「D1 SPEEDMONSTER」 は全てを新しくした別次元のボールなのか?
本間ゴルフは「D1 SPEEDMONSTER」を2023年10月20日に発売した。コピーは、“あの「D1」を飛距離で圧倒。HONMA史上最長飛距離。””「モンスター級の飛び」がさらに進化。”である。安いのに飛ぶという口コミで大ヒットボールになった「D1」を完全に超える飛距離という、わかりやすいコピーだ。
「D1 SPEEDMONSTER」は、2代目である。初代も飛距離自慢のボールだったが、圧倒的という表現がハマったかというとちょっと微妙でもあった。こういうケースの2代目の宿命は、リベンジである。今度こそ、という意気込みが新しい「D1 SPEEDMONSTER」にはある。
4つのテクノロジーに注目した。
(1)最初は、「新配合モンスターコア」だ。コアはボールのエンジンであり、飛距離性能の肝になるが、それが新しくなっている。素材の配合を見直したことで、性能アップしているという。
(2)2つ目は「メタルミックスレイヤー」だ。カバーとコアの間をつなぐ素材に金属粉末を加えて重くして、感性モーメントを上げることでランが増えるという。また、独自の配合にすることで反発性能アップも可能にした。
(3)3つ目は「高耐久アイオノマーカバー」だ。これも新配合で耐久性を向上させたという。
(4)4つ目は「368ディンプル」である。やや高度を抑えめにして強弾道で飛ばそうというディンプルになっている。
最後に、「アライメント」にも注目したい。ターゲットに合わせやすいクロスしたデザインで、集中しやすいちょうどいい大きさになっている。本当に飛距離特化型のボールとしてずば抜けているのか?じっくりと試打をすることとした。
飛ぶのは当たり前の 「D1 SPEEDMONSTER」!飛距離はお金で買える時代だ!
「D1 SPEEDMONSTER」を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。
● 打音打感:音量はやや大きめ、濡れた鞭系、残響が響く音質。かなりやわらかい。
● 弾道球筋:高めの中弾道。ややボールがつかまる。曲がりには鈍感。
● 飛距離:全てのクラブがトップレベルに飛ぶ。最長240ヤード。
まず、ドライバーショットが飛ぶ。カチカチのカバーだが、打ってみるとボールが潰れて本当にやわらかい。低スピン系の強いストレートボールで、いきなり235ヤード飛んだ。
その後、ラウンドを通して最長に飛んだホールが240ヤードだった。ヘッドスピード40m/sを考慮すれば、かなりの飛距離性能である。また、アイアンも半番手は前に行き、全てのクラブが飛ぶことも間違いなかった。
ボール表面にツアーボールのようなぬめり感があり、それが影響しているのか、ショートアイアンとウェッジのショットはしっかりとスピンがかかり、その場で止まってくれる。少し意外だったのだが、飛距離だけではなく、スコアアップのための総合力が上がっているのだ。
同伴者にも打ってもらってわかったのは、ヘッドスピード45m/s前後が最も飛距離の恩恵を得られるようにチューニングされているということだ。飛ぶ人がもっと飛ぶ人になるボールとしてオススメなのである。
実際にかなりの上級者でも使用できる要素で合格しているし、エンジョイ派の中級者、初級者にもスコアアップを狙えるボールとしてよく仕上がっている。耐久性に関しても、1ラウンド終了時に比較してわかったのは、新品と変わらないという感じだったことだ。数ラウンド使っても大丈夫、という雰囲気があった。
個人的に感心した点は、ショートゲームになると打音が急に硬質になる点だ。硬質な音が好きなのでこれはい良いと思ったが、打感はショットの時のようにやわらかいのだ。市場にあるボールの中でもかなりやわらかいので、ショートゲームでは個人的には苦労した。
初代のボールを完全に凌駕してしまう2代目ボールは珍しい。ツアープロでもボールチェンジをせずに、前の代のボールを使い続けることもある。それらは全てのストロークで使うボールだから、妥協はできないという証拠なのである。
「D1 SPEEDMONSTER」は、2代目が明確に勝っている珍しいボールだ。何ひとつとして負けていないから、100人いたら100人がチェンジするはずだ。飛距離はお金で買える、という格言があるが、まさにそれを体験させてくれるボールなのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


