ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.6】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「プレー中に助言を受けると
ボロボロになってしまいます」
A「本人が自分に言い聞かせて
いるのだなと思いましょう!」
他人のアドバイスを試すなら
ラウンドを終えてからにしよう
ラウンド中にミスショットが続けて出たときなど、同伴のゴルファーが親切にアドバイスしてくれることがよくありますよね。競技会ではルール違反ですが、プライベートゴルフでは暗黙の了解となっているのが一般的といえます。
上手なゴルファーからのアドバイスはとてもありがたいことです。ところが言われたとおりにして好転する場合もあるとはいえ、今までできていたこともできなくなって、かえってスイングがボロボロになってしまうパターンがほとんどでしょう。
頭に入れておいて頂きたいのは、ラウンド中にスイングをよくしようとしても簡単にはできないということ。スイングの修正はラウンド後にやるべきことですから、「有り難うございます。ホールアウトしてからの練習で試してみます」と伝えれば、相手もいやな思いをしなくて済むと思います。
価値観が人それぞれ違うように
スイングの着眼点も違うと考えよう
アドバイスする側とすれば、自分の成功体験を語っているようなもので、それが他人にも合うとは限りません。それでも言われたことが気になって仕方ない場合は、ちょっと思考を変えてみるのがいいでしょう。
たとえば遅刻してくる人に対してイラついたり、もたもたしている人に怒りの感情がすぐに沸いてしまう人は「準備をしてくるのが当たり前だろ」という思考があります。その当たり前が存在するからルールを破る人に対してイライラしてしまう。でも、それが当たり前とあまり思わない人はイライラなんてしません。
これはちょっと極端かもしれませんが、ご飯を食べる前に「いただきます」と言うのが当たり前と考える人もいれば、そうではないと思う人もいます。価値観がそれぞれ異なるように、スイングの着眼点も違うのです。
他人から指摘されてスイングを
いじるよりもリズムのチェックが大切
上手なゴルファーでも自分のバックスイングを気にする人は、他人のバックスイングにもすぐに目がいきます。他人がミスしたときは、バックスイングを真っ先に指摘したがるのです。これは当の本人が自分に言い聞かせているようなものだと思いませんか。
それが決して悪いということではなくて、誰かにアドバイスされたとしたら、「この人はスイングのここの部分をとくに気にしているのだな」と思えば、あまり気にならなくなるものです。
もしミスが続いたときは、スイングの形を気にしても始まりませんから、自分のリズムを思い出すことを優先しましょう。リズムの狂いがミスの原因となっているケースのほうが実は多いのです。
〈まとめ〉
・他人からのアドバイスは丁寧に御礼を返すだけにする
・指摘された箇所は、その人が気にしている箇所と思えばいい
・スイングの形を気にするより、自分のリズムをチェック
取材・文/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください