パー4のイーグルで一気に首位に
「AIG全英女子オープン」を制した山下美夢有が史上初の日米両ツアーでの2週連続優勝なるかが注目された大会で最後に主役となったのは河本結でした。
4打差の8位からスタートした最終日は最終組の3つ前でプレーして前半で2バーディを奪うと、後半も13番でバーディ。
14番はボギーとしたものの、続く15番パー4では157ヤードを6番アイアンで打った2打目が入るショットインイーグルで首位に並ぶと、最終的には1打差で逃げ切りました。
昨年8月の「NEC軽井沢」以来となる、今シーズン初優勝をしたことでポイントランキングも4位に浮上。会見では「年間女王になることが目標」と言い、さらに「準備が大事だと思います」とも話しました。
女王取りに欠かせない「準備」のひとつが、10年近く使い続けたユーティリティに代わる新たな“パートナー”をゲットしたことでした。
10年近く寄り添った“パートナー”の代わりは?
河本が使うユーティリティはキャロウェイの「XR OS」で、2016年2月発売のモデルを日体大入学の頃から使い続けています。もはや体の一部、と言っていいクラブですが、さすがにフェースの溝はすっかり減り、安田祐香に雨中のプレーオフで敗れた4月の「富士フイルム・スタジオアリス」では「雨だとフライヤーして怖くて。どれだけ転がるかわからない」と話していました。
さすがに新たな“パートナー”探しを決意したものの、最新モデルにするのではなく、希望は同じ「XR OS」。
とはいえ、10年近く前のクラブはメーカーにも在庫はありません。
そこでキャロウェイのスタッフはネットオークション で探し、落札するという手段を取りました。
「XR OSユーティリティ」の中古相場は5000~1万円程度なので、生涯獲得賞金3億4000万円を超えるトッププロが使うクラブを1万円未満でゲットしたと思われます。
その4Uも現物を確認するまでは使用に耐えるものか不安があったものの、この問題は無事にクリア。シャフトを前と同じものに替えて実戦投入となりました。
河本の6月以降の成績を見ると、体調不良による棄権が2度あったものの、他は5試合でトップ10を外したのは1回だけ。
今回の優勝と2位が1回。3位が2回という素晴らしいものです。
ギアの調整面での「準備」は意外な方法だったとはいえ、いいものができたといえるでしょう。
また、おそらく一般ゴルファーであろう出品者の方も、まさか次のオーナーが河本になるとは夢にも思わなかったことでしょう(本人が落札したのではないので、今もご存じないと思われますが…)。
初日のスタート前に優勝を確信!!
試合のなかった前週は地元の愛媛で海に行くなど、5日間クラブを握らずにリフレッシュしました。
それでも初日のスタート前には「リフレッシュしてきたし、最高に今を楽しんでいるし、準備してきたし。どうしよう、今週私勝っちゃうな」と勝利を確信していたそうです。
その通りに優勝し、女王取りを公言した今後の目標は「平均ストロークを60台に持っていくこと」と、現在70.2642で1位の数字をさらに良くして、ツアー史上延べ6人(山下美夢有3回。竹田麗央、岩井明愛、申ジエ)しか達成者のいないシーズン平均ストロークでの70切りです。
「それしか考えていません。(年間女王は)それに付いてくるものだと思っています」と力強く話す河本は、次週は連覇がかかる「NEC軽井沢」に出場。ここでの活躍が楽しみです。
(文/森伊知郎)




