ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.13】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「好・不調の波が激しいです。
対処法を教えてください」
A「他人と上手に接するような
気持ちでプレーしましょう!」
いつも勝負を挑むようなゴルフでは
スコアに波が出る
調子のいいときもあれば、思うようなプレーができず調子に乗れないときもあるのはプロたちも一緒です。でもゴルフがうまい人たちに共通しているのは調子がよくないときも、あまり大崩れをしないこと。つまり好・不調の波を少なく抑えるツボを心得ているのです。
調子がすごくいい日もあるけど、まったく調子が上がらない日もよくあるというゴルファーは1日のラウンドの中でも最高のショットが打てたり、突然大叩きしてしまったりする傾向が多く見られます。
好・不調の波が激しいのは、自分の実力以上のことをやろうとするからでしょう。そこそこのスコアで回ればいいのに、「勝てばいい成績、負けたらボロボロ」みたいにつねに勝負を挑むようなゴルフをしていませんか?
チャレンジすることもゴルフの醍醐味ですが、うまく逃げて通ればスコアには大きな差が出ないはずです。
普段から感情が昂ぶりやすい人は
とくに注意しよう
同伴のゴルファーに対しても同じことがいえます。フィーリングの合う人と一緒なら楽しくラウンドできても、合わない人ですと会話も生まれにくいですし、1日が重苦しく感じられてしまいますよね。
でも上手な処世術を身につけている人でしたら、人づき合いがうまくいくもの。誰かに何かを言われてもその一言で傷ついたり、すぐに腹を立てたりするのではなく、その言葉をうまくかわしていけばいいのです。
相手の言葉に反論とか反抗をしようと思うと感情が昂ぶってきます。好・不調の波が大きい人は概してそうした面があります。何があっても、うまく対応したいのはゴルフも同じ。立ち向かうこともあるけれど、逃げ道もつくっておくという思考を持ちましょう。
調子が悪いときほど
安全策を選択してプレーする
調子のいいときは何をやってもうまくいきますから、その波に乗っていくのがいいと思います。いわゆる「イケイケゴルフ」です。
ところが多くのゴルファーは不思議なくらいその逆をやろうとします。せっかくバーディチャンスにつけているのに3パットしないように慎重に打ったり、ドライバーが絶好調なのにフェアウェイが狭いホールで突然スプーンを持ったり。その反面、調子がよくないときはイチかバチかの無謀なプレーに走ってしまいがちです。
調子がよければ保険をかけるようなプレーをしなくても構いません。流れに乗ってのびのびとプレーしましょう。調子が悪いときはそれだけミスの回数が増えますし、ピンチを招きやすいですから安全策を選択して慎重に攻めるべきです。
〈まとめ〉
・自分の実力以上のことはなるべくやらない
・他人とうまくつき合う気持ちでプレーする
・好調時は流れに乗り、不調なら安全に徹する
取材・文/三代 崇
協力/サザンヤードCC
撮影/圓岡紀夫、相田克己
撮影トーナメント/2019LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください