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- 【2021】リコーカップ
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奥嶋コーチも涙。稲見萌寧が歴代2位の年少記録で賞金女王戴冠「今日の夜ご飯を一杯食べます」
リコーカップ最終日、粘りのゴルフでイーブンパー・9位タイとした稲見萌寧(都築電気)が、古江彩佳(富士通)との賞金女王争いに競り勝って初の賞金女王戴冠。古江彩佳も素晴らしい頑張りを見せたが、一歩及ばず。だが、メルセデス・ランキングでは1位を獲得してシーズン最優秀選手に輝いた。
写真/相田克己
奥嶋コーチの涙につられて「涙をこらえられなかった」
最後の最後までわからなかった賞金女王の行方だった。しかし、1アンダー・15位タイから最終日をスタートした稲見萌寧が4バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの73、通算スコアをイーブンパーにして9位タイでホールアウトしたことで、稲見の賞金女王戴冠がほぼ決定した。古江彩佳が逆転賞金女王を実現するには、この大会で優勝するしか道はなかったのだが、残りホールは少なく、その時点での首位・三ヶ島かなとの差は3打差あった。
稲見は「(今日のラウンドは)本当にしんどかった」と振り返る。ショットもひどく、パターももったいない!という場面が多く、出入りの激しいラウンドだった。だが、「最後の3ホールは自分の中ではめちゃくちゃ頑張ったなって感じでした。(18番を上がった時は)自分の最低限のしゴオテャしたっていう感じです」と語る。
22歳108日での通算10勝はツアー歴代2位の年少記録を持つ稲見の賞金女王獲得は、これまた記録を残す結果となった。稲見の22歳122日での賞金女王戴冠は2007年に上田桃子が記録した21歳156日に次ぐ歴代2位というもの。2020東京五輪で銀メダルにも輝いた稲見、誇らしい記録ばかりの2020-21シーズンとなった。
これまで涙を見せることはなかったが、今日は涙を見せた。テレビインタビューで涙が見えましたがと聞かれた稲見は「泣くつもりはなかったんですけど、コーチに目の前で泣かれちゃったら、こらえられませんでした」と再び涙ぐんだ。
賞金女王を獲得して「何か贅沢はしない?」というペン記者の質問には「今日の夜ご飯をいっぱい食べます。(宮崎で)2軒は行くと思います。はしごして。まだ特に決めてはないけど最後は締めにうどんを食べます」と、自分への最初のご褒美は宮崎での美味しいご飯ということのようだ。
以前、注目世代の狭間の年代ということから「ダイヤモンド世代になる」と話していた稲見は、「ダイヤモンド世代になれましたか?」という問いに「1回ダイヤモンドになってもあまり意味がないので、ずっとダイヤモンドで輝き続けたいと思っています。この先も引き続き頑張りたいなという感じです」と、まだまだ輝く宣言。
目指すところは最強のゴルファーだが、「一番の目標は永久シード」。来年の目標は「1年に1勝」とシーズン9勝という実績を持つ女王としては控えめ。だが、本人が言うように「去年より来年、来年より再来年と考えると大変なことになっちゃうので」まずは1勝。堅実な目標設定だと言える。2022年も最強のゴルファー目指して、海外での活躍にも期待したい。