ゴルフのメンタルに強くなるコツを北野正之が伝授【VOL.8】
「ゴルフはメンタルのスポーツ」とよくいわれるように、技術はちゃんと備わっていても、心理面のコントロールがうまくいかないとスコアがまとまりにくい。どうすればメンタルに強くなれるのだろうか。ゴルファーたちの悩みを北野正之プロが解消!
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
Q「ナイスショットの後に
ミスが出てしまうのはナゼ?」
A「結果を頭から切り離して
次のショットに集中しましょう!」
ナイスショットの後だけに
ミスが出るとは限らない
ティショットが最高の当たりでフェアウェイのど真ん中をキープ。セカンドショットはピンを狙いやすい絶好のポジションです。そんな場面でダフリやシャンクが出てしまうのはよくあることですよね。
ナイスショットの後にどうしてミスが出てしまうのかというご質問ですが、これまでのラウンド経験を振り返ってみてください。ナイスショットの後だけでなく、ミスショットの後にもミスがよく発生していませんか?
ナイスショットでもミスショットでも、頭をそこから切り離して次のショットに臨むことが大事なのに、ショットの結果をいつまでも引きずっていては事がうまく運ばないのです。
結果の良し悪しからくる心理面の
「荷物」を全部下ろすことが大事
ティショットは最高の当たりならスキップなどをしてルンルン気分になる。ミスショットが出たら、失敗を悔やんでずっとうなだれていたり、あるいは次のショットでミスを取り返そうとして出来もしない無謀な作戦に走ったりする。
そんなプレー運びをしているとすれば、次のショットに向けて荷物を背負った状態のままということになります。
下手をするとメンタル的に荷物がどんどん重くなってしまうケースだってよくあります。良いことも悪いことも、荷物を全部下ろしてから次のショットに向かうようにしましょう。
人間はいくつも同時に意識することはできません。それならば次のショットをどう打つかのイメージづくりにエネルギーを注ぎましょう。そうすれば前のショットの結果が頭から離れて、気持ちが前向きになれます。荷物を下ろすのはそういうことです。
ミスしても下を向かないことを
心がけてプレーしてみよう
中嶋常幸プロが昔マスターズに出場したときにスコアを大きく崩した場面がありましたが、最初はミスを悔やんでうなだれて歩いていたけれども、「こんな最高の舞台に出ているのに、何をガックリしているのだろう。ミスしても堂々と歩こう」と決めてからスコアが上向きになったというエピソードを耳にしたことがあります。
ミスしても下を向かずに、堂々と歩く。最高のショットが打てても決して浮かれない。プロやシングルゴルファーたちは、そんなプレー運びを心がけています。結果がどうであれ、できるだけ立ち振る舞いを変えないのがベストです。
なかなか難しいものですが、ショットを打った後の気持ちの切り替えを自分でやってみることが大切だと思います。
〈まとめ〉
・打ち終えたら、次のショットに意識を集中させる
・最高の当たりが出ても浮かれてばかりではダメ
・ミスしても胸を張れるようなゴルファーになろう
撮影トーナメント/長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント【2019】、ゴルフ日本シリーズJTカップ【2019】
取材・文/三代 崇 写真撮影/圓岡紀夫、相田克己 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●VOL.1:感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?
●VOL.2:ミスを次のホールまで引きずってしまうのですが…
●VOL.3:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.4:ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます
●VOL.5:バンカーショットでいつも失敗ばかり。どうすれば?
●VOL.6:プレー中に助言を受けるとボロボロになってしまいます
●VOL.7:番手選びで迷い、失敗してガッカリの連続です
●VOL.8:ナイスショットの後にミスが出てしまうのはナゼ?
●VOL.9:球が曲がると次のショットも曲がりそうで怖くなります
●VOL.10:集中力が18ホール持たず、突然ミスが出てしまいます
●VOL.11:ネガティブな思考が抜けず、自分に自信が持てません
●VOL.12:待ち時間のあるときはイライラしてしまうのですが…
●VOL.13:好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください