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アイアンショットが左に行かない「押す」フォローとは?(2/2)|教えて!ホーガン先生

アイアンが際立つ!強いインパクトの作り方【第4回】Part2

2019/04/11 ゴルフサプリ編集部

フラットなスイングのイメージが強いホーガン。
だが、フォローでヘッドは高く振り抜けている。このギャップはどこから生じるのか。

フェースを立てるための腕とクラブの動きを「押す」インパクトから読み解いてみよう。

これがホーガン流|引き込む左手、押す右手「テコ動作」で押し込む!

正しい動きがわかる「セパレートグリップ」

右手とグリップの接点を支点に、左手でグリップエンド(力点)を動かし、ヘッド(作用点)を動かすイメージ。この“テコ動作”がフェースを立てる“圧”を生み出す。

たぐり込めば左腕が詰まる動きにならない

「フェースを立てる意識だと両手を目標方向に突き出すようにしがちですが、それではヘッドが走らず、フェースも右向きになり、シャンクなどのミスも出ます。正しいのは、右手をインサイドから目標方向に押しつつ、左前腕を〝外転〟しながらグリップエンドをたぐり込むことです」(森)

両手の間隔を開けた〝セパレートグリップ〟で素振りをしたり、クラブヘッドを柱にあてがい、インパクトの体勢で強く押してみたりすると理解しやすいという。

「右手を支点にしたテコの働きが体感できます。左手をたぐるように低い位置にすれば、左ヒジも曲がらず、右手の押しに促されてクラブが大きく、高く振り抜けるようになるのがわかります」(森)

振り抜き方で弾道は変わるが、手元よりもヘッド軌道が上になるのは共通。

ホーガンが提唱した前腕の動きがわかる「ボール投げドリル」

ホーガンは“両手で強く叩く”ことをイメージしていたが、それは“ボールを目標方向に投げる”感覚だった。『モダン・ゴルフ』では、重めのボールを4〜5メートル先の腰の高さにある目標に強く投げつけるドリルを提唱。そのためには、車のハンドルを切るような左前腕の“外転”が必要になる。

あっ!これもホーガン流|“テコ動作”でヘッドを押し込む、スピースの大きなフォロー

一見、左ヒジを抜いているようなジョーダン・スピースのフォロー。だが、アイアンの弾道の強さはバツグン。「左ヒジが引けているのではなく “たわむ”のは、左前腕を強く“外転”させているからです。右手の“押し”でラインを出しながら左手のたぐりで弾道を強めています。左グリップがウィークなのも、たぐり込みの強さを加減しないためのアレンジですね」(森)

ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

イラスト/久我修一
取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images

GOLF TODAY本誌 No.556 81〜85ページより