ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.12】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「待ち時間のあるときは
イライラしてしまうのですが…」
A「今できることをやって
イライラを解消しましょう!」
イライラしても良いことは何もない
ラウンドの途中で前の組が詰まって待たされているとき、「遅いなぁ」とすぐにイライラしてしまうゴルファーは結構多いもの。「どうせ届かないんだから早く打てよ!」と怒り心頭になる人もよくいます。
ようやく自分の打つ順番が来てもイライラを引きずっていると、スイングのリズムがいつもよく速くなってチョロやダフリなどのミスが生じてしまいがちです。でも、これは誰の責任でもありません。自己責任です。要は自分のメンタルコントロールがうまくできていないだけなのです。
人間がどうしてイライラしてしまうかというと、今やりたいことができないから。待ち合わせの時間があるのに電車が遅れたり、道路が渋滞したりするのもそうですよね。
待っている間に
やるべきことは沢山ある
スロープレーで相手に迷惑をかけるのはよくありませんが、待たされているからといってイライラばかりしても何も良いことはないのです。
そんなときどうすればいいかというと、自分のやりたいことを変えてしまうのがベストです。自分が打ちたいのにそれができないのなら、ピンの位置をもう一度確認する、手前のグリーンエッジまでの距離を確認する、風向きをチェックするなど、今できることは沢山あるはず。今だからできることに意識を持たせて、自分のやりたいことを変換させればイライラはすぐに解消できます。
何もしないで待っているだけでは時間が長く感じられますが、できることをやっているうちに自分の順番がすぐにやってきます。準備も万端ですから、グッドショットの確率だって上がります。
できることから取り組む
という意識を持とう
プロやシングルゴルファーたちは自分の与えられた時間の中で優先順位を決めて、できる限りの努力をしています。イライラする暇なんてないと断言してもいいでしょう。逆にいえばイライラする人ほど、やるべきことを案外やっていないのです。
学力テストにたとえて考えてみてください。難しくて分からない問題に突き当たったとき、そこで解答が見つけ出せないまま悶々としていると、すぐに解けるはずの問題もできないままに時間切れという結果に終わってしまうでしょう。分からない問題は後回しにして、他のところの解ける問題からどんどん取り組めばいいのです。
ゴルフも同じで、今ボールを打つことができないなら、それを後回しにして先にできることを探して取り組むようにしましょう。
〈まとめ〉
・何もしないで待っているとイライラがつのる
・今できることに取り組んで時間を有効活用
・準備がしっかり整い、ショットの成功率アップ
取材・文/三代 崇
協力/サザンヤードCC
撮影/圓岡紀夫、相田克己
取材トーナメント/2019 日本女子オープン
2019 LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください