ゴルフ練習場のレンジボールとコースボールの違いを打ち比べてみた!ドライバー編
みなさん練習場で練習をすると思いますが、練習場で使うレンジボールってコースで使うボールとは打感が明らかに違うし、飛ばないなんて話をよく聞きます。実際はどうなんでしょうか?
練習場によって違う種類のものが使われてたりするし、ある程度そのボールの特性を知っておかないと、せっかく練習をしていても効果的な練習になってない場合もあるかもしれません。
そこで練習場で使われている代表的なレンジボール2種類をコースに持ち込み、コースボールと打ち比べてみました。どんな結果になったのでしょうか?
\ ゴルフサプリ編集部解説 /
ゴルフ練習場のレンジボールとは?
レンジボールとは、打ちっ放しのゴルフ練習場で使用されているゴルフボールのこと。ラウンドで使用するコースボールよりも耐久性に優れていて、何度も繰り返し使用することができます。そのためレンジボールとコースボールでは、構造や性能が異なります。
レンジボールの特徴
最近のコースボールは少しでも飛距離をアップさせ打感を追求するために、3ピースや4ピースの構造になっています。一方でレンジボールは経年劣化や衝撃に強いことを優先しているだけでなく、コストも抑えた開発をしているため、単一構造の1ピースや2ピースが主流です。
レンジボールとコースボールの違い
レンジボールとコースボールの性能の大きな違いは飛距離です。一般的に1割くらいはレンジボールの方が飛距離は落ちます。また、インパクト時の衝撃が少なく体に優しい作りになっているため、打感も異なります。特に池などに浮くタイプのレンジボールは重量が軽いので、打感も軽く感じます。
今回試したレンジボールはこれ!
今回はダンロップスポーツマーケティングさんにご協力頂いたのですが、レンジボールには大きく分けてワンピースボールとツーピースボールの2種類があります。
今回使用したワンピースボールは「スタンダードSF」というモデルで、これは練習場でもよく見かけるタイプのボール。資料によるとレンジボールとしてはベストセラーで、ややソフトフィーリング。
ツーピースボールは「DDH SP SOFT」というモデルでコースボールに近いフィーリングと飛距離性能を持ったボールのようです。なんとこのボール公認級ということで、実際にラウンドでも使えるようです。
2つのボールを見比べるとディンプルがあきらかに違って、ツーピースボールのほうがコースボールに近いようなディンプルをしています。
2種類のレンジボールを打ってみた感想は?
まずはワンピースボールの「スタンダードSF」。打感はかなりソフトでインパクトの瞬間にかなりボールが潰れるような感覚です。
初速はあまり速くなく、弾道は中高弾道といった感じでしょうか。スピンは多少多めになるようで、風が吹いたときにはけっこう風の影響を受けそうです。ハードヒッターのほうが吹け上がる可能性が高くなりそう。打感が柔らかいので打っていて気持ちいいですね。
次にツーピースボールの「DDH SP SOFT」。こちらは結構しっかりした打感。ツーピースなのでカバーは少し柔らかそうですが、コースボールに近いような打感が感じられます。
打ち出しは高く高弾道で弾き感も結構あり、初速はワンピースボールよりは速いですね。スピン量もそんなに多くなく、ワンピースボールよりはあきらかに強い弾道で飛んでいきます。
ドライバーショットをコースで試してみた!
今回はレンジボール2種類と比較のためにスリクソンZ-STARボールを用意しました。
そして僕のようなヘボ試打者だけでは正確な数値が出ないかもしれないので、ハンデキャップ+1というトップアマの佐藤順さんにも協力してもらい、僕と佐藤さんが3種類のボールを2球ずつ打って、それぞれの最大飛距離を比較するという方法でテストしました。
佐藤さん
- Z-STAR(コースボール)…269ヤード
- DDH SP SOFT(ツーピースボール)…258ヤード
- スタンダードSF(ワンピースボール)…241ヤード
野村
- Z-STAR(コースボール)…252ヤード
- DDH SP SOFT(ツーピースボール)…249ヤード
- スタンダードSF(ワンピースボール)…216ヤード
このような結果になりました。佐藤さんはコースボールに比べツーピースボールが11ヤード、ワンピースボールは28ヤードほど飛距離が落ちました。そして僕はコースボールよりもツーピースボールは3ヤード、ワンピースボールは36ヤード飛距離が落ちています。
ツーピースボールに関してはかなりコースボールに近い飛距離が出ていますね。特に僕は3ヤードしか差がないので、ほぼ同じ飛距離と言ってもいいかもしれません。僕はスピン量が多いのでツーピースボールのほうがコースボールよりスピンが少なくなり飛距離が同じくらい飛んだのではないかと思います。
そしてワンピースボールですが、予想よりも飛距離が出ているなと思いました。初速はあまり速くないと感じていたのですが、佐藤さんはコースボールに比べて約10%ほどしか飛距離が落ちていません。
僕の場合は36ヤードほど飛距離が落ちていますが、これもスピン量が関係しているようで、ワンピースボールはスピン量が多くなってしまう分飛距離が少し落ちたんだと思います。
今回2種類のレンジボールをコースボールと打ち比べましたが、予想以上にレンジボールの進化を感じる結果となりました。ツーピースボールに関してはほぼコースボールと遜色ない性能だし、ワンピースボールも多少飛距離は落ちるもののフィーリングはとても良く、気持ちよく打てるボールでした。
最近のレンジボールは性能が上がっているとは聞いていましたが、今回実験したドライバーショットに関しては感触、数値ともに素晴らしいと思います。
ゴルフ練習場では何を気にして打てば良いのか?
実験結果を見てみると、ツーピースボールに関してはほぼコースボールを打っているような感覚で打てば良いと思います。飛距離やボールの曲がり具合もそのままの結果を信じて練習すれば良いんじゃないでしょうか。
ワンピースボールの場合は少しスピンが多いので、吹け上がったりスライスしたりしても少しスピンが多めになっていると思えば良いと思います。逆に言えばワンピースボールで曲がらない球が打てればコースボールではまず曲がらないはずです。
気をつけなければいけないのは少しワンピースボールの場合は弾道が低くなるので、無理に高弾道を打とうとしないこと。中弾道くらいであればコースボールでは十分な高さがでているはずです。
このようにレンジボールには少しボールごとの特徴があります。自分の行っている練習場がどんなボールを使っているのかを知れば、実際のラウンドとの球筋や飛距離の違いが分かるので、より実戦的な練習ができるようになると思います。自分の練習場がどんなボールを使っているのか分からない人は、練習場の方に聞いてみましょう。
(取材・文)ゴルフバカイラストレーター野村タケオ
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