ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.4】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「ミスショットが続くと、
すぐにキレてしまいます」
A「親切で優秀なキャディさんを
心の中に雇いましょう!」
ゴルフの技術が上がってもメンタルが
伴わないと結果につながりにくい
一度ミスショットが出ると、途端に不機嫌になってしまうゴルファーがいます。ミスが続けて出てしまうと頭に血がのぼって、スタートしたときとは別人のような振る舞いをしてのける人も少なくありません。
周囲に迷惑をかけたり、不愉快な思いをさせたりしてしまうのはゴルファーとして失格です。
すぐにキレてしまうのは、「こんなはずじゃかなった」という心理がどこかに働いているから。球を打つ技術は確実に上がっているのにスコアがなかなか縮まらないとしたら、メンタルやコースマネジメントの考え方に原因があるといっていいでしょう。
自分の実力以下のプレーをしてスコアを崩しているのか、あるいは自分の実力以上のことをやろうとしてスコアを崩しているのかは一概にはいえませんが、結局のところ皆さんは自分のことをちゃんと理解できていないというところに尽きると思います。
もう一人の自分と仲良く
対話しながらプレーを進めよう
そうした意味では、キャディさんはゴルファーを見極める能力に長けています。たとえばティーイングエリアから220ヤード地点に池があるホールがあるとします。
優秀なキャディさんは、距離の出る人には「飛びすぎると危険だからスプーンで打ちましょう」と勧めてくれますし、あまり飛ばない人には「あなたはドライバーで気持ちよく打ちましょうね」などとアドバイスしてくれます。
その人の実力や技量に見合った攻め方を教えてくれるのですから、ゴルファーにはとても頼りになるパートナーです。
今は乗用カートのセルフプレーが主流となりましたが、そんなときこそ優秀なキャディさんを心の中に雇ってはどうでしょうか。
「ここは何番で打つのがいいかな?」、「8番だと少し小さいから7番がいいんじゃない?」という具合に、もう一人の自分と対話しながらプレーを進めるのです。
二人の自分が心の中で
ケンカばかりしているとスコアにならない
ミスしてすぐにキレてしまう人は、もう一人の自分とケンカばかりしてしまいがち。「ホントに下手くそだな」、「うるさい、黙れ!」という状態では、いつまでも気持ちを落ち着かせることができません。これではダメなキャディさんを雇っているようなものです。
「大丈夫。まだまだチャンスがあるよ」などと言い聞かせて、自分をやさしく励ましてくれる優秀なキャディさんをいつも自分の心の中に宿しておけば、心の波を小さく抑えることができます。
もう一人の自分が、自分の実力を冷静に判断してくれますから、戦術面でもミスがかなり減ってきます。
イライラしたり、キレたりすることがなくなりますし、最後までメンタル的に落ち着いてプレーでき、スコアもまとまってきます。
〈まとめ〉
・自分を理解していない人ほどキレやすい
・心の中に優秀なキャディを雇えば冷静にプレーできる
・もう一人の自分と相談することで正確な判断を下しやすい
取材・文/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください
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