柔らかな弾き感とともに飛距離と高さが“楽に出る”|フォーティーン CF218
中空アイアンやウェッジで有名なフォーティーンは“やさしく飛ばせる”フェアウェイウッドも作っていた
地面から打つクラブ、その中でもロフトが少なく、クラブの長さが長いフェアウェイウッドは“アベレージゴルファーにとっては難しい”と言われている。だからこそ、そのフェアウェイウッドが気持ちよく、そして楽に打てて、高さと飛距離を出すことができたなら? 確実に、スコアを縮めることができる。
そこで、オススメしたいのが中空アイアンの祖として、また優れたウェッジを生み出すメーカーとして知られるフォーティーンのフェアウェイウッド、CF218だ。プロによる試打とクラブフィッターの視点から、このアベレージゴルファーでも“楽に打てるフェアウェイウッド”について解説する。
構えた瞬間にわかる。ボールを拾って、上げてくれるやさしいヘッド
フェアウェイウッドは難しい。そう感じているゴルファーは多い。その理由としては、「当たらない」「球が上がらない」「番手通りの飛距離が出ない」というものがある。特に3番ウッド(3W)はロフト角が最も少なく、クラブの長さも長い。そのため、「3Wは持っているけど、ほとんど使わない」「そもそも3Wは持っていない」という、アベレージゴルファーは少なくない。
そうしたゴルファーは、ロングホールのセカンドショットや狭いホールのティショットで3Wを持つことができず、思うように距離を稼ぐことができなかったりなどして、悔しい思いをしているのではないだろうか。
さて、そんなゴルファーにこそ使ってもらいたいのが、今回紹介するフォーティーンのフェアウェイウッド、CF218だ。それでは、まず田所嵩瑛(たどころ・たかあき)プロの試打インプレッションから紹介していこう。
この上がりやすさとスピン量、僕なら5Wで使いたい。FWに苦手意識のある方には3Wからオススメできる飛距離とやさしさです
田所嵩瑛(たどころ・たかあき)。1998年生まれ、茨城県出身。 小学6年生でゴルフを始め、2016年研修生に。2019年プロテストに一発合格を果たした。気鋭の新人プロ。
「今回、僕が試打したのは3W(15度)と5W(19度)で、どちらもシャフトは50gのFT-15f(S)です。試打クラブのスペックは、僕のヘッドスピード(50m/s)には合わないので、当然ながら抑えめに打ちました。そのうえで、CF218はすごい球が上がりやすいうえに飛ぶ、というのが第一印象です。2020年の新作フェアウェイウッドは、ほぼほぼ打ちましたが、その中でもトップ5に入る飛距離性能だと思います。ヘッドスピードが40m/s前後の一般的なゴルファーに置き換えて考えても、その飛距離性能と球の上がりやすさは変わらないでしょうね。
改めて、構えたときの印象からお話しますね。ヘッド体積は3Wで182㎤なので小さくはないです。シャローフェースなので上から見たときの、ヘッドの投影面積も広めで安心感がありますね。ですが、そこまで“大きい!”というイメージは持たないんですよね。丸型に近い洋梨形状で、ターゲット意識がぼやけるようなこともなく、上級者にも好まれそうです。
打感は柔らかくて、打っていて気持ちのいい感触です。弾き感もあるのですが、球離れが早すぎるという感じではなく、どちらかといえばフェースにボールが喰いつく感触のほうが印象に残ります。
シャフトは全体的にしなる感じで、打ち急がずにクラブにまかせて振ることができればヘッドスピードが上がって、球を拾ってくれるタイプだと思います。ですから、3Wや5Wで球をつかまえきれないという人は、安心して打つことができます。ヘッドスピードが速く、球のつかまりに悩んでいないという人は、60g台のオリジナルシャフトFT-16fか、もう少ししっかりめのシャフトを合わせたほうがいいでしょうね。
総評としては、フェアウェイウッドが苦手な人にぜひとも試してもらいたいフェアウェイウッドです。球の拾いやすさ、上がりやすさは抜群です。そして、ヘッドとシャフトのトータルバランスがとてもいいので、すごい打ちやすく感じられるはずです。
飛距離性能は申し分ないですし、普段3Wで球が上がらないという人も、この3Wなら高さが出てキャリーが伸びると思います。ヘッドとシャフトがボールを上げて、飛ばしてくれるので気負わずに打てるところが、なによりもいいですね。
このフェアウェイウッドでミスをするとしたら、打ち急いだり、力んだりしたときです。速く振ろうとか、飛ばしてやろう、上げてやろうということを考えずに、気を楽にして打ってもらえたらイメージ通りの球が打てると思いますよ」
フェアウェイウッドに対する苦手意識がなくなる。当たってくれるから気負わずに打てる
「シャフトは全体的にしなる感じで、打ち急がずにクラブにまかせて振ることができればヘッドスピードが上がって、球を拾ってくれるタイプだと思います。ですから、3Wや5Wで球をつかまえきれないという人は、安心して打つことができます。ヘッドスピードが速く、球のつかまりに悩んでいないという人は、60g台のオリジナルシャフトFT-16fか、もう少ししっかりめのシャフトを合わせたほうがいいでしょうね。
総評としては、フェアウェイウッドが苦手な人にぜひとも試してもらいたいフェアウェイウッドです。球の拾いやすさ、上がりやすさは抜群です。そして、ヘッドとシャフトのトータルバランスがとてもいいので、すごい打ちやすく感じられるはずです。
飛距離性能は申し分ないですし、3Wで球が上がらないという人も、この3Wなら高さが出てキャリーが伸びると思います。ヘッドとシャフトがボールを上げて、飛ばしてくれるので気負わずに打てるところが、なによりもいいですね。
このフェアウェイウッドでミスをするとしたら、打ち急いだり、力んだりしたときです。速く振ろうとか、飛ばしてやろう、上げてやろうということを考えずに、気を楽にして打ってもらえたらイメージ通りの球が打てると思いますよ」
パッと手に取って買った人でも「必ず80点の球」が打てる。長く使えるやさしいヘッド
「このCF218がどんなフェアウェイウッドか、ズバリいえば『ミートしやすい。ボールに当てやすいフェアウェイウッド』です。
そもそも、フェアウェイウッドが苦手、難しいと感じる人は“ほかのクラブとちょっと違う”と感じてしまっているんです。なぜかと言えば、だいたいのフェアウェイウッドのシャフトが、ドライバーのシャフトを短くしたものを流用しているからなんです。
そして、ドライバーのシャフトを流用した場合に生じがちな弊害は『フェアウェイウッドのシャフトとしては重量不足になる』ということがあります。重量不足のシャフトが入ったフェアウェイウッドは、実際のラウンドでドライバーを打った後に持つと、その重さ(軽さ)が違和感を生じさせます。その感覚のズレが“ほかのクラブとちょっと違う”という違和感となり、当たらない原因になっているんです。
ですが、練習場でそのクラブだけを打ち続けていたら、その違和感は生じません。ですから、ゴルフ場で“どうして当たらないんだろう?”となってしまうわけです。
ここまで説明をすればお分かりいただけたと思いますが、なぜCF218がミートしやすい、当てやすいと言えるのか。それは、CF218には、CF218専用に作られたオリジナルのシャフトだからなんですね。
しかも、50gと60g台の2種類も用意されていますから、ドライバーのシャフトが50g台の人であればFT-15f、60g台の人であればFT-16fからフレックスをチョイスしてもらうのがいいでしょう。このように使用しているドライバーの重さとの関係性を合わせることができるので、実際のラウンドにおいても自然と当たりやすくなります」
240ヤード先のグリーンをプロが狙っていける“弾道の高さとほどよいつかまり具合”
次に、ヘッドの性能としてはシャロー(低重心)で、球が上がりやすいのが特徴です。また、重心も深いので芯を外してもサイドスピンがかかりにくく、曲がりが抑制されています。
また、ドライバーみたいな弾道が出る、多少の技術が求められるようなフェアウェイウッドが多い中で、CF218はスピンがちゃんと入ってくれます。だから、グリーンにちゃんと止まってくれますし、なにより球が上がってくれないと(必要なスピン量が得られないと)、飛距離は出ませんからね。
それから、今回3Wと5Wを打ちましたが、そのうえで気づいたことは3Wと5Wのつかまりが同じくらいということ。これはすごくいいですね。
3Wのつかまりがちょうどよくても、5Wだと球がつかまりすぎてしまうというフェアウェイウッドは多いのですが、CF218は違います。ミスに対しての強さを持たせつつ、番手によって、つかまり度合いが調整されています。この点が、フォーティーンらしいというか、ちゃんと実戦でのラウンドのことが考えられているクラブだなと感じさせられました。
田所プロが『自分が使うなら5Wを入れたい』と言っていたということですが、その感想は当然だと思いますね。クリーク(5W)って、どうしても力が入ったときにつかまっちゃうんですよね。プロでいうと240、250ヤードという距離からグリーンを狙うとなると、上から落としていける高さがほしいですよね。ですが、その距離でつかまえすぎてしまって、林に飛ばしてしまってはまず助かりません。だから、長い距離をきっちり狙っていくには、自分が狙った方向にきっちり打てる性能がほしくなるんです。ですから、CF218のように、やさしいのにつかまりを抑えた5Wというのは理想的でしょうね。
最後に総評です。CF218は、何も知らずにパッと手に取って買った人が『すぐに80点の球を打てる』、やさしいフェアウェイウッドだと思います。そして、技術が向上していき、球筋の操作などもできるようになった時には、その人にとって120点のフェアウェイウッドとなる、長く使っていけるフェアウェイウッドです」
クラブ名 | フォーティーン CF218フェアウェイウッド |
---|---|
長さ | 3W/43.25インチ 5W/42.5インチ 7W/41.75インチ 9W/41インチ XW/42.75インチ |
重量/バランス(FT-15f) | ■3W S:318g/D0 SR:314g/C9.5 R:309g/C9 ■5W S:324g/D0.5 SR:320 g/D0 R:315g/C9.5 ■7W S:330g/D0.5 SR:326g/D0 R:321g/C9.5 ■9W S:336g/D0.5 SR:332 g/D0 R:327g/C9.5 ■XW S:321g/D0 SR:317g/D9.5 R:312g/C9 |
ロフト角 | 3W/15度 5W/19度 7W/22度 9W/25度 XW/17度 |
ライ角 | 3W/56.5度 5W/57度 7W/57.5度 9W/58度 XW/56.5度 |
ヘッド素材 | ボディ:AM355Pスチール フェース:高強度455スチール |
ヘッド体積 | 3W/182㎤ 5W/163㎤ 7W/152㎤ 9W/140㎤ XW/170㎤ |
シャフト | FT-15f、FT-16f |
価格 | 1本:40,000円+税 |
取材協力/サザンヤードカントリークラブ、ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店
撮影/相田克己
取材・文/角田柊二