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渋野日向子プロも使用する“フニャフニャ”アイアンシャフトを試してみました!

2019/11/29 ゴルフサプリ編集部

野村タケオのゴルフ実験室タイトル画像

とにかく今年の女子ゴルフ界の話題を全部持っていった感のある渋野日向子プロ。

新人でありながらメジャーを含め国内4勝。そして日本人女子として42年ぶりのメジャー制覇をしたのですから、大騒ぎになるのは当然でしょう。しかも彼女の小気味良いプレースタイルと笑顔はギャラリーを魅了しますよね。

そんな渋野日向子プロが練習でピンク色のシャフトのアイアンを振っているらしいんです。どうやらフニャフニャに柔らかいシャフトらしく、もう1年以上毎日のように使っているのだとか。

これは気になって仕方がないので、さっそくゴルフバカイラストレーターの野村タケオが試してみました!

撮影/野村タケオ

渋野日向子プロが使っている“フニャフニャ”シャフトっていったい何?

渋野プロが使っているフニャフニャシャフトの正体はフジクラコンポジットの「MCI PRACTICE IRON」(MCIプラクティスアイアン)というカーボンシャフト。

これは女子ツアー選手から「安定したスイングリズムを調整するためのシャフトを作って欲しい」との要望に答えて、開発を重ねた末に完成させたシャフトらしい。

重量は70gで6番アイアンの長さのシャフトです。重量などの数値的にはMCI70というアイアンシャフトと同じになっていますが、とにかくしなるように作られています。

MCI70のフレックスRの振動数が約283ということなのですが、このMCIプラクティスを計測してみたところ・・・

MCIプラクティスの振動数測定結果で184がでた写真

なんと184!これは柔らかいです。振動数というのは1分間にクラブが何回振動するかを測定したものなので、283と184ではえらい違いです。

実際にこのシャフトを使って練習している女子プロは7番アイアンや8番アイアンに入れて使っているパターンが多いようですが、なかにはウェッジやパターに入れて使っている選手もいるとか。ちなみに渋野プロは8番アイアンに入れて使っているようです。

柔らかいシャフトで打つとどういう効果があるの?

柔らかいシャフトで打つというのは打ち急ぎや手打ちを防ぐという効果があります。上体が突っ込んだり手で打ちに行ったりするとシャフトの動きが不安定になり、正しくインパクトが出来ないので、ボールが色んな方向に飛んでしまいます。いいテンポで、なおかつ体を使ったスイングが出来るとしっかりと距離も出るし、狙った方向に飛ぶようになります。

またシャフトのしなりを感じながら打つ練習にもなります。シャフトのしなりを上手く使って打てるようになると、飛距離も出るし、球の高さもしっかりと出るようになります。渋野プロはツアー仕様の硬いグリーンでも止まる高弾道の球を打つ練習の一環として、このシャフトを使っているようです。その練習が全英女子オープンでの勝利にもつながったのかもしれませんね。

野村タケオがMCIプラクティスを持って曲げている写真
こんなに曲がるんです!

実際にMCIプラクティスアイアンシャフトでボールを打ってみた!

ワッグルした瞬間にシャフトが柔らかいことが分かります。かなりグニャグニャとしなりますね。あまりにもしなるので、これでまともに打てるのか少し不安になります。とりあえずいつものように打ってみましたが、思ったより普通に打てたものの、やはり手打ち気味の僕が打つと少し右に飛んだり、逆に引っかかって左に飛んだり。

テンポよく打つことと、手の力を抜いて体の前で打つことを心がけて打っていると、だんだんと真っ直ぐに飛ぶようになってきました。僕は7番アイアンに入れて使っているのですが、8番アイアンくらいの飛距離という感じ。プロは番手通りの飛距離が出るのかな?

このシャフトを使った後に自分のアイアンを打つと、スチールのシャフトなのになぜかかなりグニャグニャとしなるような感じがします。とても不思議な感じ。

野村タケオがMCIプラクティスアイアンシャフトでボールを打っている写真3コマ
テンポに気をつけて打てば、ちゃんと打てます!

MCIプラクティスアイアンシャフトはどう使うといいのかな?

練習場に行った時に、普通のアイアンを打つ前にこれを打つといいんじゃないでしょうか。

何発かこのクラブを打って、また自分のアイアンを打つというように交互に打つというのも効果があるかもしれません。スイングのテンポを考えながら、ゆっくりと打つのが効果的だと思います。ラウンド前の練習にもいいと思いますよ。練習に行けないときは、このクラブでテンポを気にしながら素振りをするのも良いと思います。

このシャフトで練習することで、シャフトの正しい使い方やしならせ方、スイングテンポ、切り返しのタイミングなんかが分かるようになってくるし、上体の突っ込みや手打ちも矯正できるんじゃないでしょうか。

慣れてきたらフックやスライスなどを打ち分ける練習もとても良いかもしれませんね。シャフトがどうしなればどういう球が出るかってのが分かってくると思います。

ただ、即効性のある練習器具ではないと思うので、根気よく続けることが大事ですね。続けていれば確実に効果が出る練習器具だと思います。あの渋野プロも1年以上続けているわけですから、アマチュアの僕たちも続けないとダメですね。

女子プロがやっているようにウェッジやパターにこのシャフトを入れたものも機会があれば打ってみたいですね。アプローチやパットもテンポというのはとても大事なので、とてもいい練習になると思います。

(取材・文)ゴルフバカイラストレーター野村タケオ

野村タケオの自画像イラスト,親指立ててナイスのサイン