「打てない3番ウッドは抜け」なんて、いつまで言ってるんですか?
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第22回
アマチュアにとって当たらない・上がらない3Wよりも、ロフトがついてクラブが短めな5Wや7Wの方がやさしい。そう言われて、スプーンを諦めている人は少なくない。しかしカリスマフィッターの鹿又さんは「新しい3Wは意外に打てますよ」というが――。
写真/相田克己
ニューモデルは“上がりやすいスプーン”が主流に
昨年の秋から今年の春にかけて、各メーカーからニューモデルがどんどんリリースされました。それらのクラブを見たり打ったりして、ボクの中で大きな変化を感じたことが一つあります。それは何かというと、ニューモデルの3Wは球が上がるようになっていること。
球の高さが出るといってもアスリートに限った話ではなく、ドライバーのHSにして40~42m/sくらいで打っても「しっかりセカンドで(地べたから)打てるな」というモデルが多くなっています。結論から言えば、アマチュアの皆さんもスプーンを諦めなくてよくなった、ということですね。
“ぶっ飛びスプーン”の時代を経て、3Wがやさしくなった
思い返せば、10年ちょっと前に「ロケットボールズ」(テーラーメイド)や「X ホット」(キャロウェイ)といった“飛び系スプーン”の代名詞であり、大きなターニングポイントになった2つのモデルが人気になってから、FWは低スピン化と飛距離の競争になっていきました。その結果として、一般アマチュアがセカンドで打ったときに「3Wよりも5Wの方が飛ぶ」という“逆転現象”のようなものが起こることに。
アマチュアにとっては、ロフトがついている5Wの方が球が上がりやすくて、地べたからは5Wの方がトータルの飛距離が出ちゃう、という……。なのでボク自身がラウンドするときも、3Wはバッグに入れていませんでした。
ところが今は、いろいろなクラブを打っていく中で「しっかり打てる3W」ができて、もうほとんどのモデルがそういうふうに変化している。だからこそ今は、3Wに対する考え方を変えてもいいんじゃないか、という転換点になってます。
どうして3番ウッドはやさしくなった?
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