ゴルフのボール位置や距離はどこが正解?見つけ方のポイント解説
この記事ではゴルフをするときに、ボールの位置はどこがいいのか…。また体とボールの距離はどれくらいにすればいいのか…といったことをお話しします。
ゴルフは止まったボールを打つスポーツなので、ボールを置く位置はとても大切で、結果の良し悪しに直結します。これまで特に考えることなく、なんとなくボールを置いていた人は、ぜひ参考にしてください。
ゴルフのボール位置が大切である理由
ゴルフはボールの位置が大切なスポーツです。野球やテニス、バドミントン、卓球など、多くのスポーツは相手が放ったボール等に反応して、打ち返します。
しかし、ゴルフは止まったボールを打つスポーツなので、反応する必要はありません。そのかわり、いつも決まった位置に正しくボールをセットすることが必要で、よいショットを打つためにはとても大切になってきます。
ボールの位置がショットごとにバラバラだと、例えよいスイングができたとしても打点がズレてしまうため、ナイスショットにつながらないことが増えてしまいます。初心者や初級者はもちろん、アベレージゴルファーはボールの位置に無頓着な人が多いため、注意が必要です。
- 初心者はボール位置を固定したほうがいい?
- 飛距離やコントロールなど目的によってボール位置は変わる?
- ゴルフボールとの距離(立ち位置)の目安は?
初心者はボール位置を固定したほうがいい?
ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン、ウェッジと、すべての番手で少しずつボールの位置を変えたほうがよいと考える指導者がいます。そしてこの考え方がある意味一般的で、基本といえるようです。
しかし、スイングが不安定な初心者や初級者は、そこまで神経質にならなくてもよいと思います。まずはドライバーの位置、フェアウェイウッドとハイブリッドの位置、アイアンとウェッジの位置、この3つのボール位置を決めて、練習することからはじめてみましょう。
そして上達してきたら先にお話ししたように、番手ごとにボール位置を少しずつ変えてみることを試してみては…と思います。
飛距離やコントロールなど目的によってボール位置は変わる?
一般的にボールの位置を左足寄りにするとアッパー軌道でインパクトしやすくなるため、ドライバーなどの場合はボールの位置を左足寄りにすることでキャリーが出て、その結果、飛距離アップすることもあるでしょう。
逆にドライバーの場合にボールの位置を右足寄りにするとダウンブロー軌道のインパクトになりやすいため弾道が低くなってキャリーがあまり出ず、そのせいで思ったほど飛ばない…ということもあるかもしれません。
そして一般的にボールを左足寄りに置くと、右方向へ曲がりやすくなり、逆に右足寄りに置くと、左方向へ曲がりやすくなるといわれます。
ゴルフボールとの距離(立ち位置)の目安は?
ボールと体の距離は持つクラブによって変わります。レングスが長いドライバーは体からボールが離れた位置になりますし、レングスが短いウェッジは近づきます。
番手ごとの体とボールの距離をいつも同じ間隔にするには、ポスチャー(姿勢)とアドレス(構え方)を一定にすることです。これが一定なら、持つクラブの長さが変わることでボールと体の距離は自然といつも同じ間隔になるはずです。
レングスが長いドライバーだから離れるとか、短いウェッジだから近づくというのではなく、単に同じ姿勢・同じ構え方をして、長さの違う物を持つので距離が変わるのです。
ゴルフのボール位置によって球筋や弾道が変わる
ゴルフはボールの位置によって球筋などが変わります。そこでこの項では、ボールの位置と球筋について、基本的なことをお話しします。初心者や初級者はスイングが不安定なため、当てはまらない場合もありますが、知識として覚えておきましょう。
- ボール位置が右寄りの場合
- ボール位置が真ん中の場合
- ボール位置が左寄りの場合
- ボール位置が左寄りすぎる場合
- スタンス幅によってボール位置は異なる
ボール位置が右寄りの場合
一般的にボールの位置が右足寄りになると、
- ダウンブロー軌道のインパクトになりやすい
- 弾道が低くなりやすい
- 左方向へ曲がりやすい
などといわれます。そのため、
- ボールが上がりすぎる
- 右に曲がるスライスが多い
こんな人はいつもより右足寄りにボールをずらしてみましょう。
初心者や初級者をはじめ、ハイハンデのアベレージゴルファーはスイングが不安定なので、ボール位置が結果に結びつかないことが多々あります。
しかし、球筋とボール位置の基本的な仕組みは知っておいたほうがいいでしょう。この先、上達したときに役立ちますし、他者からの間違ったアドバイスに翻弄される心配もなくなります。
ボール位置が真ん中の場合
一般的にボールの位置を真ん中に置いたからといって、右へ行ったり、左へ行ったり…ということはあまり聞いたことがありません。あなたがボールを真ん中に置いて、ナイスショットが打てるなら、そこでなんの問題もないでしょう。
ただ、真ん中に置いて、右へ曲がる弾道が多いなら、少し右足寄りへズラして打ってみましょう。逆に左へ曲がる弾道が多いなら、少し左足寄りにズラして打ってみましょう。もちろん、ズラしたからといって結果がよくなるかは不明です。
ボールが打ち出される方向や曲がる方向、曲がる大きさはインパクト時のフェース向きと、その際のクラブ軌道によるため、ボール位置だけでは確かなことはわかりません。
ボール位置が左寄りの場合
一般的にボールの位置が左足寄りになると、
- アッパーブロー軌道のインパクトになりやすい
- 弾道が高くなりやすい
- 右方向へ曲がりやすい
などといわれます。そのため、
- ボールが低すぎる
- 左へ曲がるフックが多い
こんな人はいつもより左足寄りにボールをズラしてみましょう。もしかすると、よいショットが生まれるかもしれません。
初心者や初級者はもちろん、ゴルフ歴は長いのに100が切れない人やごくたまに100が切れるレベルの人は、そもそもスイングが整っていないため、ボール位置と結果が結びつかないことが多々あります。
しかし、ボール位置と弾道の基本的な関係は知っておいたほうがいいでしょう。
ボール位置が左寄りすぎる場合
ボールの位置が左足に寄りすぎると、
- 極端なアッパーブロー軌道になるかもしれない
- 弾道が高くなりすぎるかもしれない
- どこへ飛びやすいかは不明
“寄りすぎ”は人によるため、球筋がどうなるかはわかりません。
例えば左足のツマ先の前が“寄りすぎ”と感じる人もいれば、左足カカト線上が“寄りすぎ”と感じる人もいます。左足の外側でも“寄りすぎ”と感じない人もいます。
つまり、その人にとってよいショットが打てるなら、ボールはどこに置いてもOK。前述したボール位置と球筋の関係や仕組みにとらわれることはありません。
ボールをどこに置いたらいいのかわからない人や一般的なこと、基本的なことを知っておきたい人は、先に記したことを参考にしてください。
スタンス幅によってボール位置は異なる
スタンス幅によってボールの位置が変わるのではなく、持つクラブによってボールの位置が変わる、と考えるのが一般的、もしくは基本的だと思います。
そして持つクラブによって、スタンスの幅が変わるため、それに伴ってボールの位置が変わる、と考えるのがもっともポピュラーだと思われます。
とはいえ、ゴルフスイングや打ち方、ボールの位置などに正解はありません。プレーヤーがよいショットを打てれば、それがそのプレーヤーにとっての正解。ですので、スタンス幅でボールを位置を変えても、何も問題ありません。
ただ、前述したようにスタンス幅でボール位置を決めるというのは、あまり一般的ではないため、ここでは目安を示すことができません。
ゴルフクラブの種類別のボール位置
ゴルフは一般的に持つクラブによってボールの位置が変わります。必ず変える必要はありませんが、どのクラブでも同じ位置というのは、ポピュラーな考え方ではありません。そこで目安となる位置をお話しします。
- ドライバーのボール位置
- フェアウェイウッドのボール位置
- ユーティリティのボール位置
- アイアンのボール位置
- ウェッジのボール位置
- パターのボール位置
ドライバーのボール位置
一般的にドライバーのボール位置は左足カカト線上といわれ、この位置がもっともスタンダードかつポピュラーでしょう。そのため、初心者や初級者でボールをどこに置いたらいいのかわからない人は、まずはこの位置に置きましょう。
もちろんゴルフ歴が長い人でも、ボール位置に迷っているなら、左足カカト線上を基準にするとよいと思われます。
スイング同様に、ボール位置にも正解はありません。プレーヤーがナイスショットを打てる位置に置けば何も問題ありません。そのため、左足カカト線上よりも右足寄りへ置く人もいます。また、左足のツマ先の前に置く人もいます。
フェアウェイウッドのボール位置
フェアウェイウッドのボール位置はドライバーの目安となる、左足カカト線上よりもボール1~1.5個、右足寄りに置くのが、もっともスタンダードかつポピュラーだと思われます。
そのため、初心者や初級者、もしくはゴルフ歴は長いけれど、ボールをどこに置いたらいいのかわからない人は、まずはこの位置に置いて練習やプレーをしてみましょう。
スイングと同じように、フェアウェイウッドのボール位置に正解はありません。プレーヤーがよいと思えるショットを打てる位置に置けば問題ありません。そのため、前述した位置よりも右足寄りへ置く人もいれば、左足寄りに置く人もいます。
ユーティリティのボール位置
ユーティリティ(ハイブリッド)のボール位置はフェアウェイウッドの目安となる位置よりもボール1~1.5個、右足寄りに置くのが、もっともスタンダードかつポピュラーだと思われます。
そのため、初心者や初級者でボールをどこに置いたらいいのかわからない人や、最近になってユーティリティをクラブセッティングに加え、ボールをどこに置いたらいいのか迷っている人は、まずはこの位置に置いてみましょう。
ただ、ボール位置に正解はありません。プレーヤーがよいショットを打てる位置に置けば問題ありません。そのため、前述した位置よりも右足寄りへ置く人もいれば、左足寄りに置く人もいます。
アイアンのボール位置
アイアンのボール位置はスタンス幅中央よりもボール1~1.5個、左足寄りに置くのが、もっともスタンダードかつポピュラーだと思われます。
そのため、初心者や初級者でボールをどこに置いたらいいのかわからない人やゴルフ歴だけは長いけれど、いまだにボール位置に迷っている人はまずはこの位置に置いて練習したり、プレーをしてみましょう。
ドライバーやフェアウェイウッド同様に、アイアンのボール位置にも正解はありません。プレーヤーがナイスショットを打てる位置に置けば特に問題ありません。そのため、前述した位置よりも右足寄りへ置く人もいれば、左足寄りに置く人もいます。
ウェッジのボール位置
ウェッジのボール位置はスタンス幅の中央に置くのが、もっともスタンダードかつポピュラーだと思われます。
そのため、初心者や初級者でボールをどこに置いたらいいのかわからない人は、まずはこの位置にボールを置いて打ちましょう。
ご存知のようにウェッジはグリーン周りからのアプローチショットなどでもよく使います。その場合はスタンス幅の中央ではなく、左足寄りへ置いたり、右足寄りへ置いたりすることが多々あります。
そのためスタンス幅中央はウェッジでフルショットをする際の目安と捉えてもらえば間違いがないと思われますし、ボール位置が原因のミスにはなりにくいと思われます。
パターのボール位置
パターは左目の真下を目安にするのがもっとも大衆的
パターのボール位置でもっともよく耳にするのが左目の真下です。アドレスをして左目の位置にボールを持って、そこからボールを地面に落下させて、落ちた地点にボールを置くというものです。
初心者や初級者でボールをどこに置いたらいいのかわからない人やゴルフ歴は長いけれど、パッティング時のボール位置に迷っている人はこの位置に置いてみてもいいでしょう。
左目の真下は大衆的な位置といえるため、間違いやミスにはなりにくいと考えられます。
ただし、何度もいうようですがボール位置にも正解はありません。プレーヤーが納得できる位置に置けば何も問題ありません。
自分に合ったボール位置の見つけ方や調整方法
自分にとってベストなボール位置はどこなのか…。これを見つける方法は、練習するときにいろいろなところへボールを置いて打ち、ショットの良し悪し等を検証するしかありません。
これまでに何度もいいましたが、ボールの位置に正解はありません。プレーヤーがよいと思った位置が、その人にとってのベストポジションです。
一般的、基本的、大衆的にみて、目安となるボール位置はありますが、その位置にこだわることはありません。あくまでも目安なので、まずはその位置で試してみて、よいショットが打てるかどうかをチェックしてみましょう。
打てるのなら、その位置でOK。打てないのなら、ボール1個分、右や左にズラしてみて、また試しましょう。この作業を繰り返し行うことで、ベストな位置がわかってくると思います。
アプローチショットのボール位置
ここでは、ゴルフでアプローチショットを打つときのボール位置についてお話しします。初心者や初級者で、アプローチショットをする際に、どこにボールを置いていいのかわからない人は参考にしてください。
- アプローチで高い球を打ちたい場合のボール位置
- アプローチで低い球を打ちたい場合のボール位置
- 傾斜(つま先上がり・つま先下がり)でのボール位置
アプローチで高い球を打ちたい場合のボール位置
一般的に左足寄りに置くとボールは高く上がりやすくなる
アプローチショットで高い球を打ちたいときは、スタンス幅の中央を基準にして、ボールを左足寄りに置くのがもっとも一般的かつ大衆的でしょう。
理論上、この位置にボールを置くとインパクトするときのロフト角が増すため、高い球になります。
初心者や初級者をはじめとした、ハイハンデのアベレージゴルファーはスイングが固まっておらず、打点も不安定な傾向にあるため、必ず高い球になるとは限りません。ちなみに、指導者等によっては前述した位置に置く必要はないと考える人もいます。
アプローチで低い球を打ちたい場合のボール位置
一般的に右足寄りに置くとボールは低くなりやすい
アプローチショットで低い球を打ちたいときは、スタンス幅の中央を基準にして、ボールを右足寄りに置くのがもっとも一般的かつ大衆的でしょう。
理論上、この位置にボールを置くとインパクトするときのロフト角が減るため、低い球になります。
前項の高い球と同様に、初心者や初級者をはじめとしたハイハンデのアベレージゴルファーはスイングが固まっておらず、打点も不安定な傾向にあるため、必ず低い球になるとは限りません。ちなみに、指導者等によってはこの位置に置く必要はないと考える人もいます。
傾斜(つま先上がり・つま先下がり)でのボール位置
スタンス幅の中央に置いて、ジャストミートを心がけることが大切
ツマ先上がりやツマ先下りの傾斜地からアプローチショットを打つときは、スタンス幅の中央にボールを置きましょう。
指導者等によっては右足寄りに置くことをすすめる人もいますし、逆に左足寄りをすすめる人もいます。
どちらも間違いではありませんが、初心者や初級者をはじめとしたハイハンデのアベレージゴルファーはスイングが固まっておらず、打点も不安定な傾向にあるため、どこに置いても大きな違いはありません。
そのため目安としてスタンス中央に置き、コンパクトなスイングを心がけるほうが大切でしょう。
ゴルフのボール位置は正しいアドレスを作るために大切
ゴルフはボールを置く位置によってアタックアングル(入射角)やクラブパスなどが変化するため、弾道等に違いがでます。そのためボールの位置がバラバラだと、ショットも不安定になりがちです。
またボールの位置がその都度違うと、アドレスも微妙に変わってしまうことがあるため、よりショットが不安定になります。このことから、ボール位置に注意して、プレーをするように心がけましょう。
■解説者プロフィール
宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経て、フリーランスのゴルフライターへ。USGTFティーチングプロ資格を有し、現在は埼玉県の練習場でレッスン活動も行っている。