ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.9】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「球が曲がると次のショットも
曲がりそうで怖くなります」
A「何が起こっても自分を
信じつけることが大事です!」
1度ミスが出ただけで
簡単に信念を曲げてしまう人が多い
目標をしっかりと狙い、自信を持って打ったつもりのショットが大きく曲がってしまった。すると大半のゴルファーは「こんなはずじゃ…」とショックを受けてしまい、次のショットでも「また曲がるのでは?」と思い込みがちです。
スタート前の練習でナイスショットが結構打てて、「よし、今日はいい感じだぞ!」と自分に期待したところ、朝一番のティショットでミスショットが出たら、「あー、やっぱりな」とか「練習場とコースはやっぱり違うんだな」と簡単に思い込んでいませんか?
1日のラウンドを終えてから、「スタート前の練習と比べたら、ショットの内容がよくなかったな」と反省するのはいいのですが、多くの人は信念を曲げてしまうのが早すぎます。
場所が変わっただけで、スイングでやるべきことは何も変わっていないのに、結果によって信じることがどんどん変わってしまうわけです。
コースは練習場で覚えた技術の
成果を試すための場と考える
たとえば練習場でスライスを直す練習に一所懸命取り組んでドローが打てるようになったとします。コースに出てドローの球筋をしっかりイメージし、ドローを打つためのアドレスをつくった。ところが結果はスライスが出てしまった。
そうなると大半のゴルファーは「やっぱりダメか」と思って、次のホールからは元々のアドレスをつくったり、目標の左を向いてスライスの構えをつくろうとしたりします。これではスライスの動きを再び引き出すことになってしまいます。
せっかくドロー打ちの動きや感覚が体になじんできているのに、またスライスを呼び戻すような考え方に走ってしまう人がとても多いのは残念なこと。その思考を変えない限り、技術は何も変わりません。
信念を曲げないことも
レベルアップの大切なポイント
スライスが出てしまったのは、そのホールだけかもしれないのです。練習場でドローが打てるようになったのなら、コースでは何が起きてもフェアウェイの右サイドを向いてドローを打つスイングを続けましょう。
続けていればそれに見合った結果が必ずついてきます。1日のプレーでも続けるうちに内容が少しずつよくなってきます。「今日はこの球筋で通そう!」と決めたら、何が起こっても最後までやり通すこと。スコアは悪かったとしても、大きな収穫が得られます。
ゴルフの技術のレベルアップには、この思考がとても大事です。一度ミスが出たからといって自分を疑うのはもうやめましょう。
〈まとめ〉
・一度ミスが出たからといって信念を曲げない
・「今日はこうしよう」と決めたら最後までやり通す
・自分を信じることがレベルアップにつながる
取材・文/三代 崇
協力/サザンヤードGC
撮影/圓岡紀夫、相田克己、高木昭彦
撮影トーナメント/2019ダンロップフェニックス、2019日本シリーズJTカップ
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください