~50ヤード手前にレイアップすること。ハザードが1つならグリーン方向を狙うようにします。実際のところ、この2つを実行するだけで42はおろか30台に突入できる人もいると思います。
42のゴルフがベースになると、パーオンや寄せワンが1つ2つと増えて、そう遠くないうちに30台が見えてきます。基本、45から一気に30台へとジャンプアップしても一過性でしかなく、42を挟まないと30台の域へは行けないと思ってください。ロジカルにプランを決め、TO DOリストを実行する。そのために時には思考を停止することも必要です。
パフォーマンス面では使用クラブを限定する方法もありますが、それよりはマン振りしない方が有効です。短い番手で目一杯の距離を打つより、大きめの番手で楽に振る方がミスショットの確率は下がります。その意味でも、普段からスイングをコントロールする練習をしておきましょう。加えて30~50ヤードのアプローチも練習し、この距離から確実に乗る番手を作っておけば難しい3ホールも確実にボギーで上がれるようになり、高いモチベーションで残りのハーフを迎えられます。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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