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松山英樹がプレーオフシリーズでアジア勢初の勝利! 強さの秘密は切り替えの早さ?
節目の10勝はプレーオフシリーズでの優勝。年間王者への期待が高まる。(写真は2024年フェデックス・セントジュード選手権 撮影/Getty Images)
アメリカPGAツアーのプレーオフシリーズ第1戦「フェデックス・セントジュード選手権」は松山英樹が逃げ切りで、アジア勢初となるプレーオフでの勝利を挙げた。2月の「ジェネシス招待」以来の今シーズン2勝目はPGAツアーで節目となる10勝目だった。
パリオリンピックの銅メダル獲得の記憶も新しいタイミングでの勝利
5打リードで迎えた最終日の松山は、12番から4ホールで4つスコアを落として逆転される苦しい展開。それでも難易度が全体の3番目と1番だった17、18番での連続バーディで2打差の勝利をつかみ取りました。
2週間前にパリオリンピックで銅メダルを獲得した記憶もまだ新しい中での優勝でした。
金じゃないから満足していない。「ご祝儀イベント」もすべて事前に断っていた
「金メダルだったら『おめでとう』だけど、銅だから言わないですよ。第一、本人が満足していないでしょう」。松山への檄を込めてこう語ったのは、恩師でもある東北福祉大の阿部靖彦監督です。
実際に松山も「嬉しいけど、金メダルを取った人がすぐ隣にいるので悔しい気持ちもあります」と話していました。
ただし銅メダルの喜びも、金メダルを取れなかった悔しさもオリンピックが終わった瞬間に切り替えて目の前の試合に集中していました。
メダリストは翌日以降や大会後にテレビなどに出演するのが恒例です。それを松山サイドは事前にすべてお断り。
毎週のように試合があるゴルフでは、翌日以降は余韻に浸ることなく次に向けて切り替える、という考えです。
プロ初勝利からそうだった……勝利の喜びもすぐに次戦へ切り替え。
この考え方は、2013年に大学4年生でプロ転向した時からです。
アマチュアで出場した2011年の「三井住友VISAマスターズ」で優勝した資格でこの年からプロとなった松山は「つるやオープン」で、史上最速となるプロ転向2戦目での勝利を挙げます。
この時も夜に簡単な食事会を開催して「お祝い」は終わり。すぐさま「つるや」が行われた兵庫から翌週の「中日クラウンズ」が開催される愛知に移動すると月曜日には練習ラウンドをして、初の「和合」のコースチェックを念入りにしていたそうです。
そして本戦では優勝した松村道央に1打差の2位。史上初のルーキーによる2週連続優勝こそ逃しましたが、パリオリンピック後の行動は、この時から実践していたということです。
「東北福祉大」の通算110勝目はお姉さんへ贈る勝利だった?
阿部監督によれば、今回の松山の優勝で東北福祉大出身及び在学中の選手のプロツアーでの通算勝利数が「110」となったそうです(女子の佐伯三貴の7勝を含む)。
また日本時間では8月19日早朝の優勝となりましたが、この日は阿部監督によると松山のお姉さんの誕生日。こちらも嬉しいプレゼントになったのかもしれません。
エースキャディは不在 予期せぬハプニングも乗り越え
パリオリンピックからアメリカに戻る移動中には自身の財布や、キャディの早藤将太さんのパスポートが盗まれる被害に遭いました。
早藤さんはパスポート再発行のため日本に帰国。今週は普段久常涼のバッグを担いでいる田淵大賀さんがキャディを務めました。
早藤さんは次戦に向けてすでに渡米。盗難についても「それがあったから勝てたんじゃないかと前向きに考えたいと思う」と言いました。
フェデックス・カップのランキングも8位から3位に浮上して、年間王者の可能性も十分に出てきました。プレーオフは残り2戦。それに向けて松山の中ではこの優勝やハプニングも「終わったこと」と切り替えられているのでしょう。
(取材・文/森伊知郎)
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