ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.11】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「ネガティブな思考が抜けず、
自分に自信が持てません」
A「ネガティブに思えることも
プラス思考に転換しましょう!」
自分のプレースタイルを
ネガティブにとらえない
100切りを目指す人にも当てはまりますが、90の壁をなかなか破れないという人は案外自分に自信を持てないでいます。自信はとても大事ですし、ちょっと自信を持つだけで物事を肯定的に考えられるようになります。
「自分のドライバーショットは飛ぶんだ」と信じている人は、そんなに力んだり振り回したりしませんし、「球が真っすぐ飛ぶ」と信じている人なら球が曲がることを恐れてはいません。
ところが「自分の球は飛ばない」と思い込んでいる人は強く振ろうとしたり、「曲がる」と思い込んでいる人はインパクトで合わせるような打ち方になって曲がりが大きくなったりしがちです。
自信の持てないことばかりがクローズアップされて、本来は備わっているはずの自分の長所を封じ込んでしまっているのです。
「これならできる」と自信の
持てることを沢山見つけよう
よくよく考えてみると、人間とはネガティブなことばかりを考える傾向が強い生き物といえます。
でも自分に自信が持てないことばかりに目を向けたり、プラスに働かないことを信じ続けたりしているのは本当にもったいないことだと思いませんか?
そんなに飛ぶわけではないけど200ヤードは飛ぶとか、ストレートな球が打てなくても曲がり幅を15〜20ヤードくらいに抑えることができる、あまり飛ばないけどそれほどはスライスしないなど、自分でちょっと自信の持てる部分を見つけてください。
またイメージの変換によって、ポジティブな思考を働かせることができるようになるということも知ってください。
逃げ道をつくる作戦だって
ポジティブな思考といえる
フェアウェイの右サイドがOBのホールで、ティショットを打ち終えた後に「やっぱりOBに打っちゃったよ」と口にする人がよくいますよね。
普通にスイングした結果がOBなら仕方ないとしても、打つ前からスライスしてOBのほうに飛んでしまうイメージが沸くようなら、「スライスしても安全な場所はどこか」、「どこを狙うのがベストか」を考えるようにしましょう。
「スライスしてしまう」というネガティブな思考を、プラスのほうに転換するのです。
朝一番のティショットでいつも左に引っかけてしまう人でしたら、その現象をネガティブにとらえずに、最初から目標を右寄りに設定して構えるという具合に自分にとって都合のいい方向に考えましょう。
あそこに飛んでしまうのが怖いから逃げ道をつくろうという発想はネガティブな思考のようでいて、実はスコアをまとめるためのポジティブ思考です。
〈まとめ〉
・できることに目を向ければ自信がわく
・できないことを信じるのはマイナス
・攻略面でもポジティブな思考に転換する
取材・文/三代 崇
協力/サザンヤードCC
撮影/圓岡紀夫、相田克己
撮影トーナメント/2019日本シリーズJTカップ
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください