石井良介がリョーマのFWを試打!「この5番ウッドは飛びすぎです」
リョーマ マキシマ F フェアウェイウッド/RYOMA MAXIMA F FAIRWAYWOOD【PR】
やさしく飛ばせる高性能で根強いファン層を獲得しているリョーマゴルフから新しいフェアウェイウッドが登場。なんでも3番は5番のようにやさしく、5番は3番に匹敵するほどの距離が出るという。でも、実際のところどうなのか? 本当に誰でも打てる3番なのか? ということで、令和の試打職人・石井良介に試打を依頼。どれだけ飛ぶのか、どれだけ打ちやすいのか、真相の究明に乗り出した!
写真/相田克己
硬めの打音のあとにグニャっという感じがくる独特の打感
リョーマの新作「マキシマ F フェアウェイウッド」のラインナップは、F2、F3、F5、F7の4番手。今回試打したのはF2以外の3本で、場所は神奈川県三浦郡葉山市の葉山国際カンツリー倶楽部。春まだ浅い寒空、しかも雨雲が近づくコンディションのもとで行った。
「リョーマのフェアウェイウッドといえば、球が上がりやすくてやさしい、というイメージですが、その意味では今作のマキシマもリョーマらしいFWです。打ってみると相変わらず打球はすごく上がりやすいし、つかまりすぎることもない。インパクト時にボールを弾く感じもこれまでのモデルを踏襲しています。ただ、今に始まったわけではないこの打感は個性的で、一言でいえば弾いて飛ばす感じ。硬い打感ではありませんが、ヘッドの側がカキッとしているのをすごく感じます。“カキッ”という硬めの打音のあとにグニャっという感じがくる。これは独特ですね」
「前作とどこが違うのかというと弾道の強さ。リョーマらしい打感やインパクト感に加えて、打った球に強さがあり、前へ前へと行く感じがします。トラックマンで測定すると、なるほど今回打った3つの番手はどれも当該番手としては十分以上のキャリーが出ている。しかもスピン量が適正でボールも浮いていたので、やさしさはそのままに、さらなる飛距離アップを達成したといえるでしょう。ヘッドスピードを落として打っても球の上がりやすさをすごく感じましたし、飛距離も出ているので、多くのアマチュアの方がやさしさを享受できると思います」
独特の打感の源は3段階の時間差インパクトでボールを押す「トリプルインパクト」にありそう。これはフェース面(第1波)、フェース面外周の高反発リング(第2波)、高反発スプリングボディ(第3波)の3つが瞬時のうちに機能してボールを強烈に押し出す仕組み。オフセンターヒットした場合でも、第2波、第3波がアシストに入るためミート率が落ちず、持ち前の反発力にもロスがなく、結果的にあらゆる打点でヒットしてもボール初速が上がって曲がらなくなったという。これまでのミスがミスにならないぶん飛ぶというわけだ。もちろんSLEルール適合モデルなので競技志向のゴルファーでも安心して使える。
F3の測定データ
F5の測定データ
F7の測定データ
ヘッドスピードなりに打ち出しが高くなり、つかまったボールで飛ぶ
「適正ヘッドスピード帯は40m/s前後だと思いますが、面白かったのは46~47m/sで打ってもボールが吹き上がらなかったこと。遅いヘッドスピードで打っても速く振ってもそこまで吹けず、ヘッドスピードなりに打ち出しが自然と高くなり、つかまったボールで飛んでいきました。ここもリョーマらしいところで、つかまって上がるという部分を押さえつつフェースの反発を感じられました」
「ヘッドの形状はシャローで、球体を上から潰したような丸みがあります。これについては好みが分かれる部分かもしれませんが、投影面積が大きめでヘッドの座りも良いですから、安心感があって打ちやすく感じるプレーヤーは多いと思います」
今回導入した極薄チタンボディにより、従来モデルに比べて130グラムもの余剰重量を確保した。そのぶんをフェース直下のロースピンブレード(80グラム)とヘッド後部のパワーブースター(50グラム)に分配。前者は他社のFWに比べてバックスピン量を35%、サイドスピンを55%、ともに減少させることに成功。後者によってスイートエリアは超高域になったという。ヘッドとボールの重心を直列一致させたことも相まってインパクト時のエネルギー効率もアップ。地面からでも、まるでティアップしたのと同じような飛距離を得られるようになっているそうだ。
どの番手も地面の上から打ちやすく、3Wは強い武器になりそう
「ヘッドの性能やシェイプをトータル的に見て判断すると、シャフトは軟らかいものの方がヘッドとの相性がよく、その性能を引き出してくれるように思います。柔らかめのシャフトなら、より球を持ち上げやすくなります。もちろんハードヒッターの方がやさしいFWを使いたいという意味での選択はありですが、その場合もしなってボールを上げてくれるシャフトの方が、程よく球がつかまってくれるはずです」
「繰り返しになりますが、やはりどちらかといえば、ヘッドスピードが遅めの人にとってやさしいクラブになると思います。純正シャフトはオリジナルのビヨンドパワー、ツアーAD MF-3の2種類ですが、双方ともハードタイプではありません。ただし、剛性が強い後者は浮いていた球が前に行くようになるので、叩いても負けない感じが出てきます。ドライバーが苦手な人にとって3Wは強い武器になる可能性を秘めていますし、今回打った3つの番手は、どれも地面の上から打つクラブとしては非常に打ちやすい。5Wの感覚で3Wが十分に打てそうです。私も今日は寒空の中でいきなり3Wを打ちましたが、いきなりでも楽に打てましたから」
シャフトは全てグラファイトデザイン社製のオリジナルで、ツアーAD MF-3はS、SR、R、A、Lの5種、ビヨンドパワーF-2はノーマルと軽量の2種類がラインナップされている。いずれもセンターヒットの再現性を高めるべく、3年の月日をかけてゼロから試作とテストを繰り返して完成させたシャフトで、幅広いゴルファーに対応できる。
なお、スペシャルチューニングとして超高反発フェースを採用(SLEルール適応外)したモデルもある。基本性能を変えることなくフェース全体を高反発化したもので、ボール初速がさらに1.1m/s向上。他社比+20ヤードの飛距離アップが望めるということだ。
試打解説/石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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